
7月4日は福島競馬場でラジオNIKKEI賞(GIII、芝1800m)、小倉競馬場でCBC賞(GIII、芝1200m)が行われます。
ラジオNIKKEI賞は基本的に福島芝1800mを舞台にここまで行われてきましたが、CBC賞は施行条件がコロコロと変わり、今年は22年ぶりに小倉競馬場で行われます。
そのため、過去のCBC賞のデータはあまり意味を成さず注意が必要です。
今回はハンデ戦として行われるようになった2006年以降のラジオNIKKEI賞過去データ(中山で行われた2011年を除く)、2000年以降の小倉芝1200m重賞の過去データから、気になる騎手データを見ていきましょう。
◆【ラジオNIKKEI賞2021/穴馬アナライズ】前日15番人気の穴馬、夏のローカルGIIIで「波乱の立役者」となるか
■ラジオNIKKEI賞では吉田隼人騎手が穴メーカー、津村騎手も優秀
まずは2006年以降のラジオNIKKEI賞(中山で行われた2011年を除く)の成績データを基に、今年のラジオNIKKEI賞に乗り鞍がある騎手の成績を表にまとめています。

[2006年以降]ラジオNIKKEI賞の騎手別成績(中山で行われた2011年を除く)
過去の騎乗機会が少ない騎手も多いため、今回は過去3鞍以上の騎乗数がある騎手を中心に見ていきましょう。対象騎手の中で人気と着順のバランスに優れ、高い連対率を記録しているのが吉田隼人騎手です。
2007年こそ1番人気のクランエンブレムで6着に敗れていますが、2009年のサニーサンデー(13番人気2着)、2017年のロードリベラル(9番人気3着)と、過去2度も穴馬を馬券圏内に導けていることは見逃せません。
同騎手は前日15時段階で2番人気のシュヴァリエローズ(牡3、栗東・清水久)に騎乗予定。本重賞は穴馬でこその騎手に感じますが、今年も人気以上の走りが期待できるかもしれませんね。
そして津村明秀騎手も数字的に優れる騎手のひとり。2006年のタマモサポート(5番人気1着)、2017年のウインガナドル(8番人気2着)と人気薄の馬を好走させていますね。
今年は前日15時段階で11番人気のワールドリバイバル(牡3、栗東・牧田)に跨りますが、騎手データを重視した場合は軽視禁物です。
■小倉スプリント重賞では秋山真一郎騎手が高連対率
続いてはCBC賞です。2000年以降の小倉芝1200m重賞の成績データを基に、今年のCBC賞に乗り鞍がある騎手の成績を表にまとめましたので見ていきましょう。

[2000年以降]小倉芝1200m重賞の騎手別成績
鮫島克駿騎手、藤懸貴志騎手の2名は着順と人気のバランスに優れていますが、残念ながら馬券圏内は過去1度もなし。
荻野極騎手も上々の数値を残せいていますが、過去の騎乗数が4鞍と少ないこともあり、今回は人気を上回る着順を記録し、37.5%の高い連対率を誇る秋山真一郎騎手に注目。
同騎手は2002年小倉2歳Sのブルーコンコルド(5番人気2着)、2018年北九州記念のダイメイプリンセス(4番人気2着)、2019年北九州記念のダイメイプリンセス(9番人気1着)と集計期間内で3度の好走がありますね。
ダイメイプリンセスの頑張りがデータに反映された格好ですが、背負う人気を思えばかなり優秀な成績を残せているだけに、この舞台では頼もしい騎手と言えるでしょう。
同騎手は今年前日15時段階で12番人気のメイショウカリン(牝7、栗東・笹田)に騎乗予定。この馬が馬券絡みするようであれば高配当が期待できますね。
■福永祐一騎手、松若風馬騎手は過信禁物
一方、背負う人気に比べると着順の落ち込みが目立つのが福永祐一騎手と松若風馬騎手です。
期間内の小倉スプリント重賞で4勝を挙げる福永祐一騎手ですが、2004年小倉2歳Sのエイシンヴァイデン(1番人気4着)、2006年小倉2歳Sのシルバーストーン(1番人気11着)、2009年小倉2歳Sのサリエル(1番人気4着)など人気で馬券圏外に敗れるケースも見られました。
基本的に人気以下に終わるレースが多いのは気になりますね。
そして松若風馬騎手は人気を思えば小倉スプリント重賞で不振が続いています。2016年北九州記念のラヴァーズポイント(2番人気11着)、2017年小倉2歳Sモズスーパーフレア(1番人気7着)と大きく敗れたレースも確認できます。
なお、福永祐一騎手は前日15時段階で2番人気のピクシーナイト(牡3、栗東・音無)、松若風馬騎手は前日15時段階で4番人気のメイショウチタン(牡4、栗東・本田)に騎乗予定。
この人気が当日まで続くようならバッサリ切り、高配当を狙ってみるのが良さそうです。
◆【ラジオNIKKEI賞2021/脚質傾向】近年逃げ馬が活躍も馬券のヒントは「中団から脚を使える」
◆【ラジオNIKKEI賞2021/穴馬アナライズ】昇級初戦Vのグランオフィシエ、3連勝で重賞勝ちも
◆【ラジオNIKKEI賞2021/穴馬アナライズ】前日15番人気の穴馬、夏のローカルGIIIで「波乱の立役者」となるか
著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。