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FIFAワールドカップカタール2022は日本時間14日に準決勝が行われ、アルゼンチンがクロアチアを3-0で下し、決勝進出を決めた。アルゼンチン代表FWリオネル・メッシは試合後、「次が最後の試合になる」と話し、決勝戦がW杯における自身最後のゲームになると明言した。アルゼンチンメディア『Olé』などが伝えている。
◆メッシ、クロアチア撃破に「求めていたところに到達した」 “最後のW杯”決勝は「楽しみたい」
■「4年後は無理だと思う」
頂点に立ち、W杯の舞台から去る―。35歳のメッシは、次の決勝戦をW杯における自身最後の一戦と決めたようだ。
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アルゼンチンの決勝進出に貢献したメッシ(C) Getty Images
「日曜日の試合がW杯での最後の試合か」と記者に問われたメッシは、「はい。次の大会まで何年もあるし、そこに参加するのは無理だと思う。それに、決勝で(W杯キャリアを)締めくくることができるのは最高だ」と答えたという。
クロアチア戦でPKを決めたメッシは今大会でのゴール数を「5」に伸ばし、W杯での通算得点を「11」とした。これにより、元アルゼンチン代表FWガブリエル・バティストゥータを抜き、同国のW杯最多得点記録を更新。また、同戦の出場でW杯通算出場試合数が「25」となり、元ドイツ代表MFローター・マテウスが持つ最多出場記録に並んだ。
決勝進出と記録達成、そしてラストマッチの表明。喜ばしい日に悲しい知らせが届いた形だが、メッシ本人はもともと今大会を最後のW杯と位置付けていたため、多くのファン・サポーターも覚悟はしていたはず。雄姿を見られるのが「残り1試合」ということが改めて確認され、チームやアルゼンチン国民がさらに一丸となりそうだ。
メッシは決勝戦へ向けて「色々なことが頭をよぎるが、最後は自分たちが望んでいるプレーをするつもり。長い間、とても楽しんでいるよ」と笑った。
■「メッシに優勝してほしい」
一方、敗れたクロアチアの大黒柱、37歳のルカ・モドリッチにもメッシと同じ質問が飛んだ。「代表での最後の試合? どうだろう、そのうち分かるだろう。それにそんなことを言っている場合じゃない。とりあえず、土曜日にフランスかモロッコと試合がある」と話し、早くも3位決定戦に向けて前を向いた。そして最後、メッシに対して「このW杯で優勝してほしい」とエールを贈った。
モドリッチは代表における去就を明言しなかったが、クロアチアのズラトコ・ダリッチ監督は「ある年齢に達した選手たちのW杯は、これで終わりかもしれない」とコメント。名前は伏せつつもベテラン選手たちの代表引退について含みを持たせた。
35歳のメッシと37歳のモドリッチ。まだまだ衰え知らずのパフォーマンスを発揮していたが、年齢を鑑みれば代表引退もちらつく。バロンドール受賞者のW杯キャリアは、それぞれ決勝戦と3位決定戦がラストとなるのか。スーパースター2人の雄姿を目に焼き付けたい。
クリスティアーノ・ロナウドもすでにW杯を去り、今大会はスーパースターたちの世代後退が一気に進む可能性も大きい。
◆“最後のW杯”でメッシが記録ラッシュ 決勝に出場すればマテウス超えて最多出場更新
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◆得点王争いはメッシとムバッペの“両雄”がデットヒート ジルー、アルバレスが3位タイで続く
文●SPREAD編集部