2019年1月24日、横浜DeNAベイスターズ・横浜DeNAランニングクラブ2019年度新入団選手によるDeNA本社訪問が行われた。
毎年恒例となったこの行事、今年はどんな様子だったのだろうか? 個性溢れるルーキーたちの研修の様子をレポートします。
初めての名刺交換
今年も東京・渋谷にあるDeNA本社にて「新入団選手本社訪問」が行われた。社内研修の一環ではあるが、報道陣も多く入っている。会場に現れたルーキー達の表情は明らかに緊張しているようだった。
入場して早速、南場智子(なんば・ともこ)会長との名刺交換へ。ドラフト指名順に行われた。
181cm、83kgの大きな体を縮こませ、おそるおそる名刺を交換する。
まだまだスーツも不慣れな様子で所作もどことなくぎこちない選手が多い。
そんな中、社会人経験者の落ち着きを感じられたのがドラフト3位指名の大貫晋一(おおぬき・しんいち)投手。ルーキーの中では最年長の24歳(取材当時)今回の参加者の中では唯一スリーピースのスーツを着こなしていた。
名刺交換の際の大貫投手の堂々とした立ち居振る舞いに、会場がややざわつく一面も。
DeNAってどんな会社? 創業者自ら解説
名刺交換が終わると、次は講義へ。横浜DeNAベイスターズ・横浜DeNAランニングクラブの親会社である株式会社ディー・エヌ・エーの事業内容や、企業による社会貢献についてなどを南場会長が説明した。
今回参加したのは横浜DeNAベイスターズから7名と、横浜DeNAランニングクラブから1名。いずれも2019年度入団のルーキー選手たちだが、高卒・大卒・社会人経験者がおり、年齢層は幅広い。
育成ドラフト1位の宮城滝太(みやぎ・だいた)投手は、2000年生まれの高校三年生。まだまだあどけなさの残る顔立ちだが、真剣に講義に聞き入っていた。
プロになるということ 努力と工夫で差をつけろ!
講義の後半、南場会長はプロフェッショナルキャリアについて語り始めた。
「プロということーー給料をもらって仕事をするということは非常に責任が重いです。今まで、ずるしたり、逃げたりしたことはあると思いますが、社会人になるまでは周りは寛大です。でも、プロになったら、全て記録に残る。決して消されない記録です。プロになるということは、ステージに乗ったということ。ファンの人から、世の中の人から常に見られています。そのステージでの一挙手一投足が全部記録に残ります。だから自分の人生を輝くものにするためにも、プロとしての“自覚”を持って欲しいなと思います」
「目標を立てて達成することの繰り返し、その積み重ねがプロフェッショナルキャリア。けれど、時には思うようにいかないこともあります。でも私は、人生の一番の醍醐味、楽しい瞬間というのは“紆余曲折してる時”だと思います。この時こそ、努力と工夫ですよ。必ず努力をするものが人生を楽しめるし、工夫ができる人が、より高い目標に辿り着けると思います。これからも目標を片時も見失わず、工夫を忘れずに進んで欲しい。工夫の千本ノックをしてください」
南場会長の突然のお願い ドラ1ルーキーが一肌脱いだ!
講義終了後は質疑応答タイム。最初に誰が手を挙げるのか? というところで積極的に質問をしたのは伊藤裕季也(いとう・ゆきや)選手。
さらにそれに乗っかるような形で続いたのは上茶谷大河(かみちゃたに・たいが)投手。
大人しい印象だったが、伊藤選手と上茶谷投手の掛け合いを見ると、ただ緊張していただけだったようだ。
と、ここで南場会長が突然「ロペちゃんのモノマネやって!」と上茶谷投手に無茶振り。
ベイスターズのSNSで投稿されていたホセ・ロペス選手のモノマネを生で見たかったそう。突然のお願いだったが、上茶谷投手はノリノリで立ち上がって上着を脱いだ。
本日、横浜DeNAベイスターズの新入団選手たちがDeNAの本社を訪問しました!
南場オーナーのムチャ振りに応え、ドラフト1位の上茶谷選手がロペス選手のモノマネを披露する場面も…pic.twitter.com/teGsf2gf4s
— SPREAD (@editor_spread) 2019年1月24日
最後に名刺を見せていただきました
ところで冒頭で交換していた名刺は、どのようなものだったのだろうか? 講義終了後、特別に名刺を見せてもらった。
球団公式ツイッターによると、2019年度の名刺はDeNA20周年の特別仕様のものだということだった。
本日の本社研修内の名刺交換で使用した特注の名刺はこちら!創業20周年記念のロゴをあしらったデザインとなっています!https://t.co/w0dPdr8kM6#baystars #DeNA #De20 #ディートゥエンティと読みます pic.twitter.com/wt65y9M4z3
— DeNA Sports (@dena_sports) 2019年1月24日
講義中の「プロフェッショナルキャリアについて」の話だが、実は2018年選手の本社訪問の際に南場会長が語っていた内容と同様のものだった。
筆者も取材のためその場にいたのだが、当時この話を真剣に聞き入っていた東克樹(あずま・かつき)投手はセ・リーグ新人王に輝き、神里和毅(かみざと・かずき)選手は熾烈なポジション争いの中スタメンを勝ち取った。
2019年はこの中から一体誰が、どんな活躍を見せてくれるのだろうか。開幕が待ち遠しい限りだ。(写真・文 戸嶋ルミ)