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横浜DeNAベイスターズからポスティングシステムでのメジャー移籍を目指していた今永昇太投手が9日(日本時間10日)、鈴木誠也外野手が所属するカブスと契約に合意したと複数の米メディアが伝えた。交渉期限が11日(同12日)に迫る中、直前の決定となった。
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■「日本で最高の先発投手の1人」と紹介
米紙『USA TODAY』のボブ・ナイチンゲール記者が「カブスは日本人投手のショウタ・イマナガと仮契約を交わした。11日の木曜日(同12日)にフィジカルチェックを受けて正式発表となる」と自身のX(旧ツイッター)に投稿。同記者はその後、12日(同13日)に記者会見を行う予定であることも伝えた。
同記者の報道を受けて、米メディアも一斉に反応。シカゴの地元メディア『BLEACHER NATION』は「ついに実現したぞ!カブスがFA選手と契約、そして彼は良い選手だ」とし、今冬初めてFA選手の獲得に成功したことを喜んだ。カブスは大谷翔平投手、山本由伸投手の争奪戦に参加しながらも連敗。三度目の正直でついに射止めただけに興奮気味だった。
同メディアは今永の日本での成績を紹介しつつ「30歳の彼はここ数シーズン、日本で最高の先発投手の1人だった。WBCでの圧倒的なパフォーマンスを覚えているファンも多いだろう」と記した。さらに、先発ローテーションの3、4番手と予想する声が多い中、「昨季16勝を挙げたジャスティン・スティール投手の次に入る」とし、2番手という高評価を与えた。
■千賀ばりのスプリットにも太鼓判
米スポーツサイト『BLEACHER REPORT』は、MLB公式サイトのデビッド・アドラー氏のコメントを引用し、今永の特徴に言及。同氏によると「WBCの登板でイマナガが投じたストレートの平均球速は94.4マイル(約152キロ)で、回転数は2,566だった。左利きの先発投手としては、しっかりとしたスピードが出ており、回転数も高い。これらの数字は、彼が空振りを奪う“ホップするストレート”を持っていることを示唆しているかもしれない。2023年シーズン、メジャー先発左腕の速球は平均92.9マイル(約149.5キロ)で、回転数は2,234だった」という。
また、同氏は「イマナガの最高の投球はメッツのコウダイ・センガが投げるゴーストフォークと似た特徴を持つスプリッター」と指摘。これらの投球内容を評価した上で、同メディアは「イマナガはヤマモトを逃したことによって与えられた“残念賞”以上の存在だ」と訴えた。
カブスはエース格マーカス・ストローマン投手がFAとなっており、今永にはその穴を埋めることが期待されている。鈴木との日本人コンビでチームをポストシーズンへ導けるか、注目だ。
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文●SPREAD編集部