9月15日に開催されたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で、2020東京五輪のマラソン日本代表の座を勝ち取った日本郵政グループの鈴木亜由子選手(27)がレース翌日朝に爽やかな表情で記者会見に臨んだ。
「練習通り」の結果になった
「一夜明けて改めて思ったのは、練習通りの結果になったということです。練習したから2位になれたし、今回の練習でつけた自分の力は2位だったということです」
もともとはトラックの実力選手。2016年のリオ五輪、2017年にロンドンで開催された世界選手権にも出場し、日本の陸上トラック界をけん引してきた。
2018年の北海道マラソンで初めて42.195kmに挑戦。8月開催の大会だったが、暑さに強いところを見せつけて初出場で初優勝した。ちなみに前年の覇者は前田選手だった。
トラック時代はケガに悩まされることも多かったが、それが少なくなった。痛みを感じる前にケアをするように心掛けているからだ。
2位の悔しさと、五輪代表を射止めた安堵感が入り交じる。MGCのコースは前半でスピードが上がりやすく、その走りが後半に関係してくるとコース分析する。
マラソン経験が少ない鈴木選手にとっては、給水もかなり重要なポイントであることが分かった。集団の後方で他選手よりも遅れてドリンクを取っているうちに、前の選手はすでにボトルを捨ててペースを取り戻して走っている。
「給水では常に一歩前に出てドリンクを取ったほうがいいですね」
冬場の経験も意味に
今回はそれほど暑さは感じなかったという。これまで走ったマラソンは北海道とMGCだけで、すべて夏場のマラソンとなるが、次のマラソンが東京五輪となれば夏マラソンの3連戦となる。
「冬はまったく別のレースだと想像しているので、冬場に経験しておくことも意味があると思います」
国立の名古屋大出身という異色の存在。まずはしっかりと休み、世界と戦える実力を備えていきたいと語った。
≪山口和幸≫