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2021年のア・リーグMVPは、当時エンゼルスの大谷翔平投手が満票で受賞したが、最後までMVPを争ったのがブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.内野手だった。
そのゲレーロJr.が前半戦終了間近から完全復活。リーグ10位の打率.288から、タイトルを狙える位置まで急上昇している。
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■MLB史上8人目の20試合で打率5割、本塁打10以上
2021年に本塁打48本で初のタイトルを獲得し、MVP投票では2位となったゲレーロJr.だが、その後の2シーズンは苦戦。今季も前半戦は打率.288、本塁打14、打点55と伸び悩んでいたが、前半戦最後に2試合連続本塁打を放つと、そこから一気に打棒が目覚めた。
7月14日(日本時間15日)のダイヤモンドバックス戦から、オールスター・ゲームを挟んで8月8日(同9日)のオリオールズ戦までの20試合で連続安打をマーク。その間の打率は.507、本塁打10を記録し、MLB公式サイトのサラ・ラングス記者のSNSによると、1901年以降、20 試合で打率 .500以上、ホームラン10本以上を記録した史上8人目の選手となった。
さらにゲレーロJr.は記録を伸ばし、連続安打記録は自身が2022年のほぼ同時期に到達した22試合に並んだ。その間に打率.494を記録し打率は急上昇。8月15日(同16日)時点での打率.323はリーグ4位とし、一気にタイトル争いに食い込んできた。
今季ゲレーロJr.が完全復活を遂げている要因の一つがパワー。今季の平均打球速度94.1マイル(約151.4キロ)はメジャー7位で、キャリアでは2021年の95.1マイルに次ぐ速さに。6月24日(同25日)のレッドソックス戦で自己最長飛距離471フィート(約143.6メートル)の本塁打を記録するなど、パワーが復活した上で、自己最高のハードヒット率56.0%もたたき出し、打撃に磨きがかかっている。
【最新動画】絶好調ゲレーロJr.が放った特大25号アーチ
Guerreros LOVE hitting bombs in Anaheim 💥 #PLAKATA pic.twitter.com/TNkCG10A7H
— Toronto Blue Jays (@BlueJays) August 15, 2024
さらに、初球スイング率は21年の43.2%から29.0%となっており、三振率ももっとも低い14.6%。ジョン・シュナイダー監督も連続試合安打継続中に「彼は打つべき球は打って、難しい球は打たない」と好球必打を評価した。
現在は打率.323だが、波に乗ってきた後半戦は.457を記録しているだけに、この調子が維持できれば打率の向上は期待できる。シーズンは残り約1カ月半、完全復活を遂げたゲレーロJr.が加わった首位打者争いはさらに激化すること間違いないだろう。
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