東北楽天ゴールデンイーグルスは28日、田中将大投手との間で入団基本合意したことを発表した。入団会見は本日30日、16時30分から行われ、楽天イーグルス公式スマホアプリ「At Eagles」、「Rakuten TV」、YouTube「マー君チャンネル 田中将大」でライブ配信される予定となっている。
◆田中将大、楽天復帰で炎上した米『ニューヨーク・タイムズ』紙
田中は2014年にニューヨーク・ヤンキースと7年契約を結び、MLB通算174試合78勝46敗、防御率3.74。名門ヤンキースの主戦投手として結果を残し、プレーオフでの安定感などは現地でも高く評価されてきた。
現地メディアやファンからもSNSなどで惜別の言葉を送られている田中だが、MLB公式サイトは28日(日本時間29日)、「お別れ 田中がヤンキースで残した最高の瞬間」と題した記事を掲載。7年間に渡るヤンキースでの活躍から、印象に残った5登板を振り返っている。
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■デビュー戦で敵将も賛辞「彼は本物」
まず紹介されているのは、2014年4月4日のトロント・ブルージェイズ戦。この日がMLBデビュー戦であった田中だが、7回3失点で見事勝利投手となっている。
記事では、田中が初登板に対してナーバスと感じており、初回には先頭打者ホームランを許しながらも7回をしっかりまとめたことを回想。敵将のジョン・ギボンズ監督(当時)が残した、「彼は間違いなく本物だ」というコメントを振り返っている。
続いて紹介されているのが、2017年4月27日、ボストン・レッドソックス戦での無四球完封勝利だ。
この日は相手エース、クリス・セールとのマッチアップであった。宿敵レッドソックスとの対戦ということで、否が応でも注目される一戦であったが、田中は相手打線に二塁を一度しか踏ませず、わずか97球で完封。田中の持ち味である大一番での強さがいかんなく発揮されたこの一戦は、MLB公式サイトとしても記憶に新しいようだ。
■際立つ2017年ポストシーズンでの快投
3番目、4番目には2017年のポストシーズンでの登板がそれぞれ選出されている。
このシーズンの田中はポストシーズンで獅子奮迅の大活躍。3登板で2勝1敗、防御率は0.90。20回で奪三振18、与四球3というまさに圧巻の数字を残した。
10月8日は7回無失点(地区シリーズ、クリーブランド・インディアンス戦)、10月18日も再び7回無失点(リーグ優勝決定シリーズ、ヒューストン・アストロズ戦)と結果を残したが、チームはワールドシリーズ進出にあと一歩及ばなかった。
最後にMLB公式サイトが選出した登板は、2019年6月17日のタンパベイ・レイズ戦だ。
記事内で「精密」と副題が付けられているこの登板での田中は、9回を投げきり被安打2、与四球1、奪三振10というほぼ完璧な結果を残している。
寸評では「田中はヤンキース在籍時に14度の2桁奪三振を記録し、キャリアハイは2017年9月29日(ブルージェイズ戦)の15奪三振だが、彼の最高の登板はこのレイズ戦での快投かもしれない。111球中、76球がストライクであった」と際立った制球力を高く評価している。
投手としての総合力を磨き上げMLBで結果を残してきた田中が、古巣である楽天でどんな投球を披露するのか。MLB公式サイトが選出した過去のパフォーマンスを振り返る限り、NPBでの期待値も増すばかりだ。
文・SPREAD編集部