【東京五輪/バスケ】八村塁、渡邊雄太、2人のNBAプレーヤー擁する「史上最強」男子代表の大躍進に期待 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【東京五輪/バスケ】八村塁、渡邊雄太、2人のNBAプレーヤー擁する「史上最強」男子代表の大躍進に期待

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【東京五輪/バスケ】八村塁、渡邊雄太、2人のNBAプレーヤー擁する「史上最強」男子代表の大躍進に期待
  • 【東京五輪/バスケ】八村塁、渡邊雄太、2人のNBAプレーヤー擁する「史上最強」男子代表の大躍進に期待

まもなく開幕する東京五輪において、男子バスケットボールは、これまでになく注目を集めている。NBAプレイヤー2人を擁する日本代表は「史上最強」の呼び声も高く、その強さは世界を相手にどこまで通用するのか、果たしてメダル奪取となるのか、ここで紐解こう。


【ハイライト】格上相手の国際強化試合で勢いが止まらない八村塁の得点シーン


■東京五輪に挑戦する海外組


東京五輪に挑む12名の日本代表、中には3人の海外組が含まれている。NBAの舞台で活躍しているワシントン・ウィザーズ八村塁トロント・ラプターズ渡邊雄太、そしてオーストラリアNBLリーグを制したメルボルン・ユナイテッド馬場雄大だ。


2019年8月に行われたFIBAバスケットボール・ワールドカップ(FIBA Basketball World Cup 2019)の際にも3名は代表として名を連ねていた。しかし、八村はNBAデビュー前、渡邊は当時まだメンフィス・グリズリーズとの2way契約であり、馬場はアルバルク東京に所属していた。しかしわずかこの2年の間に、八村はウィザーズの主力として活躍し今シーズンはチームをプレイオフに導いた。


渡邊もラプターズとの本契約を勝ち取り、そして馬場はオーストラリアという強豪国で優勝を果たすまでになった。この実績こそが日本代表を世界と戦えるレベルにまで仕上げて来た。


海外組だけではない。富樫勇樹(千葉ジェッツ)や比江島慎(宇都宮ブレックス)はNBAのサマーリーグに参加した経験を持つ。帰化枠のギャビン・エドワーズ(千葉ジェッツ)もアメリカ出身。シェーファーアヴィ幸樹(シーホース三河) や渡邉飛勇(琉球ゴールデンキングス)はアメリカの大学出身者と、海外組以外にも世界のバスケを知る、経験を持つ選手が豊富なのが現在の日本代表だ。


■格上相手の強化試合で見せた成長


五輪へ向けた国際強化試合の2戦、ベルギー戦(FIBAランキング37位)、フランス戦(同7位)と格上2チームに挑んだ日本代表(同42位)には、全選手が顔を揃えた。史上最強の日本代表は見事2連勝を飾り五輪に向けて最高の弾みをつけた。


2試合を通じ、日本が誇る2人のNBAプレーヤーは終始質の高いプレーを見せ、チームを牽引。格上の相手にも余裕を持ってプレーをし、確固たる自信や漲る闘志を感じさせた。


18日、対戦したフランスにはNBAでプレーする選手が5人、さらに元NBAプレー経験者も3人。身長216センチのルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)は今シーズンNBAで2度目の最優秀守備選手賞を受賞している。


しかしそんな日頃NBAの舞台で戦っている相手に対し、八村や渡邊はゴール下でも落ち着いたプレーを見せる。この2年間の成長を垣間見せたシーンだった。


そして八村と渡邊がコートにいる間、チームは落ち着き攻守に渡って安定感を発揮。さらに渡邊のリーダーシップも光り、国内組にも自信を与えている。田中大貴(アルバルク東京)や比江島慎などもチームを牽引、役者が多いということが日本の現在の強さの理由となっている。


■活躍が期待される国内組の注目選手


今回、第1ポイントガードは田中大貴が担う。在籍するアルバルク東京でのシューティングガードとは異なるポジションでの出場となるが、これによって日本のスタメンのサイズが大きくなり、これが大きな強みになっている。


これまで日本代表のサイズの問題はやはりディスアドバンテージだった。しかし今回、スタメンの平均身長が2メートル越えという世界基準の日本代表が誕生した。


さらにキーマンは、シーホース三河から島根スサノオマジックへ移籍した金丸晃輔だ。NBAだけでなく世界のバスケット界でトレンドとなったスリーポイントシュート。


チーム唯一のピュアシューターであり、20-21シーズンのBリーグMVPも獲得した金丸のスリーポイントシュート成功確率の高さは世界でもトップレベル。金丸のシュートが決まれば八村や渡邉のプレーするスペースも広げることができ、日本の得点チャンスは増えてくる。


もちろん金丸だけでなく、強化試合を見ていてもエドワーズや田中、比江島などは比較的自由にシュートを打てたのではないだろうか。五輪本戦では海外組だけでなく、多くの選手が得点につなげることが必要不可欠だ。


Bリーグ発足後5シーズンが経過、外国籍選手枠に各国代表経験者やNBAでのプレー経験を持つ選手が来日することも増えてきた。そのような選手たちと日頃からしのぎを削っているのだから、必然的にレベルは向上している。


■予選リーグ突破への道筋は


予選リーグではスペイン代表(ランキング2位)、スロベニア代表(16位)、アルゼンチン代表(4位)と対戦する。


日本の42位と比較するとかなりレベルの差がある印象を受ける。しかし、このランキングはW杯で勝利しないとポイントが上がらない。現在の日本はランキング以上、TOP20に入る実力が間違いなくあるだろう。渡邊もフランス戦後、自分たちは「ランキング以上の力がある」と明言していた。


では、日本は五輪本戦でも勝機があるのか。フランスのコンディションが良かったとは決して言えなかった。再び本戦でフランスと対戦したとしても同じように勝利できるかはわからない。


対戦するスペイン代表では、20-21シーズンはBリーグの千葉ジェッツでプレーしチャンピオンシップでのMVPに輝いたセバスチャン・サイズ(アルバルク東京)すらも残念ながらメンバーから落選している。本戦は厳しい戦いになることは間違いない。さらに無観客試合、ホームの利を活かしにくい。


ただフランス戦、日本リードで折り返した後半フランスはかなり本気でプレーをしていた。同点に追い付かれたのち勝ち切った日本は格段の成長を遂げている。自信をつけた日本がプライドを持って挑戦する期待値は高い。


スロベニア戦では、相手が五輪に初出場ということもあり最もチャンスがあるだろう。NBAの注目プレーヤー、ダラス・マーベリックスルカ・ドンチッチがいる。22歳、”神童“とも呼ばれた若きスターだ。日本は彼を徹底的にマークし自由にプレーさせなければ、勝機が見えてくるはず。


スペイン戦でも、八村や馬場を中心に速いテンポで得点を重ねたい。フランスに勝利後、決して満足せずさらに上を目指す姿勢を見せていた日本代表。


本当の戦いはこれから、史上最強の日本代表の大躍進に期待したい。


◆【東京五輪/バスケ】八村塁、渡邊雄太、馬場雄大の海外組は「救世主」となるのか、「奇跡の1勝」は果たして


◆バスケ男子が格上のフランスに大金星 五輪へ弾み 八村「チームも気合入ってて」


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著者プロフィール


木村英里(きむらえり)●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。


■ベルギー戦で両チーム最多の24得点を挙げた八村塁




■格上相手のフランスに活躍した八村塁と渡邊雄太



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