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かつては“甲子園の申し子”と言われた男が、ようやくプロのスタートラインに立った。
西武の岸潤一郎が1日の巨人戦、7回の第3打席に、巨人・鍵谷陽平のスライダーを捉えた打球は、左中間スタンドへ飛び込むホームランとなり、プロ18打席目にして初安打を記録。続く第4打席もライト前ヒットを放ち、2安打1打点の活躍を見せた。
◆【動画】岸潤一郎のプロ初安打初アーチ、かつての「甲子園スター」が輝きを取り戻した瞬間
■甲子園でヒーローも、大学で暗転へ
岸は高校時代、明徳義塾高校で1年の春からベンチ入りし、1年夏、2年夏、3年春、3年夏と計4度甲子園に出場。投打二刀流でチームの主軸として活躍し、投げては最速146キロの球速を武器に、2年夏の2回戦では、瀬戸内高校(広島)のエース・山岡泰輔(現オリックス)との投手戦を制し、2対1で競り勝ち。
3年夏の1回戦では、強打者・岡本和真(現巨人)を擁する智弁学園(奈良)に4失点で完投勝ちするなどエースとして引っ張り、打っては主に3番を務め、高校通算26発で甲子園でも6本塁打を放った。
3年秋には長崎国体で優勝。第10回U-18アジア選手権に出場する日本代表にも選出され、岡本とともに活躍し、アジア選手権準優勝にも貢献した。その後、プロ志望届は提出せず、拓殖大学に進学。1年春から東都大学リーグに出場していたが、2年夏に野球人生が暗転した。
入学当初から肩に異常を感じ、無意識にかばうようになってから、次第に右ヒジにも支障をきたす。右ヒジの痛みが限界に達し、トミー・ジョン手術に踏み切ったものの、リハビリに明け暮れる生活で、先の見えづらい日々を過ごしているうちに、気持ちは次第に野球から離れていき、大学を中退した。
■リハビリ、独立リーグ、そしてプロへ
地元の兵庫・西宮市に戻り、野球教室でリハビリを兼ねてアルバイトをスタート。子供たちに野球を教える中で、野球っておもしろいと、前向きになれたという。
その頃、独立リーグ・四国アイランドリーグの徳島インディゴソックスから誘われ、2017年秋のトライアウトに参加し特別合格。50メートル5秒8の快速を武器に、1年目の2018年は38盗塁で最多盗塁と外野手部門のベストナインを獲得。2019年は外野手登録ながら、主に1番・ショートで出場し、チームの年間総合優勝に貢献した。
2019年のドラフトで、支配下選手最後となる、西武の8巡目指名でプロ入り。昨年は7月5日に一軍に初昇格を果たしたものの、わずか5試合の出場。今季も主に代打での出場で、なかなかヒットを放つことができずにいたが、注目度の高い巨人戦でプロ初安打を放つあたりが、スター性を持ち合わせていると言えよう。
コロナ禍で主軸の源田壮亮が離脱、リードオフマンの若林楽人もケガに見舞われるなど、苦しいチーム状態の西武に、内外野を守れるユーティリティプレイヤーが救世主となれるか。岸の今後の活躍に期待したい。
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■西武・岸潤一郎のプロ初安打初ホームラン
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プロ初ヒットが初アーチ□
\#岸潤一郎 嬉しい一発にベンチも総立ちで祝福□⚾#プロ野球 (2021/6/1)
□巨人×西武
□#DAZN□https://t.co/c89PyQTNLp#埼玉西武ライオンズ #seibulions #NPB pic.twitter.com/yGw8rJLuVs— DAZN Japan (@DAZN_JPN) June 1, 2021