
ドジャースの大谷翔平投手は16日(日本時間17日)、本拠地でのエンゼルス戦に「1番DH」で先発出場。古巣との一戦を前に、米スポーツメディア『ジ・アスレチック』は、大谷のエンゼルス時代を回想。2022年にパドレスからトレード移籍を打診されていたものの、アルテ・モレノオーナーがこれを拒否していたと伝えた。
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■「エンゼルスは大谷を生かせず」
『ジ・アスレチック』は16日(同17日)、「エンゼルスはショウヘイ・オオタニを擁しながら、その才能を生かしきれなかった。そして今、ドジャースがそれを成し遂げるのを見守ることになる」と題し、記事を公開した。
執筆したケン・ローゼンタール記者は記事内で、エンゼルス在籍中に何度も噂になった大谷の移籍話を振り返った。同記者によると「トレードが初めて真剣に検討されたのは、2022年夏のトレード期限」で、名乗りを挙げたのはパドレスだったという。
「パドレスは当時ナショナルズに所属していたフアン・ソト外野手とオオタニの双方に興味を示していた。しかし、関係者によると、エンゼルスのモレノオーナーはオオタニの移籍に難色を示した。それを受けて、パドレスはソトとジョシュ・ベル内野手の獲得に軸足を移し、ナショナルズには2人の交換要員としてマッケンジー・ゴア投手、C.J.エイブラムス内野手、ジェームズ・ウッド外野手のほか若手有望株を含めて計6選手を送り出し、トレードを成立させた」と記した。
■交換要員はジャクソン・メリル
そして、結果的にご破算になったエンゼルスとのトレードについては、「モレノオーナーが(オオタニの)トレードに応じる意思があれば、パドレスはジャクソン・メリル外野手を交換要員に含めていた可能性があった」と指摘。トレード候補として、昨季オールスターゲームに選出されるなどブレイクを果たした選手の名前も挙がっていたと伝えた。
大谷は23年シーズン終了後にフリーエージェント(FA)となり、24年シーズンからドジャースでプレー。ワールドシリーズを制覇し、前人未踏の「50本塁打、50盗塁」を達成するなど大谷にとっては大正解の移籍。しかし、見返りもなくFAで去られたエンゼルスには何も残っていない。当時の大谷は最強のトレードチップであり、複数のスター候補との交換トレードも可能だったはず。しかし、モレノオーナーは交渉に応じなかったため、低迷から脱する最高の機会を逃すことになった。
また、モレノオーナーはFAになった大谷を引き留めるための契約内容に対しても渋く、ドジャースが10年総額7億ドルを提示したのに対し、「オオタニはメジャーで5~10番手くらいの選手、まずは4億ドルから始める」と話していたという。
トレードに応じず、大谷の価値も見誤っていたエンゼルスとオーナー。低迷が長引くのも当然と言えそうだ。
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