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サッカー女子日本、なでしこジャパンは27日、1次リーグ突破をかけてチリ戦に臨む。ここまで2試合を終えて、1分け1敗の勝ち点1でE組3位。すでに1位突破の可能性は消滅しているが、チリ戦に勝利すれば自力での決勝トーナメント進出が決まる。
引き分けでも他組の結果次第で突破の可能性は残るが、負ければ1次リーグでの敗退が決まる。崖っぷちに立たされたなでしこが、運命の一戦にすべてをかける。
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■2試合続けて要警戒選手にゴールを許す“失態”
1次リーグ初戦のカナダには1-1のドロー。2戦目の英国には0-1で敗れたなでしこ。カナダは2大会連続で銅メダルを獲得している強豪国であり、英国もFIFAランク6位(日本は10位)と、“格上”との2連戦は当初から苦戦が予想されていた。
もちろん、開催国として勝利が欲しかったことは間違いないが、結果だけを見れば驚くほどの想定外ではないし、FIFAランク37位、格下チリとの最終戦に勝てば1次リーグ突破できるという状況は、幸運とさえ捉えてもいい。
ただ、チーム状態そのものに不安があることは確かだ。特にカナダ戦、英国戦とも要警戒対象だった選手に決められたのはいただけない。
初戦は開始わずか6分、4大会連続出場となるカナダの大黒柱シンクレアにあっさりゴールを許し、2戦目も英国のエース、ホワイトにヘディングで得点を奪われた。ホワイトは2019年W杯日本戦でも2ゴールを決めており、“日本キラー”と呼ばれる存在だ。
目を離してはいけない選手、自由を与えてはいけない選手にそろってゴールを奪われたということは、人選を含めて守備面に問題があるはず。男子代表と同様、前からプレスをかけていく戦術や一部マンマークの導入など、何らかの手を打ってほしいところだ。
■カギ握る指揮官のメンバー選択
先発メンバーの顔ぶれも勝敗を左右するかもしれない。カナダ戦から中2日となった英国戦では戦術面によるものか、あるいはコンディション考慮か、高倉麻子監督は先発を5人入れ替えて臨んだ。カナダ戦で再三起点を作られた日本の左サイドは、このメンバー交代により英国戦ではウイークポイントとはならなかった。
また、GKもカナダ戦でゴールマウスを守った池田咲紀子から本来レギュラーと目されていた山下杏也加に代えた。高倉監督としては勝利に近づくために戦術上必要な措置は打ち、効果も引き出した。
ただ、結果に結び付かなかったことも事実。これまでの2戦を踏まえ、チリに対してどのような戦略・戦術で臨むのか、そのための最適メンバーをどうするのか。エース岩渕真奈のコンディションにやや不安が残る中、指揮官の選択が大きなカギを握りそうだ。
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試合情報
日本-チリ試合開始:日本時間7月27日(火)20:00キックオフ中継情報:NHK総合、NHK BS4K
文・SPREAD編集部