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28日から静岡県の葛城ゴルフ倶楽部・山名コースでヤマハレディースオープン葛城が開催される。
昨年大会は穴井詩がささきしょうことのプレーオフの末、優勝した。今大会では、昨年大会、プレーオフまで惜しくも1打足りなかった、2年連続年間女王の山下美夢有に注目したい。
山下は、先週のアクサレディス(3日間)で、2日目終了時点で首位と1打差の単独2位に躍り出た。本人も今季初優勝へ向けて手ごたえを感じていたはずだが、最終日のラウンドは悪天候で中止。2日目終了時点の順位のまま大会を終えることとなり、優勝は臼井麗華に譲る形となった。
ヤマハレディースは、昨年大会だけでなく、2021年大会でも優勝を争い2位に入った好相性の大会。早速、先週のうっぷんを晴らすチャンスがやってきた。
◆【ヤマハレディースオープン葛城】前年覇者穴井詩は山下美夢有、小祝さくらと予選同組 森田理香子も出場
■開幕から徐々に上がる順位
山下は、開幕から徐々に順位を上げる傾向にある。昨季は開幕戦のダイキンオーキッドレディスからアクサレディスまでの4戦が、24位タイ、18位タイ、12位タイ、8位タイ。5戦目のヤマハレディースが3位。6戦目の富士フィルム・スタジオアリスで優勝している。
今季は、開幕戦からの4戦が、19位タイ、15位タイ、14位タイ、2位となっており、昨季と同じように、開幕から順位を徐々に上げてきている。
2位より上は優勝しかない。現在の調子や好相性の大会であることをふまえると、優勝するまで順位を上げ続けた昨季の流れは、今季も繰り返される可能性は大いにある。
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山下美夢有、シーズン開幕からの順位
■第4ラウンドが課題か
日本女プロゴルフツアー初の2年連続平均ストローク60台を達成した山下の昨季のスタッツを見ると、238.26ヤードで53位のドライビングディスタンス以外、ほぼ非の打ちどころがない。
平均ストローク、パーセーブ率、平均バーディ数、フェアウェイキープ率、パーオンホールの平均パット数が1位、1ラウンドあたりの平均パット数が7位、パーオン率、トータルドライビングが5位、リカバリー率、ボールストライキングが2位、となっており、ほとんどの部門で最高水準を誇っている。
問題があるとすれば、第4ラウンドのプレーの安定感だろうか。
昨季の第1から第4ラウンド、それぞれの平均ストロークは、第1から第3ラウンドまでは各ラウンド60台で1位だったが、第4ラウンドは70を超え、10位だった。ちなみに、今季も現時点で第4ラウンドの成績が最も悪い。
4日間大会での、第4ラウンドの安定感が高まってくると、日本でさらに強さを発揮するだけでなく、4日間大会となる海外メジャーでも好成績が期待できるだろう。
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山下美夢有、各ラウンド平均ストローク
■上がり続けるフェアウェイキープ率
優れたデータばかりが並ぶが、山下の特筆するべきポイントとして、精度が上がり続けているドライバーショットが挙げられる。フェアウェイキープ率は、2020-21シーズンが76.2613%で9位、2022シーズンが77.1825%で5位、昨季が79.0841%で1位、となっている。
今季もその上昇傾向は続いており、現時点で82.2857%で2位。アクサレディスでは28ホール中25ホールでフェアウェイをキープ。確率にすると89.3%だ。
今季開幕までのシーズンオフの間に取り組んだ体幹強化により、元々定評があるスイングバランスに磨きがかかっていることがうかがえる。
このフェアウェイキープ率があれば、今季もバーディを量産していきそうだ。
「メジャー挑戦と合わせて、五輪に出場して金メダル獲得が目標」と語る山下。パリ五輪の女子代表決定は6月24日の世界ランキングをもとにしたオリンピックランキングにより決まる。
通算11勝をあげているが、そのうち7勝が6月までの大会。シーズン序盤に強い山下のエンジンはこれから全開になりそうだ。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。