
24日から千葉県のMZ GOLF CLUBで前澤杯が開催される。主催者は実業家の前澤友作氏が代表をつとめる、むつざわゴルフパーク株式会社。
前澤氏が主催者であるだけでなく、いろいろと新しい企画が実行されることでゴルフ界をざわつかせているが、注目選手は石川遼。
開幕戦の東建ホームメイトカップは20位タイと、不完全燃焼に終わった。日本ツアーで圧倒的な人気を誇る石川は、その鬱憤を晴らすべく、今季最も注目を集める新規の大会で通算21勝目を狙う。
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■前澤杯とは
会場となるMZ GOLF CLUBは旧デイスターゴルフクラブ。前澤氏がゴルフ場を購入後現在の名称になり、一般営業されないプライベートクラブとして運営されている。
前澤杯の大きな特徴は、プロアマが本戦前日まで10日間開催されるということ。そしてそのプロアマ参加者は、従来の主催者側が招待した人ではなく、プロアマチケットを購入した人。
プロアマチケットの売上によって大会の賞金が決まるが、売上は3億3千万円となり、2億円が賞金で、残りの1億3千万円が大会の運営費に充てられることになった。
また、プロアマ、本戦ともに全組に帯同するラウンドガールの存在も前澤杯ならではの特徴。ラウンドガールはスコアボードを掲げて18ホール回る。普段はレースクイーンなどをしているラウンドガールにはファンがついており、そのファンにゴルフを見てもらいたい、という前澤氏の思いによってこの企画が実行されることになった。
■永久シードまであと5勝
石川は昨季2勝をあげ、通算20勝となった。あと5勝で永久シード獲得である。
今年も米ツアー予選会に挑戦する意向を表明している石川にとって、永久シードのために目の色を変えることはないかもしれないが、名だたる獲得者に名前が加わることは石川自身にとって名誉なことだろうし、「石川が出場資格を失うことはない」ということを喜ぶゴルフファンは多いはず。
東建ホームメイトカップではドライバーショットの調子がスコアに直結していた。初日は4つのパー3以外の14ホール中、9ホールでフェアウェイをキープしたことが6アンダーの首位発進につながった。初日のフェアウェイキープ率64.286%は17位タイだった。
しかし、2日目のフェアウェイキープ率は60.714%で35位タイだった。そして、この日のスコアは2アンダーで5位タイに後退。3日目のフェアウェイキープ率は54.762%の45位タイ。この日のスコアは1オーバーで20位タイに後退した。(最終日は悪天候のため中止となった)
石川はドライバーショットを含めたショットにはある程度納得できる水準に達したことを度々口にするようになったが、まだドライバーショットには安定性向上の余地がありそうだ。
東建ホームメイトカップ初日のようなドライバーショットの精度を安定して見せられるようになれば、永久シード獲得が今季中となることも、なくはない。
■前澤氏発のZOZO初代覇者はタイガー・ウッズ
日本開催の米ツアー、ZOZOチャンピオンシップは、昨年大会で6年契約を満了し一区切りとなったが、この大会をスタートさせたのがZOZO創業者で大会発足当時は社長だった前澤氏。
そして、ZOZOチャンピオンシップの初代覇者はタイガー・ウッズとなり、前澤氏がウッズに優勝杯を渡した。
多くのゴルファンが優勝して欲しいと思う選手が優勝したわけだが、今回も初代覇者となるのは最も優勝を望まれている選手、石川かもしれない。
プロアマは希望選手とのラウンドを、参加費+オークション形式で応募できた。圧倒的な人気を見せたのが石川。「石川がいなければ、大会の賞金額が変わっていたかもしれない」と感じさせるプロアマ売上を叩き出したようだ。
東建ホームメイトカップは最終的には上位争いとはならなかったが、初日は首位タイだった。状態は悪くないはず。“自分で得た大会賞金は自分がいただく”と言わんばかりのプレーに期待したい。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。