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男子テニス・バルセロナオープンのシングルス3回戦が22日(日本時間23日)、スペイン・バルセロナで行われた。世界ランク39位の錦織圭が、同3位のラファエル・ナダル(スペイン)と対戦し、0-6、6-2、2-6のフルセットで敗れた。錦織の次戦は、26日から始まるエストリルオープン(ポルトガル)となっている。
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■全盛期を彷彿とさせた第2セット
今大会11度の優勝、全仏13度の優勝を誇るナダルの前に、錦織は第1セットから大苦戦。第2ゲームでは40-15からミスが続き、いきなりブレークを許してしまう。直後の第3ゲームは、15-40とブレークバックのチャンスを迎えながら、あと1本が奪えなかった。第4ゲームは、ストローク戦で優位に立ちながらも勝負所で飛んでくるナダルの技ありショットに屈し、またもブレークされてしまった。
0-4になり、ラケットを放り投げてしまった錦織。イライラが募る中、第1セットは結局、サービスゲームをキープすることさえできず、0-6で落とした。
このまま、ずるずるいくかと思われたが、第2セットの第2ゲームで初のキープに成功すると流れが変わった。「アグレッシブにいきたい」とナダル戦を前に語っていたとおり、積極的な仕掛け、速めに攻め切るプレーが奏功。全盛期を思わせるプレーでペースを握った錦織は、第3、第7ゲームでブレークに成功し、第2セットを6-2で奪い返した。
■3本連続のブレークポイント生かせず
錦織の勢いは最終第3セットに入っても続く。ナダルのサーブの第1ゲーム、いきなり0-40というビッグチャンスが訪れた。
しかし、この3本連続のブレークポイントを生かせず、キープされてしまうと次第に失速。第4ゲームで先に自分のサービスゲームを落とすと、もう巻き返す力は残っていなかった。第8ゲームもブレークを許し、2-6で決着した。
クレーコートでの勝率が9割を超える王者と熱戦を演じた錦織。本人は試合後の会見で、「まだ納得できない」という趣旨のコメントを発していたそうだが、フォアの強烈なショットなどを見れば、ケガからの復帰段階というイメージはもうない。
■ナダルは錦織の復活に太鼓判「ケイのランキング上がる」
錦織の完全復活へ太鼓判を押したのが、ほかならぬ対戦相手のナダルだ。
「ケイは第1セットの後、素晴らしいレベルのテニスをした。タフな試合で、どちらに転んでもおかしくなかった。今日の後半2セットのようなプレーすれば、ケイのランキングがはるかに高くなることは、誰の目にも明らかでしょう」
錦織は今季、世界ランキングトップ10の選手と4度対戦して全敗しているが、試合ごとに内容は良くなっている。スペインの地で見せたプレーは、全仏オープン(5月30日開幕)に向けて、期待を抱かせる内容だったことは間違いない。
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文・SPREAD編集部