【スーパーフォーミュラ】2021年も激戦必至! 今週末、いよいよ開幕 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【スーパーフォーミュラ】2021年も激戦必至! 今週末、いよいよ開幕

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【スーパーフォーミュラ】2021年も激戦必至! 今週末、いよいよ開幕
  • 【スーパーフォーミュラ】2021年も激戦必至! 今週末、いよいよ開幕

“Withコロナ2年目の春”は、プロ野球をはじめとする多くのプロスポーツがほぼ予定通りシーズン開幕。モータースポーツのトップカテゴリーではまず今週末の3日、スーパーフォーミュラ富士スピードウェイで開幕する。

■世界的に注目が集まるスーパーフォーミュラ

F2000F2F3000フォーミュラ・ニッポン、そしてスーパーフォーミュラへと系譜を繋いできた国内トップフォーミュラは近年、ストフェル・ヴァンドーンピエール・ガスリーがF1へとステップアップしたこともあり、世界的に注目が集まっている。

F1昇格へのライセンスポイント的にはFIA-F2よりも不利であるスーパーフォーミュラ参戦をヨーロッパの若手ドライバーたちが望む理由のひとつが「戦いのレベルが高い」こと。シャーシ、タイヤはワンメイクながらホンダトヨタの国内両巨頭が開発競争するエンジンを積んだSF19はF1に最も近い速さともいわれており、そのマシンで国内トップドライバーたちとホームで戦って得られるものは非常に大きいというのだ。

その魅力はもちろん、観る側にも伝わっている。実力が拮抗しているがゆえ予選で1秒差内に10台以上がひしめくのは毎度のこと、決勝ではこのカテゴリーだけにある“オーバーテイクシステム”により、スタートからチェッカーまで各ポジションでバトルが繰り広げられる……コロナ禍で例年の4月開催が叶わなかった昨季も8月末から無事全7戦が行われ、6人の勝者が出るという接戦でファンを熱狂させた。

■2021年に参戦する外国人ドライバーは……

昨季は20台のエントリーに対し、トータル28人のドライバーがスーパーフォーミュラに参戦した。理由は、予定していた外国人ドライバーの来日が難しかったことと他のカテゴリーも開幕が遅れスケジュールが重なったことで代役を立てなければならないケースが多かったからだ。

2021年も同じく現時点で来日が難しい状況にあり、ドイツのモトパークとのコラボにより毎シーズン話題の外国人ドライバーを擁していたB-MAXは開幕戦参戦に目途がつかない状況。他の18台についてはラインナップが固まった模様で外国人ドライバーは2019全日本F3王者サッシャ・フェネストラズコンドーレーシング)と昨季から参戦する女性ドライバー、タチアナ・カルデロンスリーボンド・ドラゴコルセ)の2人がエントリーされているが、フォーミュラEのリザーブドライバーも兼任するフェネストラズについては、やはり開幕戦参戦が難しいと見られる。3月に2度行われた合同テストではいずれも中山雄一が代役をつとめている。

■2021シーズンに注目するチームとドライバー

そんな中で開幕する2021シーズン、興味深いレギュレーションの違いが、昨季までレース中のオーバーテイクシステム稼働可能時間が100秒だったのが、今季は全戦で200秒へと変更になったことだ。これにより何が変わるのかといえば、おそらくオーバーテイクシーンの数。モータースポーツ最大の醍醐味が倍増する可能性があるというのだから、これは見逃せない。

ここ数年、筆者がこの時期最も注目していたのが鳴り物入りの外国人ドライバーの活躍ぶりだったが、そんな状況につき今季は視点を変えることにした。注目するのはズバリ、チームインパル平川亮だ。

チームインパルは国内レース界のレジェンドであり現役時代「日本一速い男」の異名で知られていた星野一義監督が率いる強豪チーム。フォーミュラ・ニッポン時代はチームタイトル6連覇を果たすなど最強を誇っていたが、スーパーフォーミュラになってからはまだ一度もタイトルを獲得していない。それでも現役時代から変わらないアグレッシブなチームの戦いぶりが、ファンを魅了し続けてきた。

そんなチームカラーに2018シーズンから継続する関口雄飛平川亮のドライバーコンビは非常にマッチしており、振り返ると数々の印象的なレースが思い浮かぶ。その平川は昨季、開幕戦でいきなりポール・トゥ・ウィンを決めチャンピオンシップをリードしていったものの、最終戦で山本尚貴(ドコモ・ダンディライアン)との一騎打ちに敗れランキング2位に終わるという悔しい思いをした。加えて平川はスーパーGTの方でも、最終戦のチェッカー寸前で逆転されランキング2位。その相手も山本だった。

そんな、レース人生で滅多にない経験をしたドライバーが翌シーズンどういう戦いを見せるのか、筆者だけでなく多くのファンが注目していることだろう。平川はオフシーズンの2回のテストを総合1位、総合3位と順調に過ごしてきた。昨季のようにスタートダッシュに成功し、今度こそ最後までトップを守る姿が見たい。

文・前田利幸(まえだとしゆき)●モータースポーツ・ライター

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