【THE MATCH 2022】武尊が「笑った」瞬間、那須川天心は平常心でいられるのか “世紀の一戦”試合展開予想 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE MATCH 2022】武尊が「笑った」瞬間、那須川天心は平常心でいられるのか “世紀の一戦”試合展開予想

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【THE MATCH 2022】武尊が「笑った」瞬間、那須川天心は平常心でいられるのか “世紀の一戦”試合展開予想
  • 【THE MATCH 2022】武尊が「笑った」瞬間、那須川天心は平常心でいられるのか “世紀の一戦”試合展開予想

RISE世界フェザー級王者・那須川天心K-1三階級制覇王者・武尊、この世紀の一戦が「THE MATCH」と名付けられたビックイベントで実現する。

本稿では6月19日、東京ドームで開催される「Yogibo presents THE MATCH 2022」のメインマッチ「天心vs武尊」の試合展開を読む。

◆【THE MATCH 2022/天心vs武尊】“世紀の一戦”実現までの7年間 両者のコメントと思いを時系列で振り返る

■天心は「打たせず、打つ」

天心はMMAルールを含め46戦無敗(31KO)。幼少期から空手、キックボクシング、ムエタイの大会で経験を積み、高校生となったばかりの2014年7月、RISEでプロデビュー。6戦目となる2015年5月には王者・村越優汰を下し、史上最年少の16歳でRISEバンタム級王座へ就いた。

2016年の年末にはRIZINへ参戦し、MMAルールで連勝を飾るなど“神童”ぶりを発揮した天心は、その後もRISEとRIZINで勝ち星を積み重ねながら、ボクシング元5階級制覇王者のフロイド・メイウェザーをはじめ、ルールや階級を超えたエキシビションにも挑戦してきた。

最近はそのエキシビションのイメージが強く、RISEでは判定勝ちも続いているが、元来はアクロバティックな三日月蹴りや、「ライトニング・レフト(稲妻の左)」と称される左ストレートを武器に、数々のKOシーンを生んできたファイターだ。2019年の年末「RIZIN.20」の江幡塁戦では、その技術を凝縮した圧倒的な試合運びで3ダウンを奪い、KO勝利を収めている。

対戦相手が口を揃える天心のストロングポイントは「スピード」。相手が間を詰め切る前にキックで試合を支配し、コンビネーションで一気に畳み掛ける「打たせず、打つ」というファイトスタイルを確立している。

■「打たせて、打つ」のが武尊

武尊はキックボクシング41戦40勝(24KO)1敗。天心と同じく幼少期に空手を始め、ボクシング、キックボクシングと経験を積み、高校生の時にはタイへ武者修行に出ている。2011年9月にKrushでプロデビューし、2013年にはKrush -58kg初代王者のタイトルを掴んだ。

2014年11月には「K-1 WORLD GP 2014 ~-65kg初代王座決定トーナメント~」に参戦し、当時無敗の大雅を下して初代王者となった。その後、スーパーバンタム級、フェザー級、スーパーフェザー級と階級を上げ、K-1三階級制覇を達成。2015年の年末には一度だけRIZINへ参戦したが、K-1を主戦場に数々の名勝負を繰り広げ、「K-1のカリスマ」と呼ばれる存在となった。

武尊の特徴はアグレッシブな試合運び。前述の大雅戦では第2ラウンドまで劣勢の打ち合いを続け、第3ラウンドで右バックブローによる一発逆転のKO勝利を収めた。2017年4月のビクトー・サラビア戦ではローブローが入りリング上で嘔吐、全身が痙攣するほどのダメージを受けながら試合を続行、最後は笑いながら壮絶に打ち合い、ここもKO勝利を飾っている。

前回の試合は2021年3月のレオナ・ペタス戦。左拳骨折もあり1年ぶりの復帰戦となったが、ここでも最後は笑いながら打ち合いKO勝利を収めた。打ち合いの途中、“石の拳”と呼ばれるレオナの重いパンチが入り、一瞬は膝を落とすシーンもあったが、武尊は倒れなかった。「打たせて、打つ」、これが武尊のファイトスタイルだ。

■「最強×最強」のザ・マッチを望む

スピードとテクニックの天心、パワーとアグレッシブの武尊。「打たせず、打つ」天心に対し、「打たせて、打つ」のが武尊。距離を取りながら自分のタイミングを図りたい天心に、距離を詰めて自分のペースに誘い込みたい武尊。

相反する両者、唯一の共通点は「負けられない」一戦であること。天心はこの試合を最後にボクシングへの転向が決まっており、武尊はこの試合に負ければ引退を示唆している。ここが“世紀の一戦”の試合展開を左右するポイントになる。

スロースターターと呼ばれる武尊は、ラウンドを重ねるごとに持ち味を発揮していくタイプ。ここまでサウスポーとの対戦経験が少なく、しかも強烈な左ストレートを持つ天心を相手に、序盤で苦戦するのは武尊のほうか。一方の天心は、第1ラウンドから攻めるチャンスがある。得意とする遠めの距離からキックで相手のガードを崩し、コンビネーションで攻め立てれば、武尊のスタミナを削っていくことができる。ただ、接近すると、そこは武尊の距離。天心はバックステップを使いながら、慎重な試合運びが求められる。

スコアで見れば、第1~2ラウンドまではスピードとテクニックでポイントを稼げる天心が有利と見る。しかし、迎えた第3ラウンド、武尊が「笑った」瞬間、天心がこの“世紀の一戦”で平常心を保てるかどうか。いや、むしろ平常心でいてほしくない、というのが格闘技ファンの本音だろう。

最後は壮絶に打ち合う「最強×最強」のザ・マッチを望む。序盤で相手のスタミナを削った天心がKOするか、持ち前の勝負根性で武尊が打ち合いを制するのか。その先の結末は「オレこそが、最強」という想いで勝るほうが、リングの上に立っているはずだ。

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文・山田剛(SPREAD編集部)

《SPREAD》
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