【競馬】「フェブラリーS」根岸S組、差し・追込という穴党セオリーの“逆”を突く | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【競馬】「フェブラリーS」根岸S組、差し・追込という穴党セオリーの“逆”を突く

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【競馬】「フェブラリーS」根岸S組、差し・追込という穴党セオリーの“逆”を突く
  • 【競馬】「フェブラリーS」根岸S組、差し・追込という穴党セオリーの“逆”を突く

前年の覇者・モズアスコット、GI5勝のゴールドドリームは引退し、最優秀ダートホース・チュウワウィザードはサウジCへ。東京大賞典3連覇のオメガパフュームは回避し、クリソベリルは脚元の不安で療養中と、主役不在で迎える第38回フェブラリーS


人気の一角を担うレッドルゼルオーヴェルニュは前走が重賞初制覇で、GIは初参戦。カフェファラオはジャパンダートダービー7着、チャンピオンズC6着とGIで結果を出せておらず、サンライズノヴァはフェブラリーSに過去3年出走して4着、7着、3着。


2年前の覇者・インティは前走・東海Sで12着に大敗し、今年のメンバーで前走掲示板に載った馬はわずか6頭と、大混戦の様相を見せている。本命馬の選定から難解を極める一戦だが、まずはテーマを絞りたい。前か後ろか、そしてどの臨戦過程の馬を狙うべきか。


過去10年、脚質は逃げ【2-0-0-8】、先行【3-2-0-31】、差し【3-5-7-45】、追込【2-3-3-44】と、やや差し・追込優勢だが、ほぼフラットと言っていい。ローテは根岸S【4-2-2-48】、東海S【3-1-1-13】と、この2レースの成績がよく、続くのがチャンピオンズC【1-2-1-5】となっている。


◆【過去10年データ】フェブラリーSのローテ・脚質・世代別・枠順別


■前半34秒台か、あるいは35秒以上か


まず脚質について考察する。フェブラリーSは極端な傾向にあり、昨年は芝・ダート兼用のモズアスコットをはじめ決め手で勝る馬が上位を占めたが、2019年はインティが逃げ切りV。2018年はノンコノユメの大外一気の差し切りと、年代により展開はガラリと変わる。


その指標は明確で、前半3F34秒台に突入すると差し・追込が台頭し、35秒以上になると逃げ・先行の出番となる。昨年は前半3F34秒6で差し・追込が上位を独占し、先行勢は総崩れ。2019年は前半3F35秒8で逃げたインティ、中団より前でレースを運んだゴールドドリームユラノトモーニンが掲示板に載った。


では、今年は前半34秒台か、あるいは35秒以上か。


前走で逃げた馬はインティエアアルマスの2頭のみ。チャンピオンズCで主導権争いを演じた2頭だが、今回はエアアルマス陣営が控える競馬を示唆しており、一方のインティは近走、序盤の行き脚が鈍く、そもそも前半3F34秒台のラップで逃げたことはない。


加えてインティエアアルマスが、スタートから早めにダートコースに入る1枠に入ったことで、ますます加速は付きにくい。つまり、今年のフェブラリーSはスローペースと読むべきで、狙いを“”としたい。


■「根岸S組」「差し・追込」がセオリーだが


続いてローテ。根岸S組が好成績を収めているのは、差し・追込が決まった年。前半3F34秒台で差し・追込決着となった昨年は、1着モズアスコットが根岸S1着、4着ワンダーリーデルが根岸S8着からの臨戦過程だった。


一方、前半35秒8で前残りとなった2019年は、1着インティが東海S1着から連勝。根岸S組は、3着ユラノト(同2着)、4着モーニン(同4着)、5着コパノキッキング(同1着)と、掲示板を賑わすも遅れを取った。


そもそも、本番より1ハロン短い根岸S組が活躍する理由は、ダ1400mでスピード競馬になる根岸Sと、芝スタートでハイペースになりがちなフェブラリーSと、レースの性質が近い点にある。


昨年は根岸Sが前半3F35秒0、フェブラリーSは前半3F34秒6で、ともに差し・追込決着の流れで、差し馬のモズアスコットが連勝を飾った。2019年は根岸Sが前半3F35秒0、フェブラリーSは前半35秒8となり、根岸S1着のコパノキッキングは本番で差し届かず5着、根岸Sを先行して決め手で屈して2着だったユラノトが本番では3着と、根岸S組で逆転現象が発生した。


そのユラノトは6勝のうち5勝がダ1600m以上。根岸Sはダ1400m以下のスピード競馬に適性を持つコパノキッキングに劣ったものだった。


つまり、今年のフェブラリーSにおいて穴馬探しに目を向けるべきは根岸S組ではなく、ダ1600m以上に適性のある馬。過去のローテ傾向やラップ分析から「根岸S組」「差し・追込」を推奨するのがセオリーだが、あえてその“”を狙ってみたい。


■レッドルゼルよりオーヴェルニュを上に取る


今年の人気上位で言えば、根岸S1着のレッドルゼルより、東海S1着のオーヴェルニュを上に取る。思いのほか人気になっているが、根岸Sで先行してキレ負けしたアルクトスの巻き返しにも警戒したい。


そして、穴馬として取り上げたいのは次の2頭だ。


まず、ダ1700mの門司S1着から参戦するソリストサンダー。ダ1400m以下では鳴かず飛ばずの成績だったのが、昨夏からダ1700mに照準を絞って安定した走りを見せている。2走前には武蔵野Sでサンライズノヴァの2着。早めに動いて押し切った前走のように自在性があり、ペース次第で柔軟に対応できる。


続いて、2年前の覇者・インティ。昨年はハイペースに巻き込まれてリズムを欠き14着に大敗したが、トップホースが揃ったチャンピオンズCで3着と、能力上位なのは間違いない。あとは自分との戦い。前走・12着大敗の東海Sは、前半に内から競られて馬が嫌気を差したか。逃げ馬不在のここならリズムよく運べる。


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著者プロフィール


山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、盲点となる穴馬の発掘を追求し続けている。


twitterアカウントはこちら⇒『SPREAD』編集長・山田

《SPREAD》
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