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【WRC】ハイブリッド新時代「セバスチャン対決」をローブが制す 第1戦ラリー・モンテカルロ

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【WRC】ハイブリッド新時代「セバスチャン対決」をローブが制す 第1戦ラリー・モンテカルロ
  • 【WRC】ハイブリッド新時代「セバスチャン対決」をローブが制す 第1戦ラリー・モンテカルロ

2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロは最終日の現地時間23日、モナコを起点にデイ4が行われ、フォードのセバスチャン・ローブが再逆転で総合優勝。WRCでの自身の優勝回数を80に伸ばすとともに、47歳10カ月28日で開幕戦をWRC最年長優勝で飾った。

TOYOTA GAZOO Racingセバスチャン・オジエは2位。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationからGRヤリス・ラリー1で出場の勝田貴元は、8位入賞。

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■オジエ、優勝逃すも絶対王者を祝福

WRC年間王者9回のローブと8回のオジエ、「セバスチャン対決」は連日、目まぐるしく首位を入れ替え、ローブが拾った。デイ1でオジエが首位に立つも、デイ2にはローブが逆転、デイ3でオジエが首位に返り咲き、そのまま優勝かと思われたがデイ4に落とし穴が待っていた。

伝統のラリー・モンテカルロの最終日は、モナコのサービスパークを起点に、デイ2が行われたエリアに近いフランス南部の山岳地帯で、2本のステージを各2回走行。その合計距離は67.26kmだった。天候は、ラリー期間中を通して非常に良く、最終日も一部に湿った区間も残ったものの、ステージは基本的にドライコンディション。

デイ3で首位に復帰したオジエは、通算9回目となるラリー・モンテカルロ優勝に向けて、順調に駒を進めていた。タイヤにダメージを与えそうなコーナーのインカットはできるだけ避け、オープニングから2ステージ連続で2番手タイムを記録するなどして、総合2位のローブとの差をさらに拡げた。

しかし、1本目のステージの再走となるSS16で、オジエは左前輪にダメージを負い大幅にタイムロス。24.6秒あった差は消え、逆に9.5秒遅れに。さらに最終ステージではジャンプスタートにより、10秒のペナルティタイムを課せられ、2位でラリーをフィニッシュ。結果、首位と10.5秒差で惜しくもハイブリッド新時代の初戦優勝を逃した。

今回のラリー・モンテカルロでは全部で17本のステージが設定されたが、GRヤリス・ラリー1はそのうち9本でベストタイムを記録。トップカテゴリーラリーカーとして初めてハイブリッドシステムを搭載した初戦でパフォーマンスだけでなく、高い信頼性も証明した。なお、今回のラリー・モンテカルロには、昨年現役を引退、TOYOTA GAZOO Racingヨーロッパの副会長に就任したばかりの中嶋一貴も参加。ハイブリッドラリーカーによる戦いを見守った。

直接対決を制したローブは「そんなに多くを期待してはいなかったんだけどね。素晴らしい戦いだったよ」と激闘を制した喜びを素直に表現。

優勝を逃したオジエは、「この特別なラリーに再び出場し、素晴らしい戦いをできたことは、私にとって大きな喜びです。今回は優勝することができませんでしたが、間違いなく全力で臨みましたし、ベンジャミンやチームと一緒になって戦いました。クルマは週末を通して素晴らしいパフォーマンスを発揮し、問題も起きなかったのは素晴らしいことだと思います。今日は運がありませんでした(中略)。(アクシデントは)どうしようもなかったと思っています。1本目の走行ではインカットを避けていましたが、2本目は不可能でした。路面は非常にダーティーで、他のドライバーの走行ラインをフォローするしかありませんでした。優勝したセバスチャンとイザベルを祝福したいと思います。彼らは素晴らしいパフォーマンスを発揮し、とても激しい戦いになりました。WRCにとって、きっと良い週末になったはずです」とかつての絶対王者を讃えた。

■ハイブリッド新時代にトヨタ社長もコメント

TOYOTA GAZOO Racingのチームオーナー、トヨタ自動車の豊田章男社長は「歴史と伝統ある世界ラリー選手権が、電動化・新燃料というカーボンニュートラルの実現に向けて進みだしたこと、FIAのリーダーシップ、準備に携わられたプロモーターなど関係された全ての皆さまに敬意を表します(中略)。毎戦毎戦、みんなとGRヤリス ラリー1が、どれだけ仲よくなっていくか……今シーズンのWRCは新しい楽しみが増えました。ただ、サービスから静かに出ていくラリーカーの姿には、まだ、少し物足りなさを感じてしまいます(笑)

8位入賞のTOYOTA GAZOO Racing・勝田貴元(右)(C)TGR

今までのベース車はヤリスでした。今年からはGRヤリスです。『モータースポーツで勝つための市販車をつくろう』そう言いながら、久々に自分達の手でつくることができたスポーツカーです。今回、そのクルマがやっと本当の戦いの道を走り出しました。本当に嬉しいです。一緒にGRヤリスをつくってきたみんなにもお礼を言いたいと思います」とコメントを寄せた。

WRC第2戦は2月24日、フィンランドで開催される。また2020年、2021年と2年連続で新型コロナに翻弄され中止となったラリー・ジャパンは11月10日、最終戦第13戦として予定されている。2010年以来12年ぶりの開催は実現されるのか、こちらも楽しみだ。

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文・SPREAD編集部

《SPREAD》
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