
今週は札幌競馬場でエルムS(ダ1700m)が行われる。真夏のダート重賞にハイレベルなメンバーが揃った今年。今後のダート路線を占う一戦として注目したい。
ここでは、過去10年からナチュラルハイとミトノオーにフォーカスしたデータを取り上げる。
◆【エルムステークス2024予想/データ攻略】前走GI出走馬に衝撃の「0.0.1.32」 実績十分も“連対圏は望めない”理由とは
ナチュラルハイに「3.0.0.1」の追い風
大沼S→マリーンSと北海道シリーズのダート1700m戦で連続好走。高い距離適性と夏競馬への対応力を存分にアピールしたのがナチュラルハイだ。ドゥラエレーデやプロミストウォリアなどGIでも掲示板内を確保してきた強豪との力関係がポイントだが、連勝に向けて心強い後押しとなるのがこちらのデータ。
・前走マリーンSを4角3番手以下で勝利【3.0.0.1】
該当馬4頭中3頭が勝利の“勝率75%データ”に該当。控える競馬で前哨戦のマリーンSを制した馬には“買いの一手”を下すべきとのデータが出現した。
北海道シリーズ3戦目を迎える本馬だが、近走は使われつつパフォーマンス上昇。暑さにへこたれることもなく、状態は上向きと捉えられるだろう。鞍上は29度目のJRA・重賞に挑む永野猛蔵。同期の永島まなみに続く重賞Vを気心の知れた相棒とともに決めるシーンは想定すべきだ。
■ミトノオーに【0.1.0.7】の“勝率0%”データ
ナチュラルハイとは対照的に、“0%データ”に該当してしまったのがミトノオーだ。前走平安Sを鮮やかな逃げ切りで制した馬。ダート界で屈指の先行力を持つスピードスターの連勝が期待されるなか、浮上したマイナスデータとは?
・前走逃げ脚質で勝利【0.1.0.7】
該当馬に勝ち星はなく、2着が最高という結果に。昨年はペプチドナイル、タイセイサムソンがこれに該当したがそれぞれ1.2番人気で馬券外に敗れ去った。直線が短い舞台ゆえ、各馬は早めに仕掛けないと届かない。その騎手心理が前走逃げ脚質勝ち馬の“勝率0%”データを生んでいるのだろう。
今回は自身初の1700m戦。この距離のスペシャリストが揃ったメンバー構成にあって、未知の要素を内包した人気上位想定馬にはリスクが伴う。右肩上がりの戦績を残すミトノオーにあっても1着のゾーンにおいては“消し”が妥当なのかもしれない。
◆【エルムステークス2024予想/データ攻略】前走GI出走馬に衝撃の「0.0.1.32」 実績十分も“連対圏は望めない”理由とは
◆【エルムステークス2024予想/危険な人気馬】重賞2勝の実績馬を“消し” 「勝率0%」「馬券内率7.7%」と不安要素が満載
◆【エルムステークス2024予想/高配当メソッド】ナチュラルハイに“馬券内率100%”の可能性浮上 「若さと勢い」に妙味あり
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。