【WBC】栗山ジャパン史上最強打線は大爆発の予感  過去4大会と徹底比較<後編> | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WBC】栗山ジャパン史上最強打線は大爆発の予感  過去4大会と徹底比較<後編>

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【WBC】栗山ジャパン史上最強打線は大爆発の予感  過去4大会と徹底比較<後編>
  • 【WBC】栗山ジャパン史上最強打線は大爆発の予感  過去4大会と徹底比較<後編>

野球の世界一決定戦、「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(WBCワールドベースボールクラシック)が3月8日に開幕する。6年ぶりの大舞台へ向け、“二刀流”大谷翔平を筆頭に、栗山英樹監督の下で「史上最強」との呼び声高い錚々たるメンバーが集結しそうだ。1月26日には正式メンバー30人が発表され、いよいよ世界舞台へ向けて盛り上がってきた。決戦を前に、改めて過去の大会の打撃成績を振り返り、今大会の打線と比較。今回はその後編。

◆栗山ジャパン史上最強打線は大爆発の予感  過去4大会と徹底比較<前編>

■第3回  積極走塁で勝ち上がるも、最後は重盗失敗で力負け

2013年第3回WBC日本代表メンバー<野手陣>

過去2大会と異なり、メジャー組の出場が叶わなかった大会。第1ラウンドから苦戦が続いた中、第2ラウンドでは鳥谷の盗塁、井端の同点打などで準決勝に進出。

だが、プエルトリコを相手に

1番二塁・鳥谷敬2番DH・井端弘和3番右翼・内川聖一4番捕手・阿部慎之助5番遊撃・坂本勇人6番中堅・糸井嘉男7番左翼・中田翔8番一塁・稲葉篤紀9番三塁・松田宣浩

のオーダーで挑んだが、計6安打で1得点に抑え込まれて1対3で敗れた。

中田翔 (c)Getty Images

大会を通してのチーム打率は.279と前回大会からやや低下。本塁打数は8本と前回大会から倍増したが、最後は消化不良のまま大会を去ることになった。その準決勝の勝敗を分けたプレーに「重盗失敗」というミスはあったが、異なる見方をすれば「足」にこだわり過ぎた、「足」に頼るしかなかったとも言える。振り返ってみても、打線として迫力を欠いたことは明らかだった。

■第4回 パワーの差感じさせられた決勝リーグ

2017年第4回WBC日本代表メンバー<野手陣>

周到な準備をして大会に臨んだ小久保ジャパン。1次ラウンドでは初戦のキューバ戦を14安打11得点で打ち勝つなど、3試合で計30安打22得点と打線が爆発。続く2次ラウンドでも、打線は3試合で37安打24得点と好調を維持。この時点で6試合10本塁打をマークして「スモール・ベースボール」からの完全脱却を印象付けた。しかし、迎えた準決勝・アメリカ戦では、2016年シーズンに16勝を挙げたワシントン・ナショナルズ(当時)のタナー・ロアーク以下、メジャーの一線級の投手陣の投じるボールに力負け。菊池のソロ本塁打の1点のみで、計4安打1得点で敗れた。

その準決勝のオーダーは;

1番DH・山田哲人2番二塁・菊池涼介3番右翼・青木宣親4番左翼・筒香嘉智5番一塁・中田翔6番遊撃・坂本勇人7番三塁・松田宣浩8番中堅・秋山翔吾9番捕手・小林誠司

というもの。

WBCでも活躍した坂本勇人 (c)Getty Images

調子の上がらなかった青木が2四球を選んで後続に繋いだが、筒香、中田の和製大砲2人が沈黙。大会を通して、坂本が打率.417と能力の高さを見せ、小林が打率.450とラッキーボーイとなっていたが、勝負どころで1本が出なかった。

■ほぼ“ぶっつけ本番”の打線が機能するかどうか

そして迎える今回の第5回WBC。招集メンバーを見る限り、「スモール・ベースボール」は過去のもの。「周東の足」という飛び道具はあるが、あくまで“ここぞの場面”のみでの使用で、小技よりも力勝負を挑むことになりそうだ。

ここでの予想オーダーは以下の通りだ。

1番中堅・ラーズ・ヌートバー2番DH・大谷翔平3番右翼・鈴木誠也4番三塁・村上宗隆5番左翼・吉田正尚6番一塁・山川穂高7番二塁・牧秀悟8番捕手・甲斐拓也9番遊撃・源田壮亮

上記布陣でいくと、山田や岡本、近藤がベンチスタートとなる。調子の良し悪しによって打順は大きく変わることになるだろう。

その中での注目は、やはり日系2世の25歳、ヌートバーだ。MLBで昨季108試合に出場して14本塁打を放ったパンチ力が魅力だが、打率は.228と高くはなく、まだメジャーでは2年プレーしたのみ。「経験豊富」や「百戦錬磨」という選手ではない。それは他の野手陣も同じで、最年長が32歳の中村悠平で、大谷を含めた野手陣の平均年齢は27.8歳と過去のWBC代表チーム史上最も若い。その若さを活かして勢いに乗ることができればいいが、窮地に立たされた時にどうなるか。そうならないためにも、まずはヌートバーが期待通りの働きを見せる必要がある。

WRCに出場する村上宗隆 (C) Getty Images

さらに心配なのは、栗山ジャパンとして試合をした経験が昨年11月の強化試合のみという点。首脳陣と選手との間に信頼関係はまだ出来上がっておらず、大会各幕前にキャンプ、練習試合が予定されているとはいえ、本大会のような緊張感を味わうことはできない。ほぼ“ぶっつけ本番”であることは否めない。それは他国も同じだが、より緻密な野球、守備での連携も強みとすべき日本にとっては不利に働くことが予想される。

ただ、選手の能力は過去最高と言っていい。前回の小久保ジャパンは、2次ラウンドまでは“意気揚々”だったが、最後は力負けした。最初から真っ向勝負を宣言している今回は、日本野球の成長と進化を見せられる絶好の機会になる。目指すは「頂点」のみ。投手陣同様、大会を勝ち進みながら「ベストな形」を作り上げてもらいたい。

◆栗山ジャパン史上最強打線は大爆発の予感  過去4大会と徹底比較<前編>

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提供●Baseball Times

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