中島啓太「史上最年少V」で松山英樹でもなし得なかった“史上初の快挙達成”なるか 日本シリーズJTカップ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

中島啓太「史上最年少V」で松山英樹でもなし得なかった“史上初の快挙達成”なるか 日本シリーズJTカップ

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中島啓太「史上最年少V」で松山英樹でもなし得なかった“史上初の快挙達成”なるか 日本シリーズJTカップ
  • 中島啓太「史上最年少V」で松山英樹でもなし得なかった“史上初の快挙達成”なるか 日本シリーズJTカップ

30日から、東京よみうりカントリークラブでツアー最終戦となる「日本シリーズJTカップ」が開催される。注目は、今季賞金王が確定し、12月14日から開催される来季米ツアー出場権をかけた最終予選会に出場する中島啓太

中島の現時点での獲得賞金が1億7248万6179円で、JTカップで優勝すれば2億円を超える。2億超えとなれば2016年の池田勇太以来5人目。日本ツアーのみで2億超えとなれば1996年の尾崎将司以来2人目となる。

また、昨年9月にプロデビューした中島は、今季がツアー本格参戦1年目となるが、1年目での賞金王と2億超えは、2013年の松山英樹以来2人目の快挙だ。

1年目に日本ツアーのみで2億超えとなれば、史上初の快挙達成となる。

◆【画像】獲得賞金2億円越えの賞金王一覧、中島啓太史上初の快挙なるか

■抜群の安定感

中島啓太と松山英樹の本格参戦1年目のスタッツ(11月26日時点)

中島は「松山さんのいる米ツアーで一緒に戦いたい」と、松山に対して憧れの念を抱いているが、今季の安定感やスタッツはルーキーイヤーの松山に負けていない。

2013年の松山は日本ツアー13試合で4勝し、1億5千万円以上を稼いだ。中島は現時点22試合で3勝し、1億7千万円強。勝率や1試合あたりの獲得賞金という点では、松山に圧倒されているものの、予選通過率やトップ10率、スタッツは2013年の松山と同程度の高水準を誇る。

松山は予選通過の回数が12回で、確率が92.3%(12/13)。トップ10の回数は10回で、確率が76.9%(10/13)。中島は予選通過の回数が21回で、確率が95.5%(21/22)。トップ10の回数が16回で、確率が72.7%(16/22)、となっている。

平均ストロークは中島が69.375で1位、松山が69.320で1位。記録は松山の方が上回っているが、その差は0.055。約18ラウンドして1打差がつく程度の差だ。

パーオン率は中島が3位で松山が2位。ただ、記録は72.610%の中島が71.330%の松山を上回っている。パーキープ率も順位では中島の4位に対して松山は1位だが、記録は89.406%の中島が87.890%の松山を上回っている。

平均パットは中島が1.7212で4位、松山が1.7629で14位。記録も順位も中島が上回っている。

バーディ率は中島も松山も1位。記録は4.814の中島が、4.180の松山を上回っている。

ドライビングディスタンス順位とフェアウェイキープ率を合算した値であるトータルドライビングは、中島が2位で記録が50、松山が3位で記録が48。記録では松山が上だが、順位は中島が上となっている。

中島は本格参戦1年目で賞金王となったわけだが、同じ快挙を達成した松山ほどの強さを印象付けてはいない。

だが、こうやってスタッツを見てみると、10年前の松山に引けをとらない数字が並んでいる。日本シリーズで優勝賞金4千万円を加えて獲得賞金が2億円を突破し、史上初の快挙を達成しても不思議ではない。

■優勝すればJTカップ史上最年少V

近年は若手の台頭が目立つが、今季はそれがより色濃く表れた。中島だけでなく、金谷拓実蟬川泰果平田憲聖らが結果を出した。ダンロップフェニックスでの杉浦悠太のようにアマチュアが優勝しても、関係者やゴルフファンは以前ほど驚かなくなってきている。

JTカップ史上最年少優勝は1981年大会の羽川豊。23歳11カ月28日での優勝だった。中島が優勝すれば、23歳5カ月9日での優勝となり、史上最年少Vとなる。

JTカップは2021、22年大会連覇の谷原秀人、2014年大会の宮本勝昌、2010~12年大会3連覇の藤田寛之、2009年大会の丸山茂樹など、40歳代の優勝が目立つ。

過去20大会(2003~22)で20歳代の優勝は、15年、19年大会の石川遼、18年大会の小平智、04年大会のP・シーハンの3人で計4回しかない。

そんな中堅やベテラン優勢の大会だが、中島の年少V記録更新とシーズン2億超え達成は十分ありえる。

中島はアマチュアで優勝した2021年9月のパナソニックオープンでは、パー3以外のホールのティーショットで、ドライバーの選択を最後まで徹底した。翌年のマスターズ出場権をかけた、翌月のアジアパシフィックアマチュア選手権で優勝するために必要なマネージメントと考えたからだ。

目先の成績にとらわれ過ぎずに‟計画”を実行してきた中島は、日本シリーズでも米ツアー予選会を意識した計画を立てて臨むはず。その計画を実行した結果やいかに。内容も米ツアー予選会につながるものになることを期待したい。

◆【画像】中島啓太が最終戦で優勝すれば歴代何位に……そして女子ツアーとの差は……歴代賞金王・賞金女王一覧

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

獲得賞金2億円越えの賞金王

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