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「e国際親善試合KIRIN iMUSE CUP」が18日に行われ、サッカーe日本代表はeマレーシア代表と対戦。「2 on 2」で行われた試合は序盤からeスポーツらしいスピーディーな展開となり、1点を争う好ゲームとなったが、e日本代表は3戦全敗を喫した。
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■FIFAe Nations Cup 2021に向けての“強化試合”
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(C) JFA
今回の試合は、8月にデンマーク・コペンハーゲンで行われる「FIFAe Nations Cup 2021」を控えた前哨戦。世界の24チームが競うNations Cupで優勝を目指すe日本代表にとって、アジア・オセアニア地区のトップチーム、eマレーシア代表との一戦は格好のチューンアップ・マッチといえる。
e日本代表のメンバーは、Jay(SCARZ)、Web Nasri(鹿島アントラーズ)、Agu(Blue United eFC)の3選手。日本サッカー協会(JFA)公認の代表チームで、リアルの代表と同じサムライ・ブルーのユニフォームに身を包んで試合に臨んだ。
3試合制で、2ゲームを取ったほうが勝利となり、フルタイムで決着がつかない場合は延長戦、さらにはPK戦まで行われる。カギとなったのは、Nations Cupと同じく、プレイヤー2名がピッチ上の11人をコントロールする「2 on 2」が採用されたこと。ほとんど経験のない2人1組のチーム戦への対応が、勝敗を分けた。
■オンライン対戦によるラグへの対応も必要に
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(C) JFA
第1試合はJayとAguが登場。キックオフ直後からeスポーツ・サッカー特有の目まぐるしい展開が繰り広げられた。「2 on 2」によって、見るからにスピードが上がった印象だった。そして、空いたスペースを狙う攻撃で再三チャンスを作っていたeマレーシアが先制。戦前から課題とされていた守備の連携が今ひとつうまく機能しなかった。
試合後のインタビューで明らかになったのは、オンライン対戦によって生じるわずかなラグ。普段はオフラインで行われる試合だが、今回は選手たちが日本~マレーシア間で離れて対戦しているために、わずかなラグが生じていたのだ。慣れない「2 on 2」に加えてラグへの対応という難しい試合になった。
その後、e日本代表もすぐに追いついて前半を1-1で終了すると、後半も点を取り合う緊迫した展開に。そのまま延長戦へともつれこんだが、全体的にチャンスが多かったeマレーシアが先に1点をゲット。さらにダメ押し点を追加して5-3で第1試合を勝利した。
第2試合、負けられないe日本代表はAguとWeb Nasriのコンビで勝利を狙う。常に先行する相手を追う苦しい展開となったが、ようやく試合終了直前に同点に追いついた。ところが、アディショナルタイムに決勝点を奪われ、3-4で連敗。さらに続く第3試合も0-3で落とし、結局、3戦全敗で親善試合を終えた。
■見えてきた課題を修正して本番へ
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(C) JFA
守備の連携と精度、攻撃と守備の切り替え、奪ったボールのロスト、チャンスでの決定力……。試合後の3選手からは反省の言葉が並んだ。しかし、強豪のeマレーシア代表を相手に接戦に持ち込んだことは収穫といっていいだろう。本番までの2カ月できっちりと課題を修正して、目標のチャンピオンシップを目指してほしい。
最後に、試合を観た感想を一言。ファンとしては、ゴールシーンのリプレーはどうしても観たい。集中力を削ぐ、など、ゲーム特有の理由でNGならば、せめて前・後半終了時のインターバルで観せてもらえないだろうか。
もうひとつはカメラアングル。場面に応じたカットの切り替えができれば、リアル・サッカーのファンにも、もっと興味を持ってもらえそうだ。8月のNations Cupは、ワールドカップに匹敵するビッグイベント。多くの人にe日本代表の活躍を楽しんでもらいたい。
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著者プロフィール
牧野森太郎●フリーライター
ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。