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DeNAと広島の一戦が20日、東京ドームで行われ、広島のロベルト・コルニエル投手が日本球界最速タイの165キロをマーク。ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が日本ハム時代の2016年に記録した数字に並んだ。
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■育成からはい上がった25歳右腕
その1球に東京ドームがざわめいた。4点ビハインドの5回から登板した広島コルニエルが、DeNA・大和に投じた3球目。東京ドームのバックスクリーンに「165」という数字が映し出された。空振り三振に斬って取った直球は、大谷が2016年に記録したNPB最速に並んだ。
大谷はクライマックスシリーズ(ソフトバンク戦)での記録であり、レギュラーシーズンでは、コルニエルが最速となった。25歳の右腕は異色の経歴を持つ。
2013年にヒューストン・アストロズと契約したもののメジャーに昇格できず、2019年にドミニカ共和国のカープアカデミーに所属。その後、練習生として広島の秋季練習に参加し、2020年9月に育成選手として契約を結ぶと、今年3月に支配下登録を勝ち取った苦労人だ。
■次に狙うは“大谷超え”166キロ
報道によると、日本最速投手となったコルニエルは「スピードは意識せず、コントロール良く投げることを大事にしている」と話したという。
確かに1メートル93センチの長身が投げ下す直球は力があり、160キロ台を連発するもののコントロールにばらつきが見られる。この試合でもソトと大和を空振り三振に取ったが、いずれも明らかなボール球。打者からずれば、思わず手が出てしまったという形だ。
今後、持ち前のスピードに加えて制球力を身に付ければ、とんでもない怪物へと進化を遂げる可能性を秘めている。「166キロを目指して頑張る」ともコメントしたというコルニエル。“大谷超え”の筆頭に躍り出た。
■プロ野球球速上位
1位(165キロ)大谷翔平(日本ハム)2016年10月16日の札幌ドーム・ソフトバンク戦コルニエル(広島)2021年6月20日の東京ドーム・DeNA戦
2位(164キロ)ビエイラ(巨人)2020年11月25日のペイペイドーム・ソフトバンク戦
3位(163キロ)スアレス(阪神)2021年6月8日の札幌ドーム・日本ハム戦エスコバー(DeNA)2021年6月13日の札幌ドーム・日本ハム戦
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文・SPREAD編集部