「Yogibo presents RIZIN.26」が12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催され、第14試合・スペシャルワンマッチ(RIZIN キックボクシングルール:3分3R(57.0kg))「那須川天心 vs クマンドーイ・ペットジャルーンウィット」は、判定3-0で那須川天心が勝利した。
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那須川は「今まで対戦した中でも一番蹴りの硬い選手」というクマンドーイからKOこそ奪えなかったが、終始攻め続けて判定勝ち。RIZINの顔役として観客を盛り上げたが、リングサイドではK-1WORLD GP 3階級制覇王者・武尊も観戦。かねてより熱望されている「那須川天心 vs 武尊」に向けて、少しづつ状況が進展していることを感じさせた。
■「格闘技界を一つにするための試合にしなければいけない」
報道陣の取材に応じた武尊は「みんなが熱望してくれていて、その試合がなかなか実現できないことに、僕自身も悔しい気持ちが凄くあった」と語り、「僕の意思表示と、来年実現させるという決意」のためのRIZIN観戦であったことを明かした。
団体の枠を超えた一戦となることは「試合をやるには、中立なリングで格闘技界を一つにするための試合にしなければいけないと思っている」という自身の考えも交えながら、実現に向けての見通しがつきつつあることを感じさせた。
間近で戦いぶりを観戦した那須川についても「今までみたことない選手、本当に強い選手。天心選手がいてくれたからこそ今も現役を続けていると思うので、感謝してます」と、直接対決に向けての思いを強くしていた。
■那須川にとって武尊は「ナルトとサスケ、悟空とベジータ」
一方の那須川も、武尊の来場について「来てくれて嬉しいな」とし、「(対決に向けて)長い期間でしたけど、一歩前進できたかなと。これは格闘技界全体が感じていると思う」とこの大晦日が一つの転機になるのではという手応えを口にした。また、武尊の存在について質問されると、「アニメで例えると、ナルトとサスケ。悟空とベジータ」とらしい回答でそのライバル関係を説明するシーンも。
ドリームマッチへの機運は高まっているが、両選手ともに次戦は既に決定している。武尊は1月24日にレオナ・ペタス戦、那須川は2月28日に志朗戦が予定されており、直接対決はそれぞれが次戦に勝利してからになることを両選手共に強調した。
RIZINの榊原信行CEOも、3月14日に東京ドームでの開催が発表された「RIZIN.27」での実施ではないことを強調しつつ、この日の武尊の来場がK1側も周知のアクションであることや、RIZINとK1の足並みが揃いつつある現状などを明かし、「東京オリンピック前に実現」という可能性も示唆した。
武尊の来場という思いがけない展開から、一気に現実味を帯びてきた直接対決。長年、本人達だけではなく格闘技ファンが切望してきた夢のカードなだけに、今後両選手の動向がますます注目される。
文・SPREAD編集部