ロサンゼルス・エンゼルスからFAとなり、去就が注目される大谷翔平投手。今季は打率.304、44本塁打、95打点、20盗塁、OPS1.066で自身初の本塁打王を獲得し、ア・リーグMVPに選出された。
昨季と比べると、とりわけ打者としての活躍が光った1年だった。ここでは、大谷がメジャーの最高峰に登り詰めた打撃指標にフォーカスし、公式データを読み解いてみたい。
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■出塁能力も極めて高い大谷
ベースボールでは近年「OPS（On-base Plus Slugging）」と呼ばれる指標が頻繁に使われる。打者の「出塁率」と1打数あたりの塁打数を示す「長打率」を合計した数値で、打撃力を評価したものだ。OPSは日本でも認知されつつある人気の指標だが、出塁よりも長打の比重が大きい欠点も含んでいる。
そこで、この問題点を修正した「wOBA（Weighted On-Base Average）」という指標が生み出された。安打や四球など、出塁を伴うプレーにそれぞれ得点価値を加えて、打者が打席あたりに「どれだけチームの得点増加に貢献したか」を表している。北海道日本ハムファイターズが本拠地にしていた、札幌ドームの電光掲示板で目にした野球ファンもいるだろう。
今季は、wOBAのメジャーリーグ平均が.317。そのなかで、大谷は.433で見事ナンバーワンに輝いた。2位がナ・リーグMVPのロナルド・アクーニャJr.外野手の.428、3位がアーロン・ジャッジ外野手.420と続く。今季大谷はメジャー2位の敬遠数21個、3位の四球率15.2%を誇る。華やかな本塁打が注目されがちだが、出塁能力も極めて高く、得点増加にもっとも貢献した選手のひとりとなっている。
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文●有賀博之（SPREAD編集部）
