楽天は三回に四球で出塁した茂木栄五郎を一塁に置き、開幕から絶好調のカルロス・ペゲーロがライトボール際へ先制2ラン。内角低めの変化球を捉えた当たりにペゲーロは、「とにかくストライクゾーンに甘い球が入ってきたら強く振るとそれだけ考えて、神様のおかげで打つことができました」とコメントしている。
「ホームランを打とうとか、ヒットを打とうとか考えずに、シンプルに甘い球が来たら強く叩く。当たれば飛んで行くのは自分では分かっているので、欲を出さないで振るよう心掛けています」
超攻撃的2番の一発で先制した楽天は先発の森雄大を四回で降板させ、五回のマウンドに高梨を送る。四回までソフトバンク打線を無安打に抑える一方、与四死球6と制球に苦しんでいた森から早めのスイッチ。
高梨は先頭の長谷川勇也を打ち取るが、1アウトから連打で一、三塁とされる。しかし本多雄一、柳田悠岐を打ち取りピンチ脱出。左打者との対戦を意識して社会人時代にスリークォーターから、サイドスローへ転向した左腕がその進化を発揮した。
チームが3-1で勝利したため勝ち投手になった高梨。12球団新人一番乗りでのプロ初勝利にヒーローインタビューでは、「まさかこんなに早く勝ちが付くと思わなかったので、びっくりしています」と緊張と喜びの入り混じった表情を見せた。
早大の後輩・茂木がお立ち台に上がっている試合を昨年たまたま観戦したという高梨。1年後に自分も同じ場所に立った。
「去年はそちらの席で、茂木選手のお立ち台を見ていたので、ちょっと嬉しいです」
プロ初勝利の高梨にファンからは、「あれだけコントロールされたら左バッターは打てないよ」「金刃が出遅れて心配されたところに穴を埋める活躍」「スライダーとツーシームがいいし、コントロールもあるから通年で活躍しそう」「ここまでは森原が目立ってたけど、高梨も良い感じ。楽天のルーキピッチャーは楽しみな選手が多いな」などの声が寄せられている。