【THE MATCH 2022/天心vs武尊】次世代スター誕生へ “-55kg王者”対決と“重量級”の注目カードを読む | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE MATCH 2022/天心vs武尊】次世代スター誕生へ “-55kg王者”対決と“重量級”の注目カードを読む

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【THE MATCH 2022/天心vs武尊】次世代スター誕生へ “-55kg王者”対決と“重量級”の注目カードを読む
  • 【THE MATCH 2022/天心vs武尊】次世代スター誕生へ “-55kg王者”対決と“重量級”の注目カードを読む

RISE世界フェザー級王者・那須川天心とK-1三階級制覇王者・武尊が激突するビッグイベント「Yogibo presents THE MATCH 2022」が、明日6月19日に迫っている。

◆【THE MATCH 2022/天心vs武尊】6月19日 対戦カード、試合結果、中継情報一覧

■大会終了後の立ち技格闘技界

K-1」と「RISE」を中心としたトップファイターが揃う“夢の祭典”。旧K-1の消滅以来、一般層をこれほど巻き込むビッグイベントはなかった。

旧K-1が消滅し、TV放送もなくなると、立ち技格闘技界は低迷期を迎えた。RISEや新生K-1の母体となるKrushは、後楽園ホール大会を中心に興行を開催。那須川天心と武尊は、後楽園ホールや新宿FACEなどの小・中規模の会場からキャリアをスタートしている。

今でこそ、1万人規模のイベントを定期開催している両団体だが、それは長い下積みを経た上でのこと。現在では、ビッグマッチのオープニングファイトで、キャリア初期の選手が戦うこともあるが、両者のデビュー時はそのような舞台は多くなかった。

那須川は16歳にしてRISEのベルトを巻き、MMAへの挑戦やフロイド・メイウェザーとのエキシビジョンなどで世間の注目を集める。一方の武尊も、前人未踏のK-1三階級制覇を達成。興行を背負う主として、その確固たる地位を築いてきた。

両者の形は違えど、人々を惹き付ける圧巻のファイトスタイル、勝ち続ける王者としての姿、一般層に響く芸能活動など多くの功績があり、このようなビッグイベントが開催されるのだ。気になるのは、今大会終了後の立ち技格闘技界だ。

那須川は大会終了後、ボクシングへの転向を明言。武尊も明かしてはいないが「負けたら引退する気持ちでやっている」と話している。また、これまで実現しなかったカードが一気に実現したことで、いわゆる「ファンが熱望するほど見たいカード」がなくなってしまう可能性もある。

立ち技格闘技界を更にメジャーにするためには、今大会で那須川、武尊を超える次世代のスター候補誕生が求められている。次のスターは誰か。今大会の前半戦カードに、そのヒントが隠されているのかもしれない。

■那須川と武尊が創ってきた「-55kg」王者対決

-55kg契約の3試合は、王者対決が組まれている。鈴木真彦(RISEバンタム級王者)vs. 金子晃大(K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)志朗(RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kgトーナメント優勝)vs. 玖村将史(Krushスーパー・バンタム級王者)江幡睦(WKBA世界バンタム級王者)vs. 璃明武(Krushスーパー・バンタム級王者)だ。普段の大会では、後半戦を任されることが多い王者たちだが、今回は何と前半戦に登場。ビッグマッチの火付け役の意味合いも強いだろう。

鈴木vs金子の第1試合から、現役RISEとK-1の王者対決で、プライドをかけた激しい打ち合いが予想される。

鈴木は、回転力のあるパンチが武器で「1発貰うと3発返す」といったような好戦的スタイル。試合中、相手と打ち合い、時折笑みを浮かべるほど、打ち合いを好む。32勝のうち19KO勝利と高い決定力を誇る。対する金子は、一撃で倒せるパンチやカーフキック、飛びヒザなど多くの武器を持つK-1王者。55kgとは思えぬ、パワーで14勝のうち8つのKO勝利を数える。

両者、近い距離での攻防を得意とするため、序盤から前に出て殴り合う展開になるだろう。鈴木が左右のフックやストレートでヒット数を奪えば、序盤からペースを掴む可能性も。逆に金子が、蹴りを散らして鈴木を削ることが出来れば、後半にかけて優位となる。

那須川と武尊は-55kgで、軽量級とは思えぬ決定力を見せてきた。第1試合の両者ともKO宣言をしているだけに完全決着に期待がかかる。次世代のスターの座を虎視眈々を狙っているのだ。

続く第2試合の志朗vs.玖村は、鈴木vs.金子とは一味違った戦いになるだろう。いわゆるテクニック対決だ。志朗は、ムエタイがベースで以前は現地タイで猛者たちと戦っていたこともある。那須川天心と戦うためにRISEに参戦し、華麗なテクニックでファンを魅了してきた。抜群のタイミングのカウンターやハイキックなどの武器を持つ。

