【ラグビー】日本代表、ティア1の実力証明へ ライオンズとの歴史的一戦が持つ意義とは | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ラグビー】日本代表、ティア1の実力証明へ ライオンズとの歴史的一戦が持つ意義とは

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【ラグビー】日本代表、ティア1の実力証明へ ライオンズとの歴史的一戦が持つ意義とは
  • 【ラグビー】日本代表、ティア1の実力証明へ ライオンズとの歴史的一戦が持つ意義とは

欧州に遠征中のラグビー日本代表が26日、スコットランドのエディンバラでワールドカップ日本大会後初のテストマッチに臨む。対戦相手は夢のスター軍団、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ(BIライオンズ)だ。この試合の持つ意義や楽しみ方について検証してみたい。


◆歴史的な「日本代表vs.ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」戦、26日当日の中継/放送/配信等の視聴方法


■2023WCへ向けて、ティア1としてのプライドを示す遠征


日本代表にとって今回の遠征は、2年後に迫ったワールドカップ・フランス大会へ向けた実質的なスタートとなる。ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフも、「これがワールドカップへの出発点となる」と、はっきりと言い切っている。


しかし、それだけではない。キャプテンのリーチ・マイケルは、「ティア1としてのプライドを示す遠征」と出発前に繰り返しコメントした。


ワールドラグビーにおけるティア1は「強豪国」を指す。具体的には、欧州シックスネーション6カ国(イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、フランス、イタリア)と南半球の4カ国(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン)の10カ国だった。


そこに昨年、11番目の国として日本代表が加わった。ラガーマンにとって、ティア1入りが持つ意味は重い。欧州のファンの前で無様な試合は見せられない。


■4年に一度結成される、南半球遠征用のドリームチーム


対戦相手のBIライオンズは、4年に一度結成されるオールスターチーム。イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの4チームから主力選手が選抜されるだけに注目度も高い。メンバーに選ばれて赤いジャージを着ることは、イギリス、アイルランドの選手にとっては大変な名誉だ。


チームのルーツは1888年に遡る。第1回ワールドカップが1987年だから、100年も歴史が古い。活動の形態は少しずつ変化してきたが、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカへの遠征チームとして結成されるのが基本だ。今年はジャパン戦の後、南アへ遠征するが、4年前はニュージーランドだった。


BIライオンズは、南アで強豪クラブと4試合、A代表と5試合した後、ワールドカップ王者の南アフリカ代表“スプリングボックス”とテストマッチ3試合を行う。2013年、2017年に続いて3回連続でチームを率いるウォーレン・ガットランドHCは、「ワールドカップ・チャンピオンに勝てるチームだ」と自信を漲らせている。


■キラ星のBIライオンズに挑む、実績のジャパン


今年のBIライオンズのメンバーは特に豪華だ。キャプテンはキャップ148を誇るウェールズのプライド、アラン・ウィン・ジョーンズ(FL)。そのほか、WCジャパン大会でトライ王となったジョシュ・アダムス(WTB)、イングランドの主将、オーウェン・ファレル(SO/CTB)、シックスネーションズのMVP、ハミッシュ・ワトソン(FL)、スピーディーな動きが印象的なコナー・マレー(SH)など、まさにドリームチームと呼ぶにふさわしい。


一方、BIライオンズに挑むかたちのジャパンは、2019年のメンバーが中心となる。リーチ(FL)のほか、田村優(SO)、中村亮土(CTB)、稲垣啓太(PR)、山中亮平(FB)、アマナキ・レレイ・マフィ(NO8)など、ONE TEAMの戦士たちがスターターとして顔をそろえた。


また、フランスで活躍した松島幸太朗、ハイランダーズに所属しスーパーラグビー アオテアロアで新人王を獲得した姫野和樹もチームに合流。現時点ではベストの布陣といえるだろう。


新戦力としては、シオサイア・フィフィタの体格を生かした突破に期待したい。天理大を初の優勝に導いた立役者で、壮行試合となったサンウルブズ戦で途中出場ながら代表デビューを果たした。個人的にはセンターでのプレーを見たいが、ウイングでの先発出場が発表されている。ポスト福岡堅樹としても期待がかかる。


■チャレンジャー精神でスター軍団に一泡吹かせるか


いくらジャパンが力をつけたとはいえ、スター軍団には敵わないのか? 実は、チャンスがあるとみる。BIライオンズは強敵と言えど“寄せ集め”のチーム。チームとしての練習を開始したのは14日で、初日から参加したのは37人中26人だった。


チームとしての完成度はまだまだのはずだ。しかも、本番として見据えているのは、7月24日から8月7日にかけて行われるスプリングボックスとの3試合。つけ入る隙はあるはずだ。


とはいえ、体力勝負や1対1ではやはり分が悪い。バックラインのサインプレーや素早く展開するラグビーでディフェンスのギャップをつきたい。田村の裏へのキックも有効だろう。チャンスではPGを狙うチャレンジャーとしての試合運びをすれば、接戦に持ち込めるはずだ。


親善試合的な雰囲気も漂うが、ジャパンとの試合は現地でも大きな注目を集めている。なぜなら、遠征用のチームであるライオンズが地元で試合を行うことは、極めて稀だからだ。過去には、世界選抜戦、アルゼンチン戦の2試合があるのみ。ジャパンは3チーム目となる。ちなみに2005年にカーディフで行われたアルゼンチン戦は、終了間際のPGで25-25と追いつき、かろうじて面目を保っている。


地元ワールドカップでのベスト8入りを果たしたとはいえ、欧州の目の肥えたファンにとって日本はまだまだ格下の評価だろう。ドリームチームをマレーフィールドで撃破することで、ティア1の実力を印象づけたいところだ。


◆歴史的な「日本代表vs.ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」戦、26日当日の中継/放送/配信等の視聴方法


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著者プロフィール


牧野森太郎●フリーライター


ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。


26日当日の中継/放送/配信等の視聴方法

































日付時間放送・配信媒体概要
6/26(土)23:00~01:00日本テレビ系列TV生中継
6/26(土)23:00~01:40huluネット生中継
6/26(土)22:30~01:40J SPORTS 1BS/CS生中継
6/26(土)22:30~02:30J SPORTSオンデマンドネット生中継

■ラグビー国際連盟によるPV




ブリティッシュ・アイリッシュ・ライオンズによるPV



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