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MLBオールスターゲームの前夜祭にあたるホームランダービーは12日(日本時間13日)、コロラド・ロッキーズの本拠地であるクアーズ・フィールドで開催される。今年は日本人選手として初めてロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平の出場が決定し、「初出場初優勝」の期待がかかる。
イチロー氏や松井秀喜氏らも出場することが叶わなかった夢舞台。ここでは、ホームランダービーの歴史、ルール、過去の記録や名勝負を前編/後編にわけて紹介する。
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■過去の最高記録と語り継がれる名勝負
ホームランダービーでの歴代最高記録を紹介したい。2014年以前のルール下で「1ラウンド最多記録」は2008年に元テキサス・レンジャーズのジョシュ・ハミルトンが記録した28本、「1大会最多記録」は2005年に元フィラデルフィア・フィリーズのボビー・アブレイユが記録した41本であった。
一方、2015年に制限時間が導入されてから、本塁打数は飛躍的に増加。最高記録は「1ラウンド最多記録」「1大会最多記録」ともに、2019年に元トロント・ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.が保持し「1ラウンド最多記録」は40本、「1大会最多記録」は91本となっている。
ちなみに、このゲレーロJr.が第2ラウンドで記録した40本の戦いが、ホームランダービー史に残る名勝負とも言われている。2019年の第2ラウンド第1試合は、ゲレーロJr.とロサンゼルス・ドジャースのジョク・ピーダーソンが激突。先攻のゲレーロJr.が29本を放ち、勝利が確定かと思われたが、ピーダーソンも同じく29本で、1分間の延長戦に突入。
延長戦でも8本ずつの同数で並び、3スイング限定のサドンデスに持ち込まれた。しかしここでも、ゲレーロJr.1本、ピーダーソン1本で並び、再び3スイング勝負に。最後はゲレーロJr.2本に対し、ピーダーソン1本に終わり、3度の延長戦の末、合計40-39でゲレーロJr.が勝利。決着後は両者が抱き合って健闘を称えあった。
なお、過去の歴代優勝者で、シアトル・マリナーズのケン・グリフィーJr.が歴代最多の通算3度の優勝をマーク。エンゼルスとしては歴代2位タイとなる3人の優勝者を輩出しており、今年大谷が優勝すれば、1位のヤンキース(4人)に並ぶが、果たしてどんな戦いが繰り広げられるのか、注目したい。
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文・SPREAD編集部