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FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦ラリージャパンは13日、最終日となるデイ4を迎え、愛知県豊田市郊外から岐阜県中津川市、恵那市などを舞台に、熱い走りが繰り広げられた。
◆ラリージャパン2022 開催概要・日程・放送予定・結果一覧
■エバンスはパンクの不運
スタートとなったSS15で前日2位のTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID)が4m49.5sの一番時計を叩き出し、首位スタートのティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ組(ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID)に0.6sと肉薄。最終日の逆転優勝を期待させた。
しかし、エバンスは続くSS16でまさかのパンクという事態に。これによりマニュファクチャラー・タイトル、ドライバー・タイトルを手にし、凱旋帰国したトヨタ勢の母国優勝の夢は断たれた形となった。総合1位はヌービル、2位にオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤとヒョンデが1-2フィニッシュ。4位スタートだったトヨタの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が3位に滑り込み、初日記者会見で「目標は表彰台」と断言した通り、地元開催での凱旋を飾った。
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トヨタ勢で唯一表彰台を獲得した勝田貴元 撮影:SPREAD編集部
開幕から見事な秋晴れが続いていたが、この日は予報通り午後から重い雨に見舞われる。SS18から完全なウェットになり、ドライバーには慎重なハンドリングが求められた。地元出身の勝田でさえ「非常に難しかった。路面がひどい状態だったので、ミスをしないようにとにかく慎重に走った」とその難易度を表現。ヌービルは「タフなステージだったね。ミスが許されなかったからかなり手堅く走った。ところどころで激しい雨に見舞われたし、アクアプレーニングもあちこちで発生した。でもやるべきことはやったよ」と、タフなラリーだったとしながら、首位を堅持。12年ぶりの日本開催を制覇した。
ヌービルはセレモリアル・フィニッシュにおいて優勝の感想を聞かれ「今回は時間があったので東京を楽しむことができた。トヨタとの(ラリーは)コンペティティブだったけど、それよりも素晴らしいウィークエンドを過ごすことができました」と喜びを表現した。
WRCはこれで2022年の全日程を終了。来季に向け、すでに移籍話でパルク・フェルメは賑わっている。
■ラリージャパン デイ4最終日 暫定結果
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 2h43m52.3s2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m11.1s3 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m11.3s4 セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m23.6s5エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4m05.1s
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文●SPREAD編集