【天皇賞・秋/穴馬アナライズ-前編】エフフォーリアは「△」評価 “3強”のうち2頭に不安要素 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【天皇賞・秋/穴馬アナライズ-前編】エフフォーリアは「△」評価 “3強”のうち2頭に不安要素

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【天皇賞・秋/穴馬アナライズ-前編】エフフォーリアは「△」評価 “3強”のうち2頭に不安要素
  • 【天皇賞・秋/穴馬アナライズ-前編】エフフォーリアは「△」評価 “3強”のうち2頭に不安要素

第164回天皇賞・秋(GI、芝2000m)は「3強」の様相を見せている。3階級制覇を狙うグランアレグリア、昨年の無敗三冠馬コントレイル、今年の皐月賞馬エフフォーリアの対決は、ウオッカ、ダイワスカーレット、ディープスカイがゴール前で大接戦を演じた2008年を彷彿とさせる。

しかし、東京芝2000mで施行されるようになった1985年以降、1、2、3番人気が上位を独占した年は、この2008年のほか、1997年(エアグルーヴ、バブルガムフェロー、ジェニュイン)、1989年(スーパークリーク、オグリキャップ、メジロアルダン)の3例しかない。

昨年は単勝1.4倍の1番人気に支持されたアーモンドアイが連覇を達成したが、2着には5番人気のフィエールマン、3着に2番人気のクロノジェネシス。3番人気のダノンキングリーは最下位の12着に沈んだ。

今年も「3強」に付け入る隙はあると見て、3頭の考察から穴馬の台頭を狙う。

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■ノド鳴り手術明けのグランアレグリア

まずスプリントとマイルでGI5勝のグランアレグリア。春の大阪杯で4着に敗れた後、再び“3階級制覇”を狙ってきたが、安田記念2着の後、「喉頭蓋エントラップメント」と呼ばれるノド鳴りの症状が判明、手術を経て今回に臨む。

幸い軽度のものだったというが呼吸器官の手術明けで、元来、マイル以下を主戦場としてきた馬が2000mのGIへ挑むことに対し、不安が皆無というわけではない。連覇を達成したアーモンドアイをはじめ牝馬のスピードが武器となる天皇賞・秋だが、いずれも順調に臨戦過程を踏んでこそ。

過去10年、牝馬の天皇賞・秋は【2-2-2-8】。1着2回はアーモンドアイで、2着2回もジェンティルドンナと同一の馬によるもので、イメージほど多数の牝馬が活躍してきたわけではない。ここは「▲」評価に留めたい。

■エフフォーリアは3歳トップクラスも…

続いて3歳馬のエフフォーリア。無敗で皐月賞を制し、日本ダービーでもハナ差2着と、限りなく二冠に近い活躍を見せた同馬が3歳トップクラスのレベルにあるのは間違いない。しかし、同じく同年の皐月賞を制して挑んだ2019年のサートゥルナーリアが2番人気で6着に敗れたのは記憶に新しく、やはり古馬の壁は厚い。

実際、過去10年における3歳馬の天皇賞・秋は【0-1-1-9】。2012年に日本ダービー2着のフェノーメノが1番人気2着、14年に皐月賞馬で日本ダービー2着のイスラボニータが1番人気3着と健闘したが、12年にはここまで5戦無敗を誇ったカレンブラックヒルが3番人気で5着に敗れるなど、人気を下回る着順に終わったケースが目立つ。

共同通信杯の圧勝を含め東京は【2-1-0-0】と申し分ない実績だが、もっとも強いパフォーマンスを見せたのが中山・皐月賞。暮れの中山・有馬記念も視野に入っており、直行ローテからも狙いは先か。「△」評価で様子を見たい。

■死角が見当たらないコントレイル

最後に昨年の無敗三冠馬コントレイルを考察する。菊花賞の後、ジャパンCでアーモンドアイ、デアリングタクトとの「三冠馬対決」で2着に入り、今年は大阪杯で始動したが、よもやの3着。どしゃ降りの大雨による重馬場に脚を取られ、逃げたレイパパレを捕らえきれず、最後は道悪巧者のモズベッロにも差された。しかし、グランアレグリアとの競り合いはクビ差制しており、格好はつけた内容だった。

東京スポーツ杯2歳Sで東京芝1800mの2歳レコードを1秒4も更新する1分44秒5で駆け抜けた同馬だけに、阪神芝2000m2分1秒6、レース上がり36秒8も要した大阪杯では、持ち味のスピードを削がれたのは間違いない。また、大阪杯の後、出走馬がことごとく疲労回復に時間を要したが、同馬は秋を見据えて早々と宝塚記念を回避。引退までラスト2戦に備えたことには好感が持てる。

過去10年、天皇賞・秋の脚質傾向として先行【4-5-1-27】、差し【6-4-3-57】というデータも、「好位差し」を得意とする同馬を後押しする材料となる。1枠1番なら好位で末脚を温存でき、道中インでじっくり脚を溜めて直線弾けた日本ダービーの再現が狙える。「3強」の中では唯一、死角が見当たらない。

ここはコントレイルを中心に、不安要素を抱えるグランアレグリアとエフフォーリアの評価を下げ、相手に穴馬を組み込んで高配当を狙いたい。「後編」では、3強に割って入る可能性を秘めた穴馬3頭を紹介する。

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著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。

《SPREAD》
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