【RIZIN.37】伊澤星花、ワールドGPで7戦無敗の超強豪に挑む“新世代女王”の矜持 「女子格、なめんなよ」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【RIZIN.37】伊澤星花、ワールドGPで7戦無敗の超強豪に挑む“新世代女王”の矜持 「女子格、なめんなよ」

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【RIZIN.37】伊澤星花、ワールドGPで7戦無敗の超強豪に挑む“新世代女王”の矜持 「女子格、なめんなよ」
  • 【RIZIN.37】伊澤星花、ワールドGPで7戦無敗の超強豪に挑む“新世代女王”の矜持 「女子格、なめんなよ」

湘南美容クリニック presents RIZIN.37』は31日、さいたまスーパーアリーナで開催される。

本大会の“盛り上がり”を左右するのは、2017年以来5年ぶり2度目の開催となる「RIZIN WORLD GRAND-PRIX 2022 スーパーアトム級トーナメント」の1回戦だ。

現スーパーアトム級王者・伊澤星花、初代・第3代スーパーアトム級王者の浜崎朱加、シュートボクシングのRENA、17年女子スーパーアトム級GP覇者の浅倉カンナと、RIZIN女子を体現する4選手が参戦。海外勢を迎えて、初戦突破を目指す。

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ここでは、「伊澤星花 vs. ラーラ・フォントーラ」、「浜崎朱加 vs. ジェシカ・アギラー」の見どころを紹介する。

■ファンに衝撃を与えた伊澤の実力

伊澤星花は、今トーナメント優勝の大本命。レスリングで培われたタックルや極めの強さを武器とする新世代王者で、今後の女子格闘技界を背負う逸材として期待される。

幼い頃から柔道、レスリングに取り組み、その才能が開花した伊澤。レスリングで全国中学生選手権優勝、高校では柔道でインターハイ3位、全日本女子相撲選手権準優勝など輝かしい実績を残し、2020年にプロデビュー。

21年6月にプロ3戦目で「DEEP JEWELS」ストロー級のベルトを巻くと、勢いのまま、2021年大晦日にRIZINの舞台へ。この時、一部ファンを除き、伊澤の実力を知るファンは少なかっただろう。

たったプロ5戦目で大晦日の舞台に上がった伊澤は、当時の王者・浜崎朱加と激突。試合は一方的な展開となり、2Rに伊澤がパウンドでTKO勝利。ワンマッチながら王者から大金星を挙げた。さらに、今年4月には、ベルトをかけた浜崎との再戦で完勝を収め、赤いベルトを腰に巻いた。

まさに文句なしの戴冠だった。リング上では、嬉しさで笑顔がこぼれるのかと思いきや、伊澤は「途中で気持ちが折れ掛けたり、まだまだ甘いところばっかり。しっかり胸を張って世界一になれるよう頑張っていきます」と涙を流した。バックステージでは、その涙は”悔し涙”だったと明かしている。いかに、伊澤が高いレベルを求めているかが理解できる。

「RIZIN.35」で浜崎朱加(写真下)を圧倒した伊澤星花(C)RIZIN FF

ベルト戴冠をゴールとせず、世界最強を見据えているからこその涙だろう。女子トーナメント開催も伊澤自らアピールしたもの。「全員トーナメントで当たった相手を文句なしで倒して、皆さんに認めていただきたい」と語っている。伊澤の存在がなければ、GP開催も実現しなかったかもしれない。それほど彼女の存在感は際立っている。

公開されたRIZINのYouTube映像「RIZIN CONFESSIONS」では、自分より10kg以上重い男子を相手にインターバルなしでスパーリングを行う様子が映し出されていた。過酷な練習により、伊澤は5分3ラウンド攻め続ける無限のスタミナを手に入れた。試合の翌日から練習に励むなど、そのストイックさはやはり超一流。今回のトーナメントでも破格の強さを見せてくれそうだ。

■相手は“恐れ知らず”7戦無敗の女王

(C)RIZIN FF

トーナメント初戦は、いきなり強豪が用意された。ラーラ・フォントーラは、7戦全勝の「PAWFC」女子ストロー級(52.2kg)王者。ブラジル出身で、勝利のうち5つが腕十字による一本勝ち。伊澤同様、高い極め力とフィジカルを誇る。伊澤にとっては、初の国際戦。外国人選手独特のフィジカルや技術を持つ相手に対して、いかにして戦うのか注目が集まる。

公開練習にて、伊澤は「ブラジリアン柔術系で寝技の強い選手」と相手の印象を語っている。強豪との認識はあるようだが、これまでのキャリアで培ってきた自信は揺るがない。「全部において自分が上回っているところを見せたい。寝技勝負になっても、相手の得意な腕十字を潰して、自分のやりたいことをやっていきたい」と自信を見せている。

ちなみに公開練習で伊澤のミットを持ったMMAファイター・COROとは、正式にSNSで婚約を発表。「カップルブログ」で日常も発信し、ファンからは応援のコメントも多く寄せられた。伊澤は「自分ももっと頑張んないと、という刺激があります」と笑顔で語っている。

■「5年以内に世界一になって辞めたい」

伊澤は大舞台に強く、経験をも凌駕する落ち着いた試合運びを見せる。たった6戦のキャリアで挑む大舞台のメインにも「別に気負うこともない。いつもどおり自分のやることをやるだけ」と冷静だ。

久しぶりの女子メインで、ファンからの期待値も高いだろう。「女子格闘技のレベルの高さを見せたい。やっぱり『なめんなよ』と思います。どうしても力は男性よりないので、インパクトは劣ってしまいますが、技術は練習すればどうにでもなる。男子にはない“しなやかさ”と“技術”が見せられないとダメ」と宣言。「MMAは人に魅せる競技」との思いから、勝ち方にもこだわった試合をする構えだ。

最終目標を聞かれると「世界一になることです。5年以内には世界一になって辞めたいです。その後は自分の次の世代を育てることに自分の人生をかけていきたい。ジムとかをやったり、次の世代に何か渡せるものをしていきたい」と最速での世界一を達成し、引退するとしている。

伊澤は強豪揃いのトーナメントを制し、真の最強を証明することができるか。

■悔しさも味わった元王者・浜崎の逆襲

伊澤に2連敗を喫して、ベルトと地位を失った元王者・浜崎朱加は、トーナメント参戦の切符を得て、名誉挽回を果たしたいところ。トーナメントを制すれば、伊澤へのリベンジ達成に加えて、最強を再び証明することができる。

初戦で戦うジェシカ・アギラーは、浜崎と11年前に戦う予定だったが、試合が流れてしまった因縁の相手。浜崎は「まさか、ここでやるとは思わなかった」と驚きのコメントを残していた。また、浜崎の師・藤井惠とも対戦しているファイターでもある。2つの因縁が重なる形で、対戦することになった。

浜崎は、ベルトを失ったことで「気が楽になった」と心境の変化もあった。覚悟も決まったようで「後はやるだけだなという気持ち。レベルの高い試合を見てもらいたいと思うし、天心選手と武尊選手の試合に負けないくらいの試合を見せたいです」とハイレベルな戦いを誓っている。浜崎が伊澤へリベンジを目指し、大事なトーナメント初戦に臨む。

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文●吉田崇雄

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