石川遼、ドライバー精度加わり総合力が米ツアーレベル到達へ ワールドワイドテクノロジー選手権 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

石川遼、ドライバー精度加わり総合力が米ツアーレベル到達へ ワールドワイドテクノロジー選手権

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石川遼、ドライバー精度加わり総合力が米ツアーレベル到達へ ワールドワイドテクノロジー選手権
  • 石川遼、ドライバー精度加わり総合力が米ツアーレベル到達へ ワールドワイドテクノロジー選手権

2日からメキシコのエル・カルドナルatディアマンテで開催される米ツアー、ワールドワイドテクノロジー選手権に、石川遼が心技ともに充実した状態で出場する。

10月12日からの日本オープンで2位に入り、すべりこみで19日からの日本開催の米ツアー、ZOZOチャンピオンシップ出場権を獲得。

同大会で日本オープンの勢いそのまま上位を争い、日本選手最上位となる4位タイに入ったことで、トップ10の選手に与えられる、ワールドワイドテクノロジー選手権の出場権を獲得した。

2013年から2017年まで米ツアーを主戦場にしていた石川は、米ツアー復帰の意欲が高く、スイング改造など、再び米ツアーで戦うための取り組みを中長期的な計画の中で進めてきた。その取り組みは着実に結果に出てきており、主戦場を米ツアーに移せる時が近づいてきていることを感じさせる。

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■ZOZOチャンピオンシップで見せた可能性

石川にとってZOZOチャンピオンシップは3年ぶり、習志野CC開催のZOZOチャンピオンシップは4年ぶりの出場となった。

初日17位タイ、2日目終了時8位タイ、3日目終了時8位タイ、そして4位タイフィニッシュと、大会を通して安定したプレーを披露。米ツアー選手の中に入って堂々戦い、主戦場が米ツアーになっても不思議でない成績を残した。

「石川遼は15歳で日本ツアーで優勝し、翌年プロに転向した。現在32歳の彼は今日、2014年以来最高のPGAツアーフィニッシュ(4位タイ)を獲得した」というコメントを米ツアーが公式X(旧ツイッター)に投稿するなど、石川の上位フィニッシュには注目が集まった。

■着実に進むドライバーショットに対する不安払拭

米ツアーから撤退した原因はドライバーの精度の低さ。基本的に米ツアーのコースは日本ツアーのコースに比べてフェアウェイは広いが、フェアウェイキープ率は2013-2014シーズンが53.26%で169位、2014-2015シーズンが56.39%で156位だった。

ティショットの貢献度を示すSG:オフザティーは2013-2014シーズンが148位、2014-2015シーズンが168位だった。

米ツアーを主戦場にした最後のシーズン、2016-2017シーズンは、フェアウェイキープ率が51.92%で183位、SG:オフザティーが175位まで落ち込んでいた。

だが、2018年シーズンから主戦場を日本に移し、繰り返したスイング改造が実を結びはじめている。少しずつではあるものの、ドライバーショットで飛距離と方向を両立できるようになってきている。

ZOZOチャンピオンシップでは、フェアウェイキープ率の4日間平均は強風だった日の影響もあり46.15%だったが、トップと5打差で迎えたプレッシャーのかかる最終日に69.23%を記録。8バーディにつなげた。

今季は米ツアーでもう1試合、全米オープンに出場している。ここでのフェアウェイキープ率の4日間平均は63.46%で、大会を通してドライバーショットがまずまず安定していた。

■元々ウェッジショットは高水準

石川のウェッジショットは米ツアーを主戦場にしていた時から、高水準だった。

2013-2014シーズン、100ヤード以内からのショットでは平均13フィート10インチ(約4m22cm)につけて4位。75~100ヤードにしぼると、平均12フィート(約3m66cm)につけて1位だった。

2014-2015シーズンもウェッジショットの水準がまずまず高かった。100ヤード以内からのショットでは平均14フィート6インチ(約4m42cm)につけて14位。75~100ヤードでも、平均14フィート6インチ(約4m42cm)につけて15位だった。

この100ヤード以内からの精度が、他の距離からのショットも含めたスタッツを後押ししていた。グリーンを狙うショットの貢献度を示すSG:アプローチトゥグリーンは、2013-2014シーズンが36位、2014-2015シーズンが27位だった。

ドライバーショットが安定し、このウェッジの精度があれば、十分に米ツアーで戦っていける。

米ツアー公式サイトが発表したワールドワイドテクノロジー選手権での優勝予想、パワーランキングは8位。関係者の期待値も高い。

‟優勝して米ツアーが主戦場に”そんな期待を抱かせる石川。タイガー・ウッズが初めて設計したコースで躍動するか注目だ。

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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