【男子ゴルフ】今季2勝トップ10率80%の金谷拓実、“同門”中島啓太抜き賞金ランキングトップへ ANAオープン | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【男子ゴルフ】今季2勝トップ10率80%の金谷拓実、“同門”中島啓太抜き賞金ランキングトップへ ANAオープン

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【男子ゴルフ】今季2勝トップ10率80%の金谷拓実、“同門”中島啓太抜き賞金ランキングトップへ ANAオープン
  • 【男子ゴルフ】今季2勝トップ10率80%の金谷拓実、“同門”中島啓太抜き賞金ランキングトップへ ANAオープン

男子ゴルフの第17戦「ANAオープンゴルフトーナメント」が14日に開幕する。会場はお馴染みの札幌ゴルフ倶楽部・輪厚コース。昨年大会は大槻智春石川遼がプレーオフにもつれこみ、大槻のチップインイーグル決着という劇的な幕切れとなったが、今年はどんな展開が待っているのだろうか。

9月11日時点の賞金ランキングで、トップの中島啓太と約500万円差の2位につけている金谷拓実に注目したい。

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■2013年の松山英樹を上回る平均ストローク

金谷は出場試合数が多くない。賞金ランキング上位の選手の出場試合数は「15」が多いが、金谷は「10」。その試合数で賞金ランキング2位につけているということは、抜群の安定感を誇っているということ。

実際、平均ストロークは68.866で1位。松山英樹が日本ツアー賞金王になった米ツアー本格参戦前年の平均ストロークが69.320ということを踏まえてみても、69.0を切る数字は驚異的だ。

2020-21シーズンの平均ストロークも1位だったが、69.730。今季現時点との差は、0.864。4日間に換算すると、3.456となる。1試合3、4ストロークの差は大きい。それだけ金谷は成長した。

中島はANAオープンには出場しない。金谷は上位進出して今季最後までもつれると思われる賞金王レースを有利に進めたいところだ。優勝となれば追い抜くだけでなく中島に大きな差をつけてトップに立てる。

■今季勝率20%、トップ10率80%

今季の金谷は、日本ゴルフツアー選手権とフジサンケイクラシックで優勝している。トップ10は8回。トップ10に入らなかった残りの2試合も12位と13位で、まずまずの順位だ。

この安定感を支えているものの一つに大会期間中の修正力が挙げられる。

5月のミズノオープンでは第1ラウンド41位タイと出遅れながら、第2ラウンドで4位まで上昇して優勝争いに加わり、3位タイでフィニッシュ。

7月の日本プロゴルフ選手権では第1ラウンド85位タイと出遅れながら、第3ラウンドで3位まで上昇し、2位タイでフィニッシュした。

‟気が付けばいつも優勝を争っている”それが今季ここまでの金谷だ。

■トータルドライビングとリカバリー率が1位

金谷はドライバーショットの精度が高い。ドライビングディスタンスは31位で飛距離が出る方ではないが、フェアウェイキープ率は10位と高水準。ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率の順位を合算した値のトータルドライビングは1位だ。

そして、パットが今季成長。パーオン率はあまり変わっていないにも関わらず、パーオンホールのみ対象の平均パット数が向上した。2020-21シーズンと比較して順位は同じ2位だが記録が0.475向上している。

その結果、バーディ率が上がった。2020-21シーズンは4.130で5位タイだったが、今季は4.775で2位となっている。

パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する確率を示すリカバリー率は9.366%も上がり、今季現時点で2位に4%以上の差をつけ1位になっていることもパットの成長を物語っている。

もともと高い精度を誇るドライバーショットにより、トラブルになることが少なくボギーやダブルボギーになる確率が低かった。今季はパットの成長により、さらにボギーになる確率が下がった上に、バーディになる確率が上がった。

だから69.0を切る驚異的な平均ストロークになっているのだ。

■賞金王へ

賞金王レースは金谷と中島の一騎打ちの様相を呈している。金谷と中島はアマチュア時代にナショナルチームに所属。金谷が2歳年上だが、互いに切磋琢磨し合った。

そして二人は、ともにナショナルチームヘッドコーチのガレス・ジョーンズ氏を今も師と仰ぐ‟同門”。

金谷の座右の銘は「人事を尽くして天命を待つ」。これはジョーンズ氏の「プロは準備と計画がすべて」という教えを受けてのものだ。

2020-21シーズンは賞金王のチャンスがあったが、結果、賞金ランキングは惜しくも2位。国内ツアーの獲得賞金はトップだったが、海外メジャーの獲得賞金が加算されたことで、賞金王のタイトルを約800万円差でC・キムに譲る形となった。

昨季は、米ツアーだけでなく欧ツアーにも積極的に参戦し、日本の出場試合数は少なく、昨年のANAオープンには出場していない。2021年のANAオープンには出場しており、この時は16位タイ。

海外での厳しい戦いの連続を経て力をつけた金谷。後輩の中島には負けられない。この先に待っているであろう賞金王のタイトルに向けて、人事を尽くしていく。

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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