【MLB】「世界最高峰」の証明 公式データで読み解く打者・大谷翔平“忖度なし”の現在地 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【MLB】「世界最高峰」の証明 公式データで読み解く打者・大谷翔平“忖度なし”の現在地

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【MLB】「世界最高峰」の証明 公式データで読み解く打者・大谷翔平“忖度なし”の現在地
  • 【MLB】「世界最高峰」の証明 公式データで読み解く打者・大谷翔平“忖度なし”の現在地

ア・リーグ西地区のロサンゼルス・エンゼルスは1日(日本時間2日)現在、レギュラーシーズン135試合を消化し64勝71敗。ア・リーグ西地区4位に沈み、来季に向けて再建モードへと移行しつつある。

トレードデッドラインでは大補強を敢行するも実らず、大量の故障者にも見舞われ低迷。一方で、右肘靭帯損傷を抱える大谷翔平は、打者として奮闘を続けている。

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■世界レベルのスラッガーに成長も…

大谷は今季打率.307、44本塁打、95打点と打撃絶好調。今や三冠王も見据える、ナンバーワンクラスの強打者に成長した。ここでは、MLB公式「Baseball Savant」のデータを元に、打者・大谷のメジャーリーグにおける“正確な現在地”を紐解いてみたい。

平均打球速度:94.7マイル(MLB全体2位)

大谷の打撃に於いて、特筆すべき点は言うまでもなく飛びぬけたパワーだ。

平均打球速度94.7マイル(約152.4キロ)はアトランタ・ブレーブスロナルド・アクーニャJr.マット・オルソンと並ぶMLB全体2位タイ。46本塁打を放った2021年の92.9(約149.5キロ)マイルを大きく上回っており、自身過去最高をマークしている。8月29日(同30日)の二塁打で計測された118.6mph(約190.8キロ)は今季の全体トップタイに位置する。

ハードヒット率:54.9%(MLB全体5位)

打球速度が95マイル(約152.9キロ)を超える打球は「ハードヒット」と呼ばれる。

全打球に対するハードヒットの割合が、今季は54.9%まで上昇。昨季の49.8%を超え、こちらも自身過去最高を更新中。メジャー全体でも5位タイにつけ、昨季の18位から大きくジャンプアップ。平均打球速度と合わせて、文字通り「世界で5本の指に入るパワーヒッター」となった証だろう。

バレル率:19.9%(MLB全体1位)

近年のデータ分析により「打球速度と打球角度の理想の組み合わせ」が導き出されている。

打球の初速が約158キロ以上では打球角度26から30度、約187キロ以上で8度から50度で最も安打になる確率が高く、この範囲を「バレルゾーン」と呼んでいる。大谷はバレルの割合が19.9%で今季メジャー1位タイ。アーロン・ジャッジとトップの座を争っており、強く、効率のよい打球を打ち続けていることがわかる。

スプリントスピード:27.8フィート(MLB全体203位)

選手が1秒間に走った距離を計測した指標「スプリントスピード」。

“走力”にも注目が集まる大谷だが、気になる点もある。今季は27.8フィート(8.47メートル)をマークするも、これはメジャー全体で203位タイ。上位26%に相当するが、2021年には28.8フィート(8.78メートル)で上位9%にまで達しており、徐々に数字を落としている。よりスラッガータイプへと肉体改造をした弊害か、長いシーズンを乗り切るための“ペース配分”なのかは定かではない。

データ解析が進み、かつては主観で語られていた能力がひとつひとつ可視化される時代となった。本当に優れた選手はいったい誰なのか…「華がある」「大舞台に強い」など、数字には表れにくい長所もまた魅力のひとつと言えるが、ファンの“評価基準”は時代とともにアップデートされつつある。

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文●有賀博之(SPREAD編集部)

《SPREAD》
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