女子ゴルフの国内第21戦「楽天スーパーレディース」（兵庫県・東急グランドオークゴルフクラブ／6636ヤード、パー72）が27日、開幕する。
昨季は、4日間ノーボギーで回った勝みなみが圧倒的な強さで優勝を飾った。山下美夢有、岩井千怜らは、海外メジャー第4戦「アムンディ・エビアン選手権」参戦で不在だが、ホステスプロの稲見萌寧をはじめ、有力選手がこぞって真夏の4日間大会制覇を狙う。
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■稲見の代名詞、パーオン率が急上昇
ホステスプロである稲見が、復活優勝かつ今季初勝利を挙げられるかが、今大会の見どころの一つだ。4度のスイング改造と、クラブでサンドバッグを打つ練習を重ねることで、本来のショット力が戻ってきた。それは「49／54」という数字に表れている。
「49／54」とは、前週「いい部屋ネットレディス」での稲見のパーオン数である。率にすると、90.7407％だ。女子ツアー史上最高のパーオン率が78.2079%（稲見2019年）だから、たかが1試合とはいえ、復調を実感させてくれる数字といえる。
次に、今大会に勝つための条件を考える。「東急グランドオークゴルフクラブ」はなだらかな丘陵地に広がるフラットなコースだが、フェアウェーに細かなうねりがあり、池やクリークが巧みに配置されているため、ショットの精度と距離感が試される。また、大きめのペンクロスベントのワングリーンは、ラインと芝の速さが読みづらく、グリーン攻略がスコアに直結するコースでもある。
要は、ショット力があって、パッティングもいいことが勝つための条件になる。
数値検証するため、パッティングがいい＝平均パット数、ショット力がある＝パーオン数と置き換えてみる。以下は、2022年、21年大会上位選手の平均パット数とパーオン数だ。
2022年楽天レディススタッツ
2021年楽天レディススタッツ
22年の数値を見ると、優勝した勝と2位稲見のパーオン数は同等、差はパット数（稲見のパット数が1ラウンド当たり1パット多い）にあったことが分かる。
21年の数値では、稲見がパーオン数で優勝、2位タイの選手を上回っており、にもかかわらず、9位タイにとどまったのは明らかにパット数が原因だと推察できる。
このように、稲見の優勝はパッティングにかかっているといえそうだ。
それにしても、復活優勝、今季初勝利、ホステス大会優勝、24歳の誕生日（3日目の29日）とそろいもそろった。モチベーションが上がったときの稲見は強い。気合と根性でバーディパットをねじ込む姿が何度も見られるのではないか。期待して待ちたい。
ほかにも、一足先に復活優勝を遂げた小祝さくら、21年大会の覇者・吉田優利など、優勝を狙える選手が多い注目の一戦となる。
初日の注目組は、午前スタートでは青木瀬令奈、岩井明愛、菅沼菜々のペアリング。7時25分、10番スタートとなる。午後スタートでは稲見、吉田、上田桃子の組み合わせ。1番から11時45分にティーオフする。
■有力選手のペアリング
なお、有力選手の主なペアリングは以下の通り。
10番スタート／7:05／阿部未悠、ささきしょうこ、桑木志帆10番スタート／7:15／鈴木愛、小祝さくら、川岸史果10番スタート／7:25／青木瀬令奈、岩井明愛、菅沼菜々10番スタート／7:35／渡邉彩香、永峰咲希、仁井優花10番スタート／7:45／笠りつ子、全美貞（韓国）、野澤真央10番スタート／7:55／川﨑春花、木村彩子、金田久美子1番スタート／11:15／河本結、後藤未有、佐久間朱莉1番スタート／11:25／安田祐香、菊地絵理香、藤田さいき1番スタート／11:35／穴井詩、櫻井心那、神谷そら1番スタート／11:45／稲見萌寧、吉田優利、上田桃子1番スタート／11:55／吉本ひかる、脇元華、佐藤心結1番スタート／12:05／山内日菜子、高橋彩華、内田ことこ
◆吉田優利、東急グランドオークGCの平均スコア「67.4」 得意のコースで今季2勝目へ 楽天スーパーレディース
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文●河野道久
