【THE INSIDE】全国一の激戦と言われている東海地区予選…社会人野球クローズアップ(2) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE INSIDE】全国一の激戦と言われている東海地区予選…社会人野球クローズアップ(2)

オピニオン コラム

三菱自動車岡崎・Honda鈴鹿の試合前挨拶
  • 三菱自動車岡崎・Honda鈴鹿の試合前挨拶
  • Honda鈴鹿・瀧中瞭太(高島→龍谷大)
  • Honda鈴鹿・竹内諒(松阪→早大)
  • Honda鈴鹿・柘植世那(健大高崎)、本塁打してダイヤモンドを回る
  • Honda鈴鹿・栃谷弘貴(小山台→國學院大)
  • Honda鈴鹿応援席
  • JR東海・中田亮二(明徳義塾→亜細亜大→中日)
  • 岡崎市民球場
都市対抗野球の代表チームが着々と決まりつつある。全国で88ある(2017年度3月登録)企業チームにとっては、この予選を勝ち上がって本大会に出場できるか否かは、まずはその年の成果をとわれるといっても過言ではないくらいにプレッシャーが大きい。

3枠を4つで争うという戦いや4枠を6つで争う戦いも、どこかひとつかふたつが苦汁を嘗めさせられるということではプレッシャーは大きい。しかし、全国で最も激戦区と言われているのは、参加チームも多い東海地区であろうか。

企業チームは14チーム登録されているが、安定したチーム力を持っているチームが多く、いずれもが全国レベルと言ってもいい。さらには、そこへ近年は矢場とんブースターズ(以下、矢場とん)など、クラブ登録ながらも企業チームに引けを取らないくらいの戦力を蓄えてきているチームもあり、厳しさは増している。

実際、今年の2次トーナメントでも、矢場とんは16チームが参加した第1代表トーナメントでは初戦で東海理化に敗退したものの、敗者復活で回った第3代表決定トーナメントでは、1回戦では2014年から2年連続出場を果たした四日市市・永和商事ウイングスを下している。結果的には、2回戦の新日鐵住金東海REXに敗れ、最終の第6代表トーナメントの山に回って、王子に敗れて敗退となった。とはいえ、企業チームにとっては、矢場とんブースターズの存在は確実に嫌な相手として感じられるようになってきたようだ。

矢場とんブースターズ 攻撃前の円陣

矢場とんは、名古屋市を中心としたとんかつ屋チェーンで、名古屋名物にもなっている「味噌かつ」の発祥とも言われている。選手たちはその店舗での勤務をしながら野球に取り組んでいる。社会人野球の名門日本石油(現JX-ENEOSE)から中日で捕手として活躍して中日でコーチ経験もある片貝義明監督が率いるようになって3年目。当面は、クラブ選手権の常連としての出場を目指しているが、いつの日か企業チームを下して本大会進出をもくろんでいる。

また、今年の2次予選では浜松ケイスポーツBCも、2012年に初出場を果たしたことのあるジェイプロジェクトを第3代表トーナメントで下した。浜松ケイスポーツBCは、毎年企業チームに善戦する曲者クラブチームとして嫌がられる存在でもある。元々は、2001年には都市対抗で全国制覇を果たしている河合楽器が母体となって、会社業務の都合により廃部となった後に発足した。それだけに、チーム力としては確かなものがある。

いずれにしても、力のあるクラブチームも加わっての16チームで争う東海地区2次予選は質も高く、プロのスカウトも日参するほど選手個々の力量も高く、内容も見ごたえがある試合が続く。

それでも、今年はトヨタ自動車が前年優勝チームということで予選免除となっており、その分ひとつ枠が広がっている。それでも、各チームにとっての厳しい戦いは変わらない。

Honda鈴鹿は、第1次代表決定戦まではヤマハ、西濃運輸、東邦ガスを下して盤石の体制で上がってきたのだが、三菱自動車岡崎に敗れて以降、第2代表決定戦でも東邦ガスに敗れ、さらに第4代表決定戦でも三菱重工名古屋に敗れ3連敗。それでも、第5代表決定戦で何とか西濃運輸を下して代表を掴み捕った。

Honda鈴鹿・竹内諒

逆に2014年には全国優勝を果たし、昨年もベスト4の西濃運輸が今度は追い込まれた。第6代表決定戦に回ることとなったのだ。相手は豊川市・東海理化である。東海理化は2010年以降本大会進出が途切れているが、何とか7年ぶりの出場を狙いたいところである。第3代表決定トーナメント2回戦で敗れ、もう、ここで負けたら後がない第6代表決定戦では1回戦から戦っていかざるを得なくなって、浜松ケイスポーツBC、王子、ヤマハ、JR東海と4連勝して生き残ってきた東海理化との一騎打ちということになった。最後は何とか西濃運輸が競り勝って第6代表をもぎ取った。

こうした、サバイバル合戦ともいえる戦いが毎年続く東海地区予選。今年は15年にベスト4に進出し、昨年の日本選手権もベスト4の王子が敗退。過去27回出場のJR東海も2年連続で出場権を逸した。高校野球の一本勝負とはまた異なった厳しさもある。敗者復活があるのだけれども、それゆえに追い込まれていく危機感を実感として味わっていくことになる戦いでもある。そうした中から這い上がって生き残ってきたチームは、やはり粘り強いともいえるかもしれない。
《手束仁》

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