■「あなたファースト」のサービスを
新サービス発表会に登壇したのは、ソフトバンク 代表取締役副社長 兼 COOの榛葉淳氏。冒頭の話題は、やはり早朝に発表されたばかりの新型iPhoneについてだった。「私たちは10年前にiPhone 3Gが登場したときから扱ってきた。初めは『売れるの?』とも言われたが、信念を持って独占販売してきた」と同氏。「いまでは新しいiPhoneが発表される毎年この時期に、スマホの利用の見直しをおこなう人も多い」とソフトバンクを代表して胸を張った。
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ソフトバンクでは「あなたファースト ~ストレスフリーへ~」というスローガンでサービスを展開していく。具体的には「料金」「通信制限」「サポート」におけるストレスをなくしていく、という内容だ。
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■半額サポート for iPhone
まずは料金について。「半額サポート for iPhone」は、最新のiPhoneを48ヵ月の分割払いで購入するプログラム。従来の24回払いと比較すると、毎月の負担額は単純に半額になる。ユーザーにとって大きなメリットになるのが、25ヵ月目以降に機種変更すると、その時点で残っている分割支払金の残額支払いが不要になるという点。ちなみにKDDIも同様のサービスを用意しているが、榛葉氏は「KDDIさんの場合はAndroidだけ。またソフトバンクでは、本プログラムを利用した場合にも月月割がそのまま適用できる。このサービスのプログラム料を0円で提供する」とその違いについて説明した。
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■ウルトラギガモンスター
ソフトバンクでは昨年9月にギガモンスター(20GBプラン/30GBプラン)を提供開始した。この結果、スマホの新規契約者の約55%(25歳以下に限れば83%)がギガモンスターを選択するまでになっているとのこと。しかし、これだけの大容量にも関わらず、いまでは利用者の約3割が数ヵ月に1回の割合で”通信速度制限”を経験しているという。そこで、さらに大容量となる50GBのパケットプラン「ウルトラギガモンスター」を提供するに至った。
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「ウルトラギガモンスター」の利用料金は月額7,000円。これまで、30GBのギガモンスターを月額8,000円で提供してきたが、それと比べると1,000円割安+20GBの増量になる。榛葉氏は「毎月約220時間(毎日7時間以上)、動画が見放題になる。これはGYAO!、スポナビライブ、Netflixなどが実質無制限で見られるということに近い。せっかくの最新iPhoneを手にしたら、ぜひ通信制限を気にしないで思う存分楽しんで欲しい」とアピールしていた。
■みんな家族割
またソフトバンクでは、このウルトラギガモンスターの月額料金を割引する「みんな家族割」を提供する。ウルトラギガモンスターに加入した家族の人数に応じて割引額が増えるもので、具体的には2人なら1人あたり1,500円、3人なら1,800円、4人以上なら2,000円、それぞれの料金から割引となる。ユニークなのは、血の繋がった家族だけでなく、同居のパートナー、仲間、友だちであっても適用されるという点だ。
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■修理の取り次ぎにも対応
サポートについても説明があった。ソフトバンクでは2015年7月より、全国に700名のスマホアドバイザーを設置してスマホ教室をおこない、また操作案内、アプリの使い方などを希望者に個別にレクチャーしている。これに加え、新たにiPhoneの修理の取り次ぎにも対応していくという。「これまでソフトバンクショップでは、iPhoneの修理を希望のお客さまには”アップルストアに行ってください”、とご案内していた。それが心苦しかった」と榛葉氏。同社では10月2日より、全国のソフトバンクショップ180店舗でiPhone / iPadの修理取り次ぎを開始する。
ソフトバンクでは、これらの施策を通じてiPhone 8/ 8 Plus/ iPhone Xの販売に弾みをつけていきたい考えだ。
■低速撲滅を目指す
続いてソフトバンク テクノロジーユニットの野田真氏から、同社の目指すネットワークについて説明があった。同氏が掲げたのは「混雑エリア・時間帯での”低速撲滅”」。混雑時に効果的な4つのMIMO(マイモ)技術を展開していく考えを示した。
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4つのMIMOとは、セルの容量を1.5倍に拡張し3.5GHz帯にも対応させた「Massive MIMO 2.0」、クラウドの技術で複数の基地局をまとめて効率化する「Distributed MIMO」、現在の基地局のアンテナ構成を変えることなく展開できる「MultiUser MIMO」、それを上り回線に応用した「UL MultiUser MIMO」のこと。野田氏は「9月22日より全国で導入していく。今後、MIMOの対応基地局も増やしていく」と意気込む。もちろん新型iPhoneでも利用が可能。トラフィック混雑時のイライラが解消されることを期待したい。
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■ネットワークの負荷は?新型iPhoneの魅力は?
質疑応答には、榛葉氏と野田氏が対応した。
――いまソフトバンクでは、密集地帯でも通信速度が落ちないネットワーク技術の開発に注力しているということか。
野田氏「通信速度が遅くなってしまうユーザーの数を、できるだけ減らすことを目的に技術開発している。下りの速度で30~50Mbpsくらいのスピードが出ていれば、実際のところ動画の視聴にもストレスを感じない。それがお客さんにとっていちばん有り難いネットワークのあり方だと考えている」
――具体的には、どのようなシーンでメリットを感じられるか。
野田氏「最近、通勤電車の中で動画を視聴するユーザーさんが増えた。山手線、中央線など混み合う路線の場合、トラフィックも混み合うため、見ている動画が途切れたり止まったりといったことも起こり得る。私どものお客さまには、そういったストレスを感じるシチュエーションがなくなるよう、ネットワーク環境を構築していく」
――50GBのプランがネットワーク全体に与える影響について。
野田氏「当然ながら、サービスの提供後にネットワーク全体の負荷も上がると考えている。しかし元々、お客様の使用するトラフィックの量は増加傾向にある。ウルトラギガモンスターがネットワークに与えるインパクトはそれなりにあると思うが、でもすべて吸収し切れると想定している」
――半額サポート、ウルトラギガモンスターが収益に与える影響は。
榛葉氏「先の決算発表会で示した中に、すでに盛り込み済み」
――iPhoneの販売額を半額にすると、総務省の指針に触れないか。
榛葉氏「新型iPhoneの販売価格など詳細については、これから議論して決める。総務省の方針に従う形で検討していくことになる。ほぼほぼ、今回のプログラムで対応していけると考えている」
――新型iPhoneの魅力について、どう捉えているか。
榛葉氏「iPhone Xに関しては、さらなる成長の予兆を感じた。iPhoneの誕生から10年も経つのに、まだまだ進化していく。正直なところ予想以上だった。さすがAppleさんだ。具体的にはXに関しては3D顔認証機能、ホームボタンをなくした点などに驚いた。その背景に隠された新技術、工夫などを想像している。またひとつギアが上がったのではないか」
――ソフトバンク光とウルトラギガモンスターの棲み分けは?
榛葉氏「これまで通り、両輪という考え方で変わっていない。自宅で使う固定回線と、出先のスマートフォンで使うモバイル回線は違う。どちらも大切な両輪ということ」