【NHKマイルC/追い切りジャッジ】グレナディアガーズは「B」評価、1週前追い芝で日曜追いパスに疑問 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【NHKマイルC/追い切りジャッジ】グレナディアガーズは「B」評価、1週前追い芝で日曜追いパスに疑問

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【NHKマイルC/追い切りジャッジ】グレナディアガーズは「B」評価、1週前追い芝で日曜追いパスに疑問
  • 【NHKマイルC/追い切りジャッジ】グレナディアガーズは「B」評価、1週前追い芝で日曜追いパスに疑問

天皇賞・春は「昨年秋の復帰戦から逆算し、春の天皇賞に向けて最高潮に仕上げたのでは」と【S】評価したワールドプレミアが勝利。友道厩舎の渾身の仕上げで、まさに“長距離王国”の面目躍如といったところでしたね。同様に渾身の仕上げと思えた僚馬ユーキャンスマイルでしたが、こちらは位置取りと直線で前が邪魔となる2つの不利が祟り……7着まで。その鬱憤を晴らす走りを今後、期待したいところです。


さて今週からは東京でのGI5連戦。その皮切りとして行われる3歳マイル王決定戦、NHKマイルCで有力視される馬の中間調整と最終追い切りのジャッジをお届けします。最後には「プラスワン!」として調整面から狙える穴馬もご紹介。


どうぞご参考になさってください。


◆「穴馬プラスワン!」古馬2勝クラスと楽々併入する総合評価「A」の伏兵は……


■グレナディアガーズ


【中間調整】2歳マイル王が迎えた今期初戦はファルコンS。単勝オッズ1.8倍と断然の1番人気に推されるも、好位追走から逃げたルークズネストを捕らえ消えずの2着と、もどかしい走りに終わってしまった。そこから放牧を挟み、4月21日の坂路14-14が帰厩後初の時計。未勝利馬相手だったとは言え、ここで目標の馬をしっかりアオれており気持ちの面でいい状態を維持できていることをアピールしている。以降、ある程度の仕上がりだった前走時の状態を持続させ、適度にガスを抜く馬なり調整。1週前追いは川田将雅騎手を背に芝コースで追われ、古馬準オープンを問題にしない豪快な伸び脚を披露した。


【最終追い切り】1週前で速い時計を出しており、今週は川田騎手との息を合わせるような内容。先行した相手を射程圏内に入れてからも我慢させ、満を持して促されるとスッと反応してそのまま併入した。しっかりと大きい完歩をキープして走り切り、気持ちの面の進境は大きそう。


【見解】いつものことだがテンションを上げ過ぎないよう馬なりメインの調整。これはいいが1週前追いをウッドではなく芝で済ませており、日曜追いもパスしているあたりはどうか。気持ちは乗っており最終追いはさすがの迫力だったが、脚元への負担や疲れが多少なりとも気になる状態かもしれない。


総合評価「B」


◆【NHKマイルC/穴馬アナライズ】グレナディアガーズかシュネルマイスターか、過去の傾向から浮上した単勝50倍以上の大穴馬


■シュネルマイスター


【中間調整】2カ月半ぶりだった前走・ディープ記念では道中2番手追走から、タイトルホルダーの逃げ切りを許したがダノンザキッドの追い上げは凌いで2着。久々と初距離を考えれば、上々の走りだったと言える。その後早い段階で皐月賞パス、NHKマイルC行きを表明し、この一戦に備えてきた。牧場から4月16日に美浦へ戻り、18日に坂路14-14を出したのが中間の初時計。この初時計では渋った馬場をものともせず馬自ら気合いを乗せて最後は切れており、牧場での過ごし方がいかに良かったかが窺い知れる。21日にはウッドコースでウインマリリン(翌週の天皇賞・春に出走)と併せられたが、手応えで圧倒。そして1週前追いとなる28日のウッドコース追いではある程度速いラップを刻んで直線に入り、外へ行く2頭をまったく問題にしない勢いで抜き去っていった。抜け出して更にグイっと追われると、もう1段ギアを上げて切れる反応の良さ。この時点でほぼ完成と言えた。


【最終追い切り】1週前が圧巻の稽古内容で、レース当週のウッドコース併せ馬はC.ルメール騎手が確認する程度。それでも終始前向きな走りを見せ、目標にした古馬2勝クラスをあっさりパスして楽々の先着を果たした。心肺機能もだが、反応や操縦性も絶好の域にあるところをアピールしている。


