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野球日本代表「侍ジャパン」は28日、ドミニカ共和国との初戦を迎える。
公開競技だった1984年ロサンゼルス五輪以来となる悲願の金メダルへ、初戦の相手は世界最終予選を勝ち上がってきたい中南米の雄。2013年の第3回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で優勝するなど、強豪国としてメジャーリーガーも多く輩出している。MLB所属選手が参加しない今回の五輪では、メキシコや日本など海外でプレーする選手や若手マイナーリーガーが中心のチーム構成になっている。
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■NPBでプレーした元助っ人も在籍
チームには元大物メジャーリーガーが2人いる。MLB通算1962安打、144本塁打のメルキー・カブレラは予選でも指名打者として打線を牽引。もう一人、2010年から2年連続本塁打王のホセ・バティスタは40歳という年齢もあり、控えに回ることが多いが、豊富な経験と実績から“ここ一番”での活躍も期待されている。2015年に巨人でプレーしたホアン・フランシスコが4番に座る打線では、20歳のMLB有望株であるフリオ・ヤメル・ロドリゲスも要警戒選手の一人だ。
投手陣は、C.C.メルセデスとエンジェル・サンチェスの巨人勢に、2015年から3年間、中日でプレーした左腕ラウル・バルデスなど、先発陣には日本と縁の深い選手が多い。ブルペンには最終予選で活躍したルイス・フェリペ・カスティジョやMLB経験のあるホセ・ディアスなど剛腕型の投手が揃っている。
■山本由伸は中南米選手がやや苦手
対する日本は、今季前半戦終了時点で防御率1.82、自身6連勝中と好調な山本由伸(オリックス)が先発予定。最終予選3試合で22得点と高い攻撃力のドミニカ打線は、予選でレギュラー三塁手としてプレーしていたディエゴ・ゴリスが大麻陽性で出場停止処分となったが、いずれにしても山本には最少失点で試合終盤につなぐ投球が期待される。
ただ、データ面での不安材料として山本は今季、ソフトバンクのグラシアル、デスパイネのキューバ勢との対戦被打率がいずれも.333、メキシコ人のレアード(ロッテ)に同.600、そしてドミニカ共和国出身のヤクルト・オスナに対しては2打数2安打と、中南米選手をやや苦手にしている点が気にかかるところだ。
攻撃陣は、楽天、巨人相手に行われた強化試合で1番に入った山田哲人(ヤクルト)と3番の吉田正尚(オリックス)がいずれも9打数3安打、5番の浅村栄斗(楽天)は7打数3安打と主軸打者がいずれも好調。右脇腹違和感で一時は別メニュー調整だった柳田悠岐(ソフトバンク)もスタメン出場が濃厚となっている。強化試合では打線の軸となる4番の鈴木誠也(広島)がチャンスの場面で凡退するなど、8打数1安打と振るわなかったが、相手先発のメルセデスに対しての通算対戦成績が22打数9安打の打率.409、1本塁打と相性がいいのは好材料と言えそうだ。
注目の初戦は28日12時から、福島あづま球場で行われる。
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記事提供:ベースボール・タイムズデータ提供:野球DB