一方の玖村も、三日月蹴りやカウンターのフック、飛びヒザを高い精度で見舞ってくる。金子晃大とは、1勝1敗の戦績で、K-1の-55kgでトップ戦線に君臨してきた。

志朗のハイキックに対して、玖村は「当たらない」と宣言。志朗がどのような戦略を立て、試合に臨んでくるのか。ハイキックのみならず、破壊力のあるローキックで、玖村を粉砕する可能性も十分にある。

玖村は直近の試合で、以前にも増してパワーが付いてきたように思われる。リーチのある腕から繰り出されるカウンターの左フック、相手を悶絶させる三日月蹴りなどで、志朗を封じ込めることが出来るか。

前に出てパンチや三日月蹴りを放つ玖村に対して、志朗がカウンターの右ストレートやローキックを合わせていく展開が予想されるが、2人とも多彩な技を持つため、どの攻撃がフィニッシュになってもおかしくない。

第3試合の江幡睦vs.璃明武は、上記2試合とは変わった見方のできる試合となった。江幡は、弟の塁と共にムエタイのラジャダムナンスタジアムのベルトを獲得すべく戦ってきた。本来は“ヒジありルール”で力を発揮してきた選手。近年からRISEに参戦を果たし、今回のチャンスをつかみ取った。

江幡が新日本キックで戦ってきた相手は、タイ人が多い。RISEやK-1などのキックボクシングとは異なり、3分5Rが基本で、タイ人の独特なリズムに対して、一発一発重みのある左右のローキック、ワンツーを軸に戦ってきた。巷では、その戦い方を“伝統のキックボクシングスタイル”と呼んでいる。

一方の璃明武は、デビュー時からKrushとK-1で長く戦ってきた。最近ではボクシングジムに通い、アッパーなど細かい技術を磨き、バックスピンキックやカーフキックなども使いこなす。まさに“次世代のキックボクシングスタイル”だ。

戦績の面でも大きく差がある。江幡は31歳で48戦、璃明武は21歳13戦と江幡が3倍以上の戦績を誇る。江幡としては、これまでのキャリアで培ってきた経験を活かして戦いたいところ。会見での「歴史を変える戦いをします」との言葉も覚悟を感じた。

だが、璃明武にはキャリア差を跳ね返すだけの実力があるのも確か。派手な蹴り技やカーフキックをコツコツ当て、ペースを掴めるかがカギとなる。

-55kgトップ選手の戦いは、ハイレベルな攻防になることは間違いない。インパクトを残して、次のスター候補に名乗り出るのは誰か。那須川天心、武尊に続くカリスマの誕生を期待したいところだ。

■K-1クルーザー級で意識する2人が揃って参戦

軽量級にスポットが当たる今大会だが、重量級も負けていない。-100.0kgで山下力也(MA日本ヘビー級王者)vs.シナ・カリミアン(K-1 WORLD GPクルーザー級王者)内田雄大(元HOOST CUP日本ヘビー級王者)vs.マハムード・サッタリ(Krushクルーザー級王者)の2試合が組まれている。

第7試合で山下と戦うカリミアンは、初代&第3代K-1クルーザー級王者。普段は-90kgで戦うが、昨年9月には-100kgで京太郎を撃破している。カリミアンの強みは、2mの身長の圧倒的タフネス。パンチを被弾しても、最後まで諦めずに反撃のチャンスを伺う。最後は天下の宝刀のバックブローで、K-Jeeなど日本人選手を沈めてきた。

第6試合で内田と戦うサッタリは、19戦19勝(11KO)0敗と無敗記録を更新中。今年4月に開催された「K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント」で3試合を勝ち抜いて優勝。リング上で、今大会参戦をアピールし、それが叶った形だ。サッタリもカリミアンと同じく、普段はクルーザー級(-90kg)で戦う。

旧K-1時代には、ピーター・アーツやアーネスト・ホーストなど迫力満点の怪物たちが名を馳せていたが、近年では軽量級、かつ日本人選手にスポットが当たることが多い。カリミアンとサッタリは数少ない、日本重量級のスター選手になりえる存在だ。2人ともイラン出身で、日本在住。お互いに面識はないというが、同階級で意識をしている部分はあるだろう。

将来、いや今年のライバルともなりえる2人が東京ドームでどのようなインパクトを残してくれるのか。その先にK-1での両者対決実現もあるのか。

また、山下と内田は日本人の底力を見せつけるべく、リングに上がる。山下は、国内ヘビー級で2冠を達成してきた実力者。カリミアンに対して「ハイキックで倒す」と宣言。鋭いハイキックでカリミアンを捉えることが出来るか。

内田は、17年からピーターアーツに弟子入りし、オランダで戦い、その後日本に帰国。現在は3連続KO勝利中だ。圧倒的な破壊力を持つサッタリに、どのような戦いを見せてくれるか注目が集まる。

「次世代のスター候補は誰か」とワクワクしながら、前半戦を楽しみたい。

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文・SPREAD編集部

《SPREAD》
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