
今週は福島競馬場でラジオNIKKEI賞(芝1800m)が行われる。
3歳馬同士にもかかわらずハンデ戦という特殊なレース。それゆえ波乱の年も珍しくなく、直近10年は7人気以下の馬が必ず馬券圏内に入っていた。「荒れるレース」と捉えて差し支えないだろう。
この記事ではデータ面からラジオNIKKEI賞を紐解き、攻略への糸口を見つけていきたい。
◆【ラジオNIKKEI賞2021/危険な人気馬】シュヴァリエローズ、福島巧者の血統も追込脚質は連対率5.0%
■アサマノイタズラの課題は「斤量56キロ」
2走前のスプリングSで2着。世代上位の力を示したアサマノイタズラ。
一線級が揃った皐月賞は惨敗を喫してしまったものの、仕切り直しの一戦で相手関係はだいぶ楽になるが……同馬にはこんなマイナスデータが立ちはだかる。
・斤量56キロかつ前走GI組【0-0-1-7】
NHKマイルC5着から臨んだ1番人気ガイヤースヴェルトやダービーから参戦のフラムドグロワールも馬券圏外。散々たる数字が叩き出されてしまっているのだ。
GII連対をはたしたことで上積みされた斤量。今回はその斤量がネックとなりそうだ。
■ボーデンの鬼門は「馬券内率0%」のハービンジャー産駒
未勝利戦を驚愕の走破タイムで勝利。返す刀で臨んだスプリングSでは3着に敗れたものの、重賞レベルでも通用することを示したボーデン。
秘めたるポテンシャルは間違いなく世代トップクラス。ここは秋競馬への弾みをつけたい一戦だが、同馬に立ちはだかるマイナスデータがこちら。
・ハービンジャー産駒の福島芝1800m重賞成績【0-0-0-8】
そのなかには3番人気に支持されたレイホーロマンスも含まれる。芝2000m重賞まで幅を広げても同産駒の福島芝重賞勝利実績はなく、ハービンジャー×福島芝重賞のマッチングは相性最悪と言えるだろう。血統面での不安要素に加え、今回はフレグモーネ明け。能力発揮のステージは別の場所なのかもしれない。
後編ではデータ面から浮上するラジオNIKKEI賞の穴馬候補2頭を紹介する。
◆【後編】当地連対率「100%」のデータが後押しするあの伏兵馬とは
◆【ラジオNIKKEI賞2021/脚質傾向】近年逃げ馬が活躍も馬券のヒントは「中団から脚を使える」
◆【ラジオNIKKEI賞2021/追い切りジャッジ予想】リッケンバッカーに「S」評価、バランス面が改善「絶好の気配にある」
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「ラジオNIKKEI賞」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。