『ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)』は南アフリカの優勝で幕を閉じた。
序盤から何度もスクラムやモールでイングランドを押し込み、セットピースで反則を誘うとハンドレ・ポラード選手がペナルティゴール(PG)を確実に成功させる。
ニュージーランドを圧倒したイングランドのスクラムをさらに征圧して見せた南アフリカのパワーに、ラグビーファンからは驚きの声が漏れた。それに伴い準々決勝で南アフリカと伍した日本のスクラムを再評価する声が聞かれた。
日本の底力に再度脚光が当たる
まず前提として、南アフリカのような優勝を目指すチームは決勝戦に調子のピークが来るよう調整するため、決勝戦と準々決勝は単純に比較できないことに留意する必要はあるだろう。
それでも南アフリカのスクラムに耐えた日本の底力には目を見張るものがある。ファンも改めて日本のスクラム力を評価した。
- この南アからスクラムでペナルティ取った日本凄すぎるな
- 日本はこの南ア相手にスクラムようやっとったわ
- 日本のスクラムが弱かったわけではない、南アが強すぎる
W杯で証明した慎さんスクラムの強さ
今大会の日本代表は長谷川慎スクラムコーチのもとでスクラムを鍛えてきた。長谷川コーチの教えは細かく、緻密な理論に支えられた日本のスクラムはアイルランドやサモアを撃破する原動力にもなった。
長谷川コーチは引退後に指導者留学したフランスでスクラムの技術を学んだ。帰国してから日本流にアレンジして「体は大きいが雑な海外勢に、細かな技術を徹底追及することで勝つ」と磨いてきた。
感覚ではなく理論で教え込むのも長谷川流。今大会の教え子たちには「引退したらみんなコーチになれる」ほど理詰めで教えてきた。その理論は次世代にも受け継がれていくだろう。