「その馬は、いつも名馬の前を走った」パンサラッサ、世界ナンバーワンホースや三冠馬に挑んだ大逃げの記憶 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

「その馬は、いつも名馬の前を走った」パンサラッサ、世界ナンバーワンホースや三冠馬に挑んだ大逃げの記憶

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「その馬は、いつも名馬の前を走った」パンサラッサ、世界ナンバーワンホースや三冠馬に挑んだ大逃げの記憶
  • 「その馬は、いつも名馬の前を走った」パンサラッサ、世界ナンバーワンホースや三冠馬に挑んだ大逃げの記憶

海外GI2勝のパンサラッサ(牡6、栗東・矢作芳人厩舎)は28日、ジャパンCを最後に現役を引退。北海道新ひだか町・アロースタッドで種牡馬入りを予定していることが発表された。

ラストランとなったジャパンCは前半1000m57秒6。最後まで大逃げで湧かせた稀代の個性派ホースの、名勝負を振り返る。

◆【実際の映像】劇的同着のドバイターフ、世界を制した歓喜のサウジカップ、イクイノックスに挑んだ1000m57秒4……パンサラッサの名勝負3選

■スタートからゴールまで大歓声

パンサラッサが逃げたレースを振り返ると、無敗の三冠馬コントレイル、2021年の年度代表馬エフフォーリア、そして牝馬三冠リバティアイランド、世界ナンバーワンホース・イクイノックスと、歴史的名馬の名前が連なる。

いつも名馬の前を走った、それがパンサラッサだった。

晩年はとくに果敢な大逃げの戦法を取り、5馬身、10馬身と後続を突き放し、最終コーナーを回る頃には後続勢にとっては「絶望的」とも言えるリードで直線へ。果たして、大本命は届くのか……。

ラストランのジャパンCもそうだったが、パンサラッサの大逃げにより、スタートからゴールまで大歓声に包まれる。そんなレースはそう見られない。

しかし、脇役のまま終わらなかったのがパンサラッサの馬生だった。2022年のドバイターフは後に3連覇を飾るロードノースの追撃に驚異的な粘り腰で抵抗し、長い写真判定の末に同着優勝。

そして翌2023年2月にはサウジCへ挑戦。ここでも果敢にハナを奪うと終始先頭を譲らず、4コーナーではジオグリフ、カフェファラオ、クラウンプライドら日本勢を率いて先頭へ。最後は前年のドバイワールドC覇者カントリーグラマーの猛追を3/4馬身差凌ぎ、1着賞金1000万ドル(当時のレートで日本円約13億円)の世界最高賞金レースを制した。

■前半1000m57秒4の先へ

ドバイターフとサウジCの逃げ切りVがパンサラッサのキャリアハイとなるが、ファンの記憶に残ったレースの一つが、2022年天皇賞・秋の大逃走劇か。

パンサラッサは前述のドバイターフを制した後、宝塚記念は8着、前走・札幌記念は同型馬ジャックドールとの叩き合いでクビ差の2着に敗れ、天皇賞・秋は7番人気に甘んじた。

しかし、ここでパンサラッサは序盤から果敢にハイペースで飛ばし、直線に向く頃には後続に15馬身以上。届くのか、逃げ切るのか……。悲鳴混じりの大歓声が府中を揺らした。

最後はイクイノックスの末脚に屈したものの、3着ダノンベルーガの末脚はクビ差封じ2着。イクイノックスの上がり3Fは32秒7、パンサラッサが36秒8と、じつに4秒1もの差があったことからも、いかにパンサラッサがリードを広げていたかが見て取れる。

この時の前半1000m57秒4は、1998年のサイレンススズカと同タイム。4コーナーで散った天馬の先を走ったのが、パンサラッサだった。

2022年のドバイターフ(芝1800m)、23年のサウジC(ダ1800m)と日本馬初の海外芝・ダートGI両制覇を成し遂げ、歴代4位となる獲得賞金18億4466万3200円を稼いだ。しかし、その記録以上にファンの記憶に刻まれた稀有な存在だった。

歴史的名馬と比較されるようになったイクイノックスが後世に語り継がれ、そして、レースを振り返る時、そこには必ずパンサラッサが前を走っている。

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(T.Yamada/SPREAD編集部)

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