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11月21日に開幕を迎えるカタールW杯、日本代表の命運はいかに……。
さる4月1日(現地時間)に行われた組み合わせ抽選会の結果、日本はE組に入り、ドイツ、コスタリカ、スペインと同組となったのはご存知の通り。
「死の組」の表現通り、7回目の出場となる日本にとって、これまででもっとも厳しい組み合わせと言えるだろう。8強以上を目標に掲げる森保一監督にとっても道のりは酷く険しく厳しい。
それでも日本代表がグループリーグを突破するシナリオはあるのか、考えてみた。
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■初戦・対ドイツが山場
日本が出場した過去6大会を振り返ると、初戦の結果でその後の明暗が分かれる。グループリーグを突破した3回は初戦で勝ち点を得たものの、グループリーグ敗退に終わった3回は勝ち点をなしに終わっている。
突破した3回の初戦を振り返ると、2002年日韓W杯では2-2でベルギーに引き分け、10年南アフリカW杯では1-0でカメルーンに勝利。18年ロシアW杯では強豪・コロンビアに2-1で勝利している。
初戦の重要性は、日本に限らない。出場国が32、4チームずつ8グループに分かれるという現システムになった1998年フランスW杯以降、初戦を勝利すれば8割以上、引き分けでも約6割はグループリーグを突破している。一方で敗れた場合は、約1割しか突破できていない。初戦の重要性は明らかだ。
日本が決勝トーナメントに進出するためには、ドイツを相手にせめて引き分けに持ち込む必要がある。ハンジ・フリック監督率いるドイツは6月のネーションズリーグでイタリアに5-2で勝利するなど調子を上げており、困難なミッションとなることは間違いない。同点以上の時間をできるだけ長くし、勝ち点1獲得に向けて全員で意思統一したい。
■第2戦、対コスタリカは勝利あるのみ
2強2弱ともいわれるグループEにおいて、FIFAランキングで唯一日本を下回るのがコスタリカは、大陸間プレーオフでニュージーランドに勝利し出場を決めた、北中米カリブ海の雄だ。
初戦の結果に関わらず、お互いにとってこの試合は、グループリーグを突破するために勝ち点3獲得がノルマとなる。守護神のケイラー・ナバス(パリ・サンジェルマンFC/フランス)が守るゴールをこじ開けるのは簡単ではない。だが、いくら優れたGKであれ限界はある。貪欲かつ冷静さを保ち、チャンスを決め切ることを期待したい。
第3戦 対スペインは状況と時間帯の見極めが必要
自力での決勝トーナメント進出の可能性を残し、この試合を迎えなければならない。さらにいえば「最少失点差であれば負けても大丈夫」やせめて「引き分けで突破」という状況が望ましい。
スペインは欧州のなかでも豪華なメンバーを揃える強豪だ。ただしW杯の優勝は1度のみで、2014年ブラジルW杯ではグループリーグで敗退、前回大会でもベスト16で敗れるなど、戦力通りの実績を残せない「悪癖」につけ込みたいところだ。
ルイス・エンリケ監督率いる現在のチームは若手を積極的に起用し将来性に溢れる一方、盤石な強さまでは至っていない印象だ。日本は粘り強く戦うことを前提として、他会場を含めた状況を踏まえた動きが重要。場合によっては割り切って守りを固めたり、リスクを負って攻めに出たりしなければならず、事前にプランを用意し全員で共有しておきたい。
前回大会において、日本はポーランドとの第3戦で割り切った戦いをみせ一部から批判を受けた。だが今回はそのとき以上に厳しい組み合わせとなっており、似た状況を迎えた場合は即座に割り切るべきだろう。まずはグループリーグを突破し、勝負に徹することが欠かせない。前回大会のベルギー戦の悲劇で足りなかった部分を、今大会で克服してくれることに期待したい。
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文・椎葉洋平