ノルウェーで行われているスピードスケートの世界選手権で、日本は女子の高木美帆選手、男子の新濱立也選手がスプリント部門で総合優勝を果たした。
女子では小平奈緒選手も2位に入っている。
小平奈緒との日本人対決を制した高木美帆が初優勝
スプリントは500メートルと1000メートルを2回ずつ滑り、その総合成績で優勝を争う。平昌五輪女子1000メートル銅メダリストの高木選手は、初日の500メートルで37秒51のタイムで1位となり、得意の1000メートルでも1分13秒75のリンクレコードで首位に立った。
スプリント選手権連覇を狙う小平選手が、500メートル2位、1000メートル7位の総合2位で追った。
2日目は最終組でともに滑った高木選手と小平選手。高木選手が500メートルで37秒52を出せば、小平選手が37秒46でそれを上回る。1000メートルでは後半の強さを発揮した高木選手が小平選手を突き放し、2日連続の1位で総合1位も決めた。
「今回は500メートルに照準を合わせてきました」と高木選手。本来の得意種目よりも短い距離に「私は他の選手よりも500メートルでの経験がありません。とにかくリラックスしよう、落ち着こうと自分に言い聞かせました」と集中して臨んだ。
「stay calm、stay calm(落ち着いて、落ち着いて)と思いながら滑れたのはこれまでの500mと違うところかなと思います」
課題の1000メートルを克服した新濱立也「正直に言って信じられない」
男子の新濱選手は初日に得意の500メートルで34秒58の2位につけ、1000メートルでは自己ベストとリンクレコードを更新する1分8秒28で1位となり総合首位に立った。
1987年の黒岩彰さん以来となる、日本男子33年ぶりのスプリント世界王者に向け、2日目の競技では500メートルで34秒39の1位、1000メートルでも1分8秒71で3位に入り、合計137.465ポイントで初の総合優勝を果たした。
「総合優勝はまだ受けいられてない。驚きでしかない」と困惑気味の新濱選手。500メートルで勝負するつもりで来た大会での総合好成績に「正直に言って信じられない」と漏らした。
昨年12月の全日本スプリントでは初日の500メートルで1位を取るも、課題の1000メートルで24位と出遅れ総合13位発進。2日目も遅れを取り戻せず総合7位に終わっていた。
これまで新濱選手は「スタートから最初の600メートルは世界と戦えるが、後半の400メートルが世界とは1秒違う」と1000メートルの課題を口にしてきた。しかし、ヨハン・デ・ウィットコーチは新濱選手なら1000メートルでも戦えると信じていた。
「彼は1000メートルも十分に滑ることができます。少し練習熱心すぎるところがあり、12月の全日本では力を発揮することができませんでした。その後は徐々に回復していたので、この優勝にもまったく驚きません」