【WRC】第8戦ラリー・エストニア トヨタのカッレ・ロバンペラが全SSで首位「素晴らしい一日」と自画自賛 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WRC】第8戦ラリー・エストニア トヨタのカッレ・ロバンペラが全SSで首位「素晴らしい一日」と自画自賛

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【WRC】第8戦ラリー・エストニア トヨタのカッレ・ロバンペラが全SSで首位「素晴らしい一日」と自画自賛
  • 【WRC】第8戦ラリー・エストニア トヨタのカッレ・ロバンペラが全SSで首位「素晴らしい一日」と自画自賛

2023年FIA世界ラリー選手権WRC)第8戦ラリー・エストニアは22日、競技3日目となるデイ3がエストニアのタルトゥを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamカッレ・ロバンペラが2時間5分29秒3の走りで前日に続き首位をキープした。ロバンペラはこの日、全9ステージでトップタイムを叩き出し、圧巻の速さで3日目を終えた。

2位には34秒9遅れでヒョンデのティエリー・ヌービル、3位には同じくエサペッカ・ラッピが45秒4遅れで入った。4位はトヨタ、エルフィン・エバンス

◆【実際の映像】クレイジー! 走っているのか、それとも飛んでいるのか、全ステージ首位 ロバンペラの激走

■ロバンペラは首位独走なるのか…

これでマシンが持つのか、飛んでいる時間のほうが長いロバンペラのトヨタ (C) Toyota Gazoo Racing WRT

ラリー・エストニアのデイ3は、サービスパークの南側エリアが主舞台に。通常のフォーマットとは異なり、午前中から昼にかけて2本のステージを各2回走行後、タルトゥでのミッドデイサービスを経て、午後は別の2本のステージを各2回走り、その後サービスパークに隣接するスーパーSSを1本走行。9本のステージの合計距離は102.61km。天気は晴れ時々曇りで、降雨はなくグラベル(未舗装路)ステージは全体的にドライコンディションだった。

前日のデイ2で、ロバンペラは不利な出走順一番手ながら、2本のベストタイムを刻むなど速さを示し首位に立った。そのおかげでデイ3では出走順が8番手と後方になり、アドバンテージを活かして快走。まず、午前中の4本のステージを全て制し、デイ2終了時点で3秒だった2位ヌービルとの差を、20.3秒に拡大。その勢いは午後のステージでも衰えず、5本のステージ全てでベストタイムを記録。結果、デイ3の全9ステージを制し、ヌービルとの差を34.9秒に広げデイ3を締めくくった。

ロバンペラは「素晴らしい一日でした。一日の全てのステージを制することなど、そうそうあることではありません。今朝は良いスタート順位を活かし、ハードにプッシュして、できるだけタイム差を広げるという明確なプランがありました。比較的簡単にスピードを上げることができましたし、クリーンな走りでタイムをかなり稼ぐことができました。午後は、ステージをとても楽しむことができましたし、全てが順調に進み、クルマのフィーリングも素晴らしかったです。とはいえ、明日はまだトリッキーな一日で、非常にテクニカルな新ステージもありますので、気を抜くことなくいい走りを続け、パワーステージでは最後のプッシュをしようと考えています」と自画自賛しながらも、兜の緒を締めた。

■エバンスは3位ゲットなるのか

エストニアの美しい林を疾走するエバンス (C) TGR

デイ2で3位のラッピと激しいバトルを展開したエバンスは、デイ3でも攻めの走りを見せた。3番手タイムを4回、2番手タイムを1回記録するなど、その差を一時0.7秒にまで縮めたが逆転には至らず。デイ2と変わらぬ総合4位で一日を終えた。

エバンスは「エサペッカとのバトルはかなりの接戦でした。一日を通して差が縮まったり離れたりとフェアな戦いが続き、私も彼もそれを楽しんでいました。今朝のバトルは特に激しく、 最初の2、3ステージでは私が少し差を縮めましたが、その後、彼は同じだけタイムを取り戻しました。そして、終盤になるにつれて彼との差は拡がっていき、思っていた以上に差が開いてしまいました。午後の長いステージは私たちにはあまり合っていなかったようで、そこで少しタイムを失ってしまいました。それでもまだ、差はあまり大きくないですし、明日は最後の勝負を挑みます。持てる力を全て出し切って走り、どうなるのか見たいと思います」と表彰台をかけ、明日に挑むとした。

デイ2で総合7位につけた勝田貴元は、デイ3での出走順が2番手と早く、路面を覆う滑りやすいグラベルを掃き飛ばしながらの走行。それでも、総合6位のピエール=ルイ・ルーベ(Mスポーツ・フォード)と7秒差の総合7位と、前日の順位を守った。

勝田は「昨晩、チームと一緒にクルマのセッティングを少し変更し、それが上手く行ったことで昨日よりもフィーリングがかなり良くなりました。出走順の関係で路面のグリップの低さに少し苦労しましたが、そうなることはあらかじめ分かっていたことですし、午前中に関してはそれ以外は順調でした。午後は自分のドライビングをさらに改善しようと考えていたのですが、いろいろなことが起きてしまいました。クルマやインカムにいくつか問題が発生し、何が起こっているのかを把握するのが少し難しい状況でしたが、全てのステージを何とか無事に走り切ることができましたし、それこそが最も重要なことです」とまずは完走を喜んだ。

勝田(右)に檄を飛ばしにやってきた? トヨタ自動車・佐藤恒治社長 (C) TGR

TGRチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは「今日はカッレの信じられないような走りを見ることができました。彼のステージの走りからは、路面コンディションに対して非常にいいフィーリングを感じていたことがわかりました。ブレーキングを遅らせて、道をフルに使うことができるようになったことで、自信がさらに高まり、それが今日のタイムにも表れています。彼はこのような道で運転を学んだので、彼にとってはまさにホームラリーのようなものですし、このようなステージやコンディションで走ることをとても楽しんでいるように見えます。まだ戦いは終わっていませんが、明日は勝利を持ち帰ることができると確信しています。一方、エルフィンはエサペッカと大接戦を続けています。二人ともいい走りをしていますし、今日の午後はエサペッカのほうが僅かに速かったですが、明日の朝、路面のグリップが低い状況でエルフィンがアタックするチャンスはまだあると思います」と首位堅持もさることながら、もうひとつの表彰台に向け、意欲を隠さなかった。

ラリー・エストニア 提供:TGR/WRC

競技最終日となる23日のデイ3は、デイ2と同様サービスパークの南側エリアが戦いの舞台。2本のステージをミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。そのうち、SS19の再走となる最終のSS21は、昨年に続き、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のステージの合計距離は61.08km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は278.73km。

■ラリー・エストニア デイ3の結果

1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 2h05m29.3s2 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +34.9s3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +45.4s4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +52.7s5 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m41.5s6 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー(フォード PUMA Rally1 HYBRID) +2m25.5s7 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m32.5s8 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +5m55.2s9 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2)+7m37.1s10 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (シュコダ Fabia RS Rally2) +7m52.9s

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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