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今週は札幌競馬場でキーンランドC(芝1200m)が行われる。
終盤にさしかかったサマースプリントシリーズ第5戦に組み込まれる一戦。例年との比較でやや手薄なメンバー構成である印象は否めないものの、今後のスプリント戦線を占ううえで重要なレースと言えるだろう。
この記事ではデータ面からキーンランドCを紐解き、攻略への糸口を見つけていきたい。
◆【キーンランドC2021/前走ローテ】上位人気想定メイケイエール 気性不安視も前走1600m組は好成績
■メイケイエールの鬼門は「ミッキーアイル×札幌芝1200m」
2歳時から見え隠れしていた気性面の危うさ。それが桜花賞で「暴発」したことで惨敗を喫してしまったメイケイエール。
オークスは早々にあきらめ、矛先をスプリント戦に向けた今回。復活が期待される同馬に立ちはだかるハードルがこちら。
・ミッキーアイル産駒の札幌芝1200m成績【0-0-1-11】
産駒がデビューして間もないだけに信ぴょう性をどう捉えるかだが、このなかには4人気内馬が5頭。同じ洋芝の函館芝1200mでも【1-0-0-7】と好走率が低く、小倉芝1200m成績【8-2-2-19】とは雲泥の差がある。
ポテンシャルの高さは間違いなく世代トップクラス。しかし、今回は洋芝適性が評価の分かれ目となりそうだ。
■ミッキーブリランテの追い風は「馬券内率83%」データ
年明け初戦のニューイヤーSを14人気で制したのち、返す刀で挑んだ阪急杯は10人気2着。その後もコンスタントに好走を重ねてきたミッキーブリランテ。
なかなか掴みどころのない馬だが、スプリント戦は今回が2度目。名だたるスペシャリスト相手では簡単にいかない印象もあるが、追い風となるデータをご紹介したい。
・右回りかつ直線平坦コースでの成績【1-2-2-1】
馬券内率に換算すると83%。このなかには2019年シンザン記念3着、そして前走函館スプリントS3着と重賞好走歴も含まれており、適性の高さがうかがえよう。
鞍上は前走後、陣営にここへの参戦を進言したという。その背景には同馬の平坦右回り適性があったのかもしれない。
後編ではデータ面から浮上するキーンランドCの穴馬候補2頭を紹介する。
◆【後編】推定10番人気の古豪が波乱を呼ぶ 「見限るにはまだ早い」
◆【キーンランドC2021予想/危険な人気馬】ソダシの勝利が示した「世代交代」 短距離戦で“買うべきではない”古馬とは
◆【キーンランドC2021/脚質傾向】注目は5勝を挙げている差し脚質 上位人気想定のレイハリアにちらつく影とは
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「新潟2歳S」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。