松山英樹はリンクスが苦手……次世代を担う久常涼、中島啓太ら“若手選手”の奮起に期待 全英オープンゴルフ選手権 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

松山英樹はリンクスが苦手……次世代を担う久常涼、中島啓太ら“若手選手”の奮起に期待 全英オープンゴルフ選手権

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松山英樹はリンクスが苦手……次世代を担う久常涼、中島啓太ら“若手選手”の奮起に期待 全英オープンゴルフ選手権
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18日から、スコットランドのロイヤルトゥルーンゴルフクラブで全英オープンが開催される。

今季最後のメジャーに出場する日本人選手は8名。もちろん、活躍が期待できる選手の筆頭は松山英樹だが、久常涼、星野陸也、中島啓太ら、若手選手にも注目だ。

というよりも、松山はリンクスが苦手で、他のメジャーと同じように期待するのは酷。こんな時こそ、松山の次世代を担う若手の奮起に期待したい。

◆松山英樹はB・ケプカ&W・クラークと同組 今季メジャー最終戦「全英オープン」

■メジャーの中で最も予選落ちの回数が多い

松山は、マスターズ、全米オープン、全米プロでは安定した成績をあげている一方で、全英オープンでは精彩を欠く傾向にある。これまで9回全英オープンに出場し、予選落ちは3回ある。マスターズは1回、全米オープンも1回、全米プロは0。四大メジャーの中で、予選落ちが最多なのだ。

また、予選落ち3回の内の1回は、今回と同じロイヤルトゥルーンで開催された2016年大会だ。

毎年全英オープンの前週には、同大会の前哨戦としてリンクスコースでスコティッシュオープンが開催されている。松山は11日から開催されたスコティッシュオープンに出場し予選落ち。初出場となった2018年大会も、2回目の出場となった2022年大会も予選落ちだった。

2022年は、年間で予選落ちをしたのはスコティッシュオープンだけ。今季も現時点で予選落ちはこの大会だけだ。

リンクスは風などの天候の変化が激しく、プレーする時間帯によってコースの状況が大きく変わる。その部分で運に恵まれていないのかもしれないが、他のメジャーと比べた時の全英オープンやスコティッシュオープンの成績を見ると、松山はリンクスが苦手と見ることができる。

松山英樹、スコティッシュオープンと全英オープンの成績

松山英樹、スコティッシュオープンと全英オープンの成績

■欧州ツアー勢に期待

いつまでも松山一人に期待を集中させている場合ではない、と若手の奮起に期待したい。久常涼、星野陸也、中島啓太らは、松山の次の世代を担うにふさわしい存在感を、もっと発揮しても不思議ではない選手だ。

昨季、欧州ツアーで初優勝し、今季から松山とともに米ツアーで戦う久常は、19戦して12回予選を通過し、シード入りを狙える位置につけている。初のメジャー出場となった今季のマスターズでは予選落ちだったが、全米プロでは予選を通過し18位タイフィニッシュ。着実に経験と実績を積み重ねており、2020年、日本ツアーのファーストQT失敗から始まった躍進の勢いは、まだ衰えていない。

2月のカタールマスターズで欧州ツアー初優勝を飾った星野は、肺の病気の療養のため、4月と5月は試合を休んだ。復帰戦となった全米オープンは予選落ちだったものの、その後の欧州ツアー2戦は29位タイと6位タイ。全英オープンは4年連続4回目の出場。昨年大会は初めて予選を通過し、60位タイフィニッシュ。今回は昨年大会以上の好成績が期待できるのではないだろうか。

3月のヒーローインディアンオープンで欧州ツアー初優勝を飾った中島は、その後も好調を維持。4月の日欧共催大会 ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!では、3日目終了時に首位と2打差の3位タイ。5月末から開催されたイタリアンオープンでは最終日に一時首位に並んだ。最終的にはそれぞれ11位タイと6位だったが、昨季日本ツアーの賞金王は欧州ツアーでも順調に実績を重ねてきている。

全英オープンには2年連続2回目の出場。昨年大会は予選落ちだったが、松山とともに日本代表として戦うパリ五輪へ向けて、全英オープン初、そして海外メジャー初の予選通過はもちろん、上位進出を果たし勢いづきたい。

昨季、欧州ツアーを主戦場とした岩﨑亜久竜は、初優勝が昨季の日本オープン。ビッグタイトル獲得により全英オープン出場権を得た。今季日本ツアー8戦で予選通過3回と不調に喘いでいるが、大舞台での強さを生かし、良いきっかけを掴みたいところだ。

■松山の若手への‟苦言”

松山はパリ五輪出場に関して「世界ランキングで50位以内に入るぐらいの選手が出てきたら自分は出なくてもいいかな、と思ったけど、そういう選手が出てこなかったので出ることにした」と語った。

これは、若手に対しての‟苦言”ともとれる。若い選手の多くは松山への憧れを口にするが、いつまでも見上げている場合ではないだろう。

スコティッシュオープンは、松山だけでなく、久常、星野、中島らも出場した。結果は全員予選落ち。全英オープンでは、松山から見ても頼もしくうつるぐらいの活躍を日本の選手に期待したい。

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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