【見解】帰厩後最初の併せ馬でウインマリリンを相手にハイレベルな落ち着き、気迫を見せたように、牧場にいる段階からNHKマイルCを逆算し、相当入念に調整されてきたようだ。実質の最終追いでキツい負荷を掛けレースモードに気持ちを切り替え、当週は鞍上が微調整を施すという理想的な調整過程。パンパンに張った馬体からも、出来の良さがヒシヒシと伝わってくる。文句なしの状態。


総合評価「S」


◆【NHKマイルC/騎手データ】主力3頭に騎乗する川田将雅、ルメール、藤岡佑介の『違い』とは


■バスラットレオン


【中間調整】前走・ニュージーランドTを楽に逃げ切って5馬身差の快勝。自己条件から2連勝の勢いに乗り、自身2度目のGIに挑む。その後短期放牧に出され、4月22日に栗東へ帰厩。初時計だった25日の坂路追いで2F14秒2-13秒3とまずまず軽快な動きを見せ、緩みはなさそう。1週前追いにあたる4月28日の坂路追いで目一杯負荷を掛けられ、ここで自己ベストを大幅に更新する4F50秒5-1F12秒2を叩き出した。これでほぼ仕上がりは完了。


【最終追い切り】今週は折り合いに専念し、終いだけ軽く伸ばす内容だった。序盤でがっちりと抑え込まれたが、力まず進めていたのは好感。ギリギリまで待ち、直線半ばで手綱を緩められるとスッとギアアップできていた。大きなフットワークにも目を見張るものがあり、全体時計はそこまでではないが、充実の内容。


【見解】中山遠征から中3週でまだ関東遠征となり、決して楽な臨戦過程ではないが1週前で負荷を目一杯かけられ自己ベスト更新。体力、気力ともに充実していないとこなせない調整で、体調はここしばらくずっと高値安定だ。この中間は併せ馬をこなしていないが、最終追いでは単走でもピリッとした雰囲気にあり問題ないだろう。好仕上がりだった前走から更に上昇か。


総合評価「A」


■プラスワン! ソングライン


【中間調整】3カ月の休養明けで臨んだ前走・桜花賞は15着。ただし引っ掛かって進出してきたメイケイエールに3角手前で張られ、気持ちが切れての大敗だったと言える。その後、放牧先のノーザンファーム天栄で様子を見られたが回復が早かったようで、走りやすい左回りのNHKマイルCでの巻き返しを期して美浦に戻ってきている。4月30日の金曜日に帰厩後の初時計。渋って走りにくさのあったウッドコースをものともせず、目標とした古馬2勝クラスと楽々併入。この時点で動きの切れは桜花賞出走時と遜色ないか、それ以上の雰囲気を感じさせた。


【最終追い切り】桜花賞時と同様、池添謙一騎手を背に美浦ウッドで併せ馬。3馬身追い掛けてスタートしたが折り合いを欠くこともなく、終始リズムのいい走り。直線でのゴーサインにしっかりと反応し、バネ感たっぷりの動きを見せた。抜け出してからグイッと追われたが、ズブくて追わせたのではなく桜花賞時、最後の直線でバランスが悪くなっていた点が改善されているかどうか鞍上が確かめたような雰囲気。鋭く切れて、牡馬相手でも互角以上にやれそうなところをアピールした。


【見解】心身のダメージが大きく残りそうな前走の負け方だったが、短期だったとは言え放牧先でのリフレッシュ効果はかなりあったようだ。もちろん、もともと強靭なタイプで早く回復できたのも大きい。最終追いでは抜け出しからもフワッとさせず、バランスに問題ないことの確認、そしてどこまで切れるのかを馬に思い起こさせるような、充実の調整内容だった。馬もそれにしっかり応えており、状態は申し分なしだ。反撃必至。


総合評価「A」


◆【NHKマイルC/データ攻略】バスラットレオンに黄信号 2歳王者グレナディアガーズは「馬券内率100%データ」が追い風に


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◆【NHKマイルC/枠順】グレナディアガーズ、シュネルマイスター、バスラットレオンの枠は馬券圏内率10%以下


著者プロフィール


西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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