目の前に迫る8000メートル級を前に、感動と苦しみのトレッキング | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

目の前に迫る8000メートル級を前に、感動と苦しみのトレッキング

オピニオン コラム
石垣には文字や絵が描かれている
  • 石垣には文字や絵が描かれている
  • ネパールでは有名なプレート、ダルパッドは作る人によって味が変わる
  • Annapurna Circuit Trek
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  • トレッキングコースではマウンテンバイクに会うことも。
  • Annapurna Circuit Trek
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ネパールでのトレッキングの話をすると「エベレストに登ってきたんだ?」と聞かれる、まさかである。ネパールはエベレストだけが山ではない、ということは目の前に広がる山を見た時にそう思った。

今回、トレッキングで訪れたのはアンナプルナ連峰。第1~第4まで約8000メートル級の峰が続く。私たち一行は、その峰の中のひとつトロングラ(標高5416メートル)を目指した。

今回は個人で行ったわけではない。世界の国々でのアドベンチャーを楽しむということを掲げた旅行会社G Adventuresのツアーに参加した。ツアー代金は、18日間で約1500豪ドル(航空運賃や食事を除く)。

様々な国のツアー客が集まるため、現地までの飛行機や傷害保険また入国する際のビザなどは各自で手配することになっている。送られてきた日程に基づき、初日までにネパールへ入国をすることになる。

ネパールで有名なプレート、ダルパッド

住んでいるオーストラリアからネパールまでは、ほぼ一日半の旅。メルボルンからクアラルンプールを経由してカトマンズへと向かう。

初めて降り立つカトマンズの空港では、たくさんの迎えの人が待っていた。G Adventuresの旗を持ったスタッフらしき人について行こうとした。その時、本当のG Adventuresのスタッフに呼びかけられたということがあった。お金欲しさから偽の旗を持って旅行客を待ち受けるドライバーが増え続けているとのことだった。

飛行場からカトマンズ市内まではスタッフの車で20分ほどの距離。街には人や車、バイクなどが忙しそうに走り回っていた。ネパール第一日目は市内ホテルで宿泊だ。

●カトマンズ市内には、山登り専門店が軒をつらねる

トレッカーや登山客が多く、カトマンズ市内には多くの登山ショップが軒を連ねる。ウォーターボトルや登山服などは現地で調達が可能だ。今回のトレッキングで特に役に立ったのは100円ショップで売られているもの。日本の友人がトレッキングの必需品をオーストラリアに送ってくれた。除菌アルコールは現地調達、そこから先のトレッキングで大いに役に立った。

ショップが軒を連ねる

●G Adventures Nepal参加メンバーは多国籍

一日目に宿泊するネパール首都・カトマンズ内のホテルで顔合わせをした参加メンバー。イギリス・ドイツ・オーストラリアからの合計9名。そして現地のスタッフが2名。

翌日から入山するための注意事項やスケジュール、その先18日間を共にするメンバーの自己紹介が行われた。ほとんどのメンバーがトレッキング経験者(うち数名はネパールでの経験も有り)。またG Adventuresでのアドベンチャーの経験者も多かった。

その中で私は唯一小柄なアジア人女性で自身初のトレッキング。経験の多いメンバーとこれから先の時間を過ごすことになる。メンバーにはイギリスからの救急隊員が休暇で加わっていたので私にはそれが唯一の安心材料となった。

●ツアーバックに荷物を移し替える

ミーティングでは、ツアーで使うレンタルバックを渡された(スポーツバックより大きく頑丈なもの)。このバックに荷物を入れ替え10キログラム以内にする必要があった。持参したキャスターバックや不要なものは、一日目に宿泊するホテルに預けることに。

トレッキングをする16日間の荷物をこの重さにまとめるというのはかなり厳しいが、不要なものを選び出し置いていくことの必要を迫られた。

何故、そのようなバックが必要か。翌日からのトレッキングでは、これらの荷物はキャリーと呼ばれる運搬係のスタッフが運んでくれる。キャリーはひとりで3人分(約30キロ)の荷物を頭にかかえ、私たちと一緒に歩行で進むのである。そのため、ひとり10キログラムという荷物の重量制限があった。今回のキャリーは合計で4名、いずれも小柄でその重い荷物を運べるようには見えなかった。

上に荷物を載せた車やバスはよく見かける

●合計30キロを頭にかかえるキャリーの役目は大きい

トレッキングで彼らキャリーの役目は荷物を無事に運ぶこと。どんな山道でも彼らは自分の身体を使い荷物を運ぶ。各所休みを取りながらではあるが、私たち参加者よりも早く常に前を歩くことができる。キャリーが荷物を運んでくれるお蔭で私たちは小さなデイパックに必要な水や補助食品を背負うだけですむのである。

●トレッキングスタート地点の街へとバスで移動

翌日、カトマンズ市内からは小型バスで移動。くねくねとした道をかなりのスピードで走ること6時間。トレッキングスタート地点となるベジサハール(標高760メートル)に到着。

翌日からのトレッキングスタートとなるジャガットの街まで足慣らしに歩き、ロッジに到着したのは夕方頃だった。長い飛行時間と慣れない街の散策により、かなりの疲労を感じていた。

(続く)
《Asami SAKURA / Adelaide, SA》

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