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ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を戦う侍ジャパンの壮行試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023名古屋」は3日および4日にわたり、バンテリン・ドームで行われる。8日に本大会を控える侍ジャパンへ注目が集まる中、対戦相手となる中日ドラゴンズにも、侍ジャパン入りが期待される逸材がいる。ここでは、その壮行試合を機に、その4選手にスポットを当てたい。
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■竜を担うU-18日本代表経験者の2人
2018年ドラ1根尾昂は高校時代にU-18日本代表として戦っている。第12回U-18アジア野球選手権大会1次リーグ初戦の香港戦では、自身初のサイクル安打を達成し、5安打5打点と大活躍。2戦目以降は不振にあえぐも、韓国戦では投手として登板し、1イニングを1安打無失点に抑えた。根尾は3位決定戦の中国戦でも登板。1イニング無失点で抑え、当時自己最速150キロを計測した。
プロ入り後は、遊撃手一本で勝負することを決意する。しかし、1年目からケガに泣かされるなどプロの壁の前に思うような結果を残せずにもがき苦しんでいた。昨季は、シーズン途中、野手から投手へコンバート。主にリリーフとして登板機会を得ると、自己最速154キロを計測。最終的には、25試合に登板1ホールド、防御率3.41の成績を残した。今季は投手2年目となるシーズン。チーム唯一無二の存在へ投げて打てる”二刀竜”でもう一度日の丸を背負う時はあるのか。
もう一人、若手でU-18日本代表になった選手がいる。2019年のドラ1石川昂弥だ。日本代表として戦った全8試合で4番打者を務めた。若くして日の丸を背負っただけに、侍候補となるポテンシャルは秘めている。昨季は4月5日の対ヤクルト戦で清水昇から初本塁打を放ったが、5月31日に左膝前十字靱帯不全損傷。プロ入り後は毎年ケガに悩まされているが、「ケガをしてしまった以上、その中でどうプラスに考えていくのか」と本人は課題改善に向けて前向きだ。今年のキャンプではバットを振り、ノックを受け続け気合は十分。チームと共に巻き返しを狙うシーズンとしたい。
他にも、代表経験はないものの、爆発が期待されるルーキーがいる。
■ドラ1ルーキー 仲地礼亜
沖縄大学から2022年ドラフト1位で中日に入団した仲地礼亜は、侍ジャパンとの壮行試合2連戦の2試合目で登板が内定している。2月26日の広島とのオープン戦では、2回1安打2奪三振無失点と最高のスタートを切った。1回、元メジャーリーガーの秋山翔吾を一ゴロに打ち取ると、続く野間峻祥に対してキレのあるツーシームで3球三振。マクブルームには2球直球を続け中飛に打ち取った。
2回、西川龍馬を三振に仕留め、デビッドソンは中堅・岡林勇希が打球を見失うアンラッキーな二塁打。それでも後続の坂倉将吾、韮澤雄也をしっかり打ち取った。特に野間から奪った三振は、「空振りを狙いにいきました」と本人は自信のコメント。侍ジャパン戦との試合でアピールができれば、球団ドラ1位新人では、98年の川上憲伸以来、25年ぶりの開幕ローテーション入りも見えてくるはずだ。
■昨季ドラ1 ブライト健太
昨季一軍での出場はなかったブライト健太。今季はオフシーズンから体重増加と下半身強化に励んでいる。キャンプは二軍スタートとなったが、2月16日、20日の阪神戦において2本ずつ、計4本塁打を放ち猛アピール。すぐさま一軍へ合流すると、23日の阪神戦では、昨季投手三冠の青柳晃洋から逆方向への一発を放った。力強いスイングで徐々に頭角を示しつつあるが、まずは開幕一軍へ生き残ることが必要だ。個々のレベルが高い侍ジャパン相手に今の力を出し切ることができるか。
紹介した選手が時期早々という声はもちろん承知だが、今回紹介した選手たちは未来の侍ジャパン候補になれるポテンシャルを秘めた逸材が揃っている。果たして、WBCに向けた壮行試合という注目を集める舞台でその実力の片鱗を見せることができるのか。
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文●SPREAD編